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映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』のネタバレ感想・考察 ラストの意味&犯行動機

22年目の告白-私が殺人犯です-

 

タイトルがインパクト大な映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』。

 

個人的に大好きなイヤミス感のある映画で、伏線・ストーリー・展開がギュギュっと詰まっている感じが最高に面白い映画でした!

 

何かイベントが起こるたびにゾクゾクするような面白さがありつつ、最後の最後までしっかりと楽しみ尽くすことが出来るような展開もとても良かったですね。

 

イヤミス作品がお好きな方、考察がお好きな方にはぜひともチェックしてみていただきたいです!

 

 

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の作品情報

 

あらすじ

未解決のまま時効を迎えた事件から22年後、突然名乗り出てきた犯人・曽根崎雅人。

 

曽根崎は自らの顔を衆目に晒しながら、事件についての告白本を出版します。

 

さらにネット・TV・イベントと数多くの場所に出演し、彼に対して世間からは賛否両論あるものの本はベストセラーになりました。

 

そんな22年越しに現れた犯人を中心に、謎の犯人を追うマスコミ・彼を捕まえることができずに時効を迎えた警察・憎悪と悲しみに暮れる被害者遺族。

 

それぞれの想いが入り混じる中、日本中を巻き込んだ新たな事件(ゲーム)が始まります…!

 

予告動画


映画『22年目の告白 -私が殺人犯です-』本予告【HD】2017年6月10日(土)公開

 

動画リンク

 

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の感想

 

【面白ポイント】

  • キャラクター同士のバランスが良い
  • 伏線・展開が面白い
  • 意味深でイヤミス感の漂うラスト

 

キャラクター同士のバランスが良い

今作は絡み合うキャラクター同士のバランスというか、クローズアップするタイミング・距離感が絶妙でちょうど良かったです!

 

捕まることなく時効を迎えた犯人。

犯人を取り逃がした警察。

世間の注目を集める犯人を見つめる被害者遺族。

話題性から彼の周りに群がるマスコミ。

 

それぞれの想いを語りつつも1人だけが主張し過ぎることがなかったので、それぞれに感情移入しやすくて良かったですね。

 

また次に登場するキャラクター・展開の予想が付きにくく、驚いたり推理しながら楽しめるような程よいキャラクターバランスだったと思います。

 

なのでキャラクターと一緒に推理しながら楽しめるミステリー映画がお好きの方、キャラクター同士が入り乱れるミステリー映画がお好きな方におすすめです!

 

伏線・展開が面白い

今作は伏線・展開共にボリュームがあったので、最後まで飽きることなく楽しむことが出来ましたね!

 

映画後半に関わってくる伏線にゾクゾクするものがありますし、人物はそのままに犯人・被害者の立場が入れ替わるようなストーリー展開も面白かったです。

 

そして考察の余地が残されていることによって、「こうじゃないかな?」と思いつつ「いや、こうかもしれない」と推理しながら観れる点が非常に良かったと思います。

 

なのでミステリー映画がお好きな方から、ミステリー映画に少し飽きてきているという方にまでおすすめできる映画です!

 

意味深でイヤミス感の漂うラスト

犯人逮捕でハッピーエンドになるのではなく、その後のイヤミス感漂う意味深なラストまであったのがとても良かったです!

 

何とも意味深というかどう足掻いてもハッピーエンドでは終わらないラスト。

 

イヤミス大好き人間としてはゾクゾクっとするような、人間の闇が詰まったラストになっていて良かったと思います。

 

なのでイヤミス好きな方、人間の闇が詰まったラストがお好きな方にはぜひともチェックしてみていただきたいです!

 

映画『22年目の告白-私が殺人犯です-』の考察

 

【考察ポイント】

  • 仙堂の犯行動機
  • ラストの意味
  • ラストで仙堂を襲った人物

 

仙堂の犯行動機

自分と同じ立場の人を増やすことで自分のトラウマを癒しながら、自分を解放してくれる人物を呼び寄せるために犯行に及んでいたのではないかなと思います。

 

仙道は中東での取材中に目の前で友人の命を奪われながら、自分だけが生き残ったことがトラウマになっていました。

 

心情的には牧村の妹・里香と同じですね。

 

自分だけがなぜ生き残ってしまったのだろうと悩み苦しみながら、その辛すぎるトラウマから解放されたいと思っていたのではないかな。

 

そして仙堂はそのトラウマを癒すために、自分と同じ立場の人間を作り出すことで悲しみをシェアしようとしていたのだと思います。

 

つまり仙道の目的は人の命を奪うことではなく、自分と同じ立場の人物を生み出すこと。

 

目の前で大切な人を失う恐怖・悲しみ・苦しみを与えるために、犯行を行っていたのではないでしょうか。

 

そしてその人物の取材をしたり、事件を追うことでその人物に共感して「自分1人ではない」と自分の心を癒しながら、共に悲しめる人を求めていたのかなと思います。

 

そしてそれと共に、いつかは自分を解放してくれる人を待っていたのかもしれませんね。

 

生き残ってしまった時のやり直しをするために、今度こそ友人と同じ最期を迎えたいと願っていたからこそ犯行を繰り返していたのではないかなと思います。

 

ラストの意味

ラストで仙堂が刺されたことには誰しも望むような最期を迎えることはできないということ、人によって復讐の終着点は異なるという意味が込められていたのだと思います。

 

仙堂は友人を目の前で失ったトラウマから犯行を繰り返しながら、自分も同じように手にかけてほしいと望んでいたのではないかな。

 

だからこそ犯行を繰り返し、自分を解放してくれる人物を待っていたのだと思います。

 

しかしあと1歩で自分を解放してくれそうだった拓巳は犯行を思いとどまってしまい、最期には首を絞めるのではなく、刺される形で命を落とすことになりました。

 

つまり自分勝手に他人の命を奪っておきながら、自分が望む最期を迎えることはできないという意味が込められていたのではないかな。

 

ちなみに仙堂が獄中から本を出版していたのは、自分を手にかけてくれる人をけしかけるため、犯行の後押しをするためだったのではないかなと思います。

 

実際、本を出版してすぐに襲撃にあっていますし…ある意味では望みは叶ったけれども、理想ではなかったという感じかな。

 

そしてもう1つ、あのラストには人によって復讐の終着点は異なるという意味が込められていたと思います。

 

牧村たちは犯人である仙堂が逮捕されたことで復讐達成としていましたが、みんながみんな、そこを復讐の終着点にはしていなかったのではないかな。

 

自分の大切な人を奪った奴が逮捕されるだけで終わるなんて許せない、命を奪ってこそ復讐と言えるだろうと考える人もいた…ということではないかなと思います。

 

なのであのラストには被害者側・加害者側、異なる2つの想いが込められていたのではないかなと思いました。

 

ラストで仙堂を襲った人物

普通に視聴した限りではラストに仙堂を襲った人物は戸田に見えましたが、個人的にはあの犯人が整形した拓巳という可能性も十分にあると思います。

 

拓巳が飛行機で向かった先

拓巳は飛行機に乗って、被害者遺族の1人である戸田父のもとに向かったのではないかなと思います。

 

戸田父は愛する女性を奪った犯人を憎み、執念に近い復讐心を燃やしていて、拓巳はそんな戸田父に共感していたのではないかな。

 

だから映画内ではどこに行ったか語られていないものの、実は被害者遺族の1人である戸田父のもとに向かっていたのではないかなと思います。

 

もしくはすでに戸田父とは話がついていて、飛行機に乗っていたのは証拠の残らない海外で整形手術をするためだったのかもしれませんね。

 

拓巳が戸田になりすます理由

仙堂に近付きやすくするためというのと、戸田父のリクエストだったからではないかなと思います。

 

世間に顔を晒していた拓巳は、多くの人に顔と仙堂を恨んでいることを知られてしまっているため、仙道に近付くためには顔を変える必要性があったのでしょう

 

そして整形することになった時に、戸田父が「戸田の顔にしてほしい」と要望を出したのではないかなと思います。

 

曽根崎を襲撃した時にも部下ではなく戸田に行かせていたことを思うと、戸田父は亡き恋人の息子である戸田に復讐させることに執念を燃やしているのではないかな。

 

だから拓巳には戸田になりすます理由はなくとも、戸田父にとっては整形させる必要性があったのだと思います。

 

「里香の命日には帰る」の意味

あのセリフにはただ命日に帰ってくるというだけでなく、『拓巳として』帰ってくるという意味が込められていたのではないでしょうか。

 

戸田に整形した拓巳が仙堂を襲撃すると戸田本人に容疑がかかってしまうので、それを避けるために『自分が戸田ではないこと』を証明する必要があります。

 

そして復讐を果たした後に拓巳に生きている理由がないとすれば…拓巳は復讐を果たしたあとに『拓巳として』自ら命を絶つつもりなのではないかな。

 

こうすれば戸田本人に容疑がかかることはありませんし、復讐者・曽根崎から解放されてやっと拓巳としてみんなの元に…里香の元に帰ってくることができます。

 

なのであのセリフには里香の命日までには復讐を終えてくる、その頃には拓巳として帰ってくるという意味が込められていたのではないかなと思います。

 

拓巳が犯行を思いとどまった理由

拓巳が仙堂に襲いかかった時に1度躊躇っていたのは思いとどまったのではなく、犯行に及ぶことができなかったのではないかなと思います。

 

仙堂は友人が命を落とす瞬間を目撃したことがトラウマとなり、他人に同じ行為を行うタイプでしたが…。

 

拓巳は里香の命を落とす瞬間を目撃したトラウマから、他人に同じ行為を行えなくなってしまったタイプなのだと思います。

 

つまり拓巳は首を締めるという行為が行えなくなっていたため、凶器を変更する必要性があったのではないでしょうか。

 

だからこそ仙堂を亡き者にできる絶好のタイミングがあったにも関わらず1度は思いとどまり、凶器を変えて改めて襲撃に向かったのではないかなと思います。

 

戸田の動機

戸田には確かに仙堂を襲う動機がありますが、自分の意思で襲撃するほどの強い復讐心はないと個人的には思います。

 

曽根崎を犯人だと思って襲撃した時にも「やばいことをさせられる」と刑事にタレこんだりしていましたし、いざ襲撃した時にもワタワタとしていましたしね。

 

なので犯人を恨む思いはあれども、戸田父ほどの復讐にかける思いというか度胸はないのだと思います。

 

それなのに最後の仙堂を襲うシーンでは、そんな戸田からは想像つかないくらい冷静に静かに動き出していました。

 

あきらかに動きが別人ですよね

 

これだけでは戸田ではないという根拠にはなり得ないかもしれませんが、戸田ではないかもしれないという可能性にはつながるのではないかなと思います。

 

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映画のもとになった韓国映画。
今作がお好きだった方、興味のある方はぜひこちらも!

 

まとめ

 

今作はストーリー・伏線・展開共にしっかりと作り込まれていたので、普通のミステリー映画としてもイヤミス映画としても楽しめるような映画になっていました!

 

考察が好きな方、イヤミス好きな方に特におすすめな映画ではあるのですが…。

 

普通のミステリー映画がお好きという方にもおすすめな作品なので、興味のある方はぜひともチェックしてみてください!