今作は純粋なホラー映画とはちょっと違う一風変わった映画になっているので、考察をすることで初めて魅力が生まれるような映画でしたね。
なので人によって好みが分かれるのではないかなとは思いますが、リングがお好きな方にはぜひとも1度チャレンジしてみていただきたい映画になっています!
映画『らせん』の作品情報
あらすじ
かつての同級生・高山竜司の突然すぎる訃報を知った安藤満男。
高山が命を落とすに至った経緯に疑問を抱いた安藤は、行方不明になっている高山の元妻と子供のことなど、謎多き状況について第一発見者である高野舞に尋ねてみます。
すると高野は「彼らは呪いのビデオテープについて調べていたために命を落とした」と言い出しました。
安藤は呪いについて否定していたのですが、そんな彼の元に呪いのビデオテープについて調査していた高山の元妻の手帳と、呪いのビデオテープが届き…。
動画リンク
映画『らせん』の感想
【面白ポイント】
- 序盤はちょっと怖い
- 貞子の素顔が初登場
序盤はちょっと怖い
前作『リング』ではホラー表現が少なかったのですが、今作は比較的ホラー演出が多く、中にはゾワッとするようなホラー演出もありましたね。
個人的には良い演出だったと思うのですが、ホラー映画が苦手な方やお子様には不向きなホラー演出かもしれないので視聴の際はご注意ください。
ただリングに比べるとホラー演出が多いというだけで、普通のホラー映画に比べると少ない方だと思うので、そこまで身構えるほどではないかもしれませんね。
リングのホラー演出が物足りなかったという方、ホラーが得意ではないけど興味はあるという方に向いているホラー映画かなと思います。
貞子の素顔が初登場
前作では印象的な長い黒髪で顔が見えなかった貞子でしたが、今作では写真・ホラー演出にて素顔が初登場いたします。
素顔が出てしまったためか、前作ではあんなに奥ゆかしく最後の方までなかなか登場しなかった貞子が、今作では序盤から終盤までバシバシ登場していました。
さらに結構しゃべるキャラになってしまっているので…前作以上に貞子に関するホラー要素は薄れてしまっているように感じましたね。
貞子の素顔を見ていて気付いたのですが、この女優さん確かドラマ『TRICK』にも出演されていませんでした?
トリックのストーリーが貞子と似たような設定でしたし、あの話はもしかしかてリングシリーズの貞子が元ネタだったのかもしれませんね。
貞子に対する恐怖はありませんでしたが、トリック好きな方には懐かしさもありつつ、トリックを観直したいなと思えるような良い映画だったのではないかなと思います。
映画『らせん』の考察
【考察ポイント】
- ラストの高山竜司の復活
- 高野舞の子供が貞子…?
- 陽一が命を落とした理由
- 貞子の呪いは安藤の妄想
ラストの高山竜司の復活
ラストの展開を信じるなら復活したのでしょうが…DNAのみで記憶まで引き継ぐというのは難しいと思うので、個人的には高山竜司は復活していないと思います。
DNA情報で同じ顔のクローンは生まれるかもしれませんが、その人間の内面をつくるのは経験によるものだと思っているので…。
クローンをつくったからと言って記憶・人格まで引き継いでいるというのは、ありえないことなのではないかなと個人的には思います。
なので高山の復活は安藤の妄想世界だけでの出来事で、実際には高山竜司は復活していないのではないかな。
高野舞の子供が貞子…?
個人的にはこれも安藤の妄想で高野舞はそもそも生きているし、貞子は生まれ変わってなどいないと思います。
高野舞の姿をした貞子は全て安藤の妄想。
というか、何度も安藤に迫ってきていた高野舞も安藤の妄想だと思います。
映画序盤に登場していた高野舞は本物かもしれませんが、神出鬼没に現れては安藤に迫っていた高野舞は安藤の妄想ではないかなと…。
そして高野舞が発見現場から引き上げられた時、ぐるぐるに毛布でくるまれていたために顔が見えず、警察が明確に『高野舞だ』と言ったことはありませんよね。
高野舞だと分かったのは安藤がジッパーを開けた時だけ。
つまり、あのご遺体を高野舞だと認識していたのは安藤だけということになります。
なので高野舞が命を落としていると思っているのは、呪いのビデオテープの呪いだと思い込んでいる安藤だけで、高野舞本人は普通に生きているのではないでしょうか。
マンションにいなかったのは普通にお出かけ中か、窓を割って部屋に侵入してきた安藤から逃れるためだったのかもしれません。
もしかしたら高野舞が妊娠しているという事だけは事実かもしれませんが、その子供が貞子の生まれ変わりというのは安藤の妄想だと思います。
陽一が命を落とした理由
陽一が命を落としたことには、祖父が自ら命を絶ったことが関係していると思います。
今作の手帳による感染という設定を抜きにして、呪いのビデオの呪いによって命を落としたと考えると…。
ダビングした呪いのビデオテープを祖父に観せることで一時は呪いを回避することができていました。
しかしその直後に祖父がビデオテープを破棄し、自らの意思で命を絶ったために祖父にかかるはずだった呪いが陽一に返ってきてしまったのではないでしょうか。
例えるのであれば、配達依頼をしていた宅配便が宛先不明で送り主に返ってきてしまった…という感じですね。
なので陽一が命を落としたことには、祖父が自ら命を絶ったことが関わっているのだと思います。
貞子の呪いは安藤の妄想
手帳による呪いの感染というのは全て安藤の妄想だと思います。
今作で命を落とした人々は全て新種のウイルスによるものなのに、貞子の呪いだと思い込んでいるだけなのではないでしょうか。
前作では呪いのビデオによる呪いで『心筋梗塞』になって命を落としていたのに対し、今作は喉に影響のあるウイルスによって命を落としています。
つまり、これらは呪いのビデオテープ・貞子の呪いとは無関係なのではないでしょうか。
安藤は子供を失ったトラウマを抱え、呪いのビデオテープと関わる前から幻覚・悪夢などに苛まれていましたから。
今回も呪いのビデオテープを観てしまったという恐怖心から貞子が自分の周りにいるという幻覚・悪夢に苦しんでいただけだと考えられます。
もしかしたら、呪いのビデオテープを観たというのも妄想だったかもしれませんね。
玲子の残した手帳・貞子の写真を見ただけで、呪いのビデオテープを観ていないにも関わらず、手帳や写真の情報を基に悪夢や幻覚に苦しめられれいるだけだったのかも。
おそらく現実と妄想が入り混じっているのでしょう。
玲子・竜司・陽一が呪いのビデオテープによって命を落としたというのが事実だとすると…。
玲子の上司である吉野は呪いとは無関係の新種のウイルスによって命を落としているが、高野舞は普通に生きていると思います。
そして友人の宮下は、吉野と同じウイルスに感染しているだけなのではないかな。
その他、ラストの高山竜司の復活・貞子の生まれ変わりなどは、全て安藤の妄想だったのだと思います。
映画『らせん』の関連作品
文章からリングの世界観を楽しみたいという方はぜひ。
良い意味で印象的な絵柄なので、興味のある方はぜひ。
まとめ
視聴後に心霊否定説・全ては妄想説の考察をすることで、面白さが生まれてくる映画でしたね。
リングと絡めつつも正反対を行くような内容で面白かったです!
人によって好みが分かれやすい作品にはなってしまっているのですが、考察すると面白さが生まれてくる映画なので、考察好きな方はぜひチェックしてみてください!