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映画『ビューティフル・マインド』のネタバレ感想・考察 学者の前に万年筆を置く意味

ビューティフル・マインド(吹替版)

 

とある天才数学者の人生を描いた映画『ビューティフル・マインド』。

 

周りの人々に愛される主人公の切ないストーリーにほっこりしたり悲しくなったりしつつ、隠された伏線から広がる真実まで楽しめるような魅力的な映画でした!

 

どちらかといえば何度観返しても楽しめる映画がお好きな方、切ないストーリーに悲しくなるだけではなくほっこりするような要素もある映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『ビューティフル・マインド』の作品情報

 

あらすじ

未来を担う数学者としてプリンストン大学に入学したジョン・ナッシュ。

 

天才的な頭脳、研究への強い探求心を持つ優秀な人間なのですが…人付き合いが苦手でストレートな物言いが人を不快にさせ、なかなか新しい環境に馴染めずにいました。

 

しかし不真面目なルーメイトのチャールズ・ハーマンが良き遊び相手、そして話し相手になってくれたことで、ジョンはそこそこに楽しい日々を過ごします。

 

どんどん成果を上げてジョンに嫌味を言ってくる同学年とは違い、ジョンを理解して寄り添ってくれるチャールズ。

 

研究の成果を出すことができず思い悩むこともありましたが、そんなチャールズのおかげで無事に成果を上げることができたジョンでしたが…。

 

予告動画


ビューティフル・マインド - 予告編

 

動画リンク 

 

映画『ビューティフル・マインド』の感想

 

【面白ポイント】

  • 愛される主人公ジョン・ナッシュ
  • 最初から伏線が隠されている
  • とにかく切ないストーリー

 

愛される主人公ジョン・ナッシュ

人付き合いが苦手で孤独だと思い込んでいるジョンですが、ジョンが気付いていないだけで実は多くの友人から愛されていたというのが良かったですね。

 

最初こそ変な奴だと周りの人がイジワルなことを言っていたけど、何だかんだで声を掛けてくれる人がいて、ジョンを仲間の輪に引き入れてくれていて…。

 

人を惹きつける魅力がジョンにあるからこそ、彼の周りには多くの人が集まる・愛されるというキャラクターが良かったですし、ちゃんと納得のいく設定で良かったです。

 

ストレート過ぎる言葉で他人を不快にさせることはあれども悪気はないし、本心を隠した裏表の激しい人間であるよりかは、常に正直でいた方が好感は持てますしね。

 

そして愚直に研究を続けて、研究について話している時の無邪気なキラキラとした目。

 

ジョンが愛されることにも納得がいくし、孤独な主人公が実は周りから愛されていたという映画のテーマにもマッチしている主人公像で良かったですね。

 

なのでどちらかといえば、イヤな奴だけど憎めないところのある主人公がお好きな方、愛される主人公がお好きな方におすすめしたい映画です!

 

最初から伏線が隠されている

今作は冒頭から結末に向けての伏線がしっかりと散りばめられているので、何度観ても面白い映画になっています。

 

学生時代に関しては…

 

  • ジョンが自分勝手に部屋をカスタマイズしていた時に現れたルームメイト
  • 他の友人が現れるとスッと離れていくチャールズ
  • 研究所に行くのにチャールズを指名しないジョン

 

大人になってからは…

 

  • 面倒な割に危険性の高い誰とも関わらない暗号解読の報告方法
  • チャールズの姪が走り回っても飛んで行かないハト
  • ジョンが不安・不満を感じる度に現れるチャールズ
  • 大親友なのに結婚式にいないチャールズ

 

よくよく観返してみると、結構冒頭からチャールズは存在しない・暗号解読の仕事はないという伏線が隠されています

 

初めて観た時にも切ないどんでん返しに衝撃を受けるストーリーで面白かったのですが、観返してみると1回目とはまた違った衝撃・楽しみ方ができて面白かったです。

 

なので純粋に面白い映画をお求めの方にはもちろんのこと、何度観ても面白い・楽しめる映画をお求めの方に特におすすめしたい映画でしたね!

 

とにかく切ないストーリー

ジョンは好きで幻覚を見ているわけではないし、周りの人間は変わっていく彼をどう受け止めれば良いのか分からず困惑しているという、何とも切ないストーリーでしたね。

 

またジョンにとって幻覚が生き甲斐だったり、幸福・満足感に繋がるものだったりしていたというのがすごく切なくて…。

 

不満なことが多い現実が良いのか、空虚ではあるけど満足感のある幻覚が良いのか…どちらの世界がジョンにとって幸せなのか考えさせられる映画でしたね。

 

そしてジョンだけではなく、ジョンの周りにいる人間の立場での心理描写も描かれていたのが良かったです。

 

ジョンのことが好きで一緒に仕事をしたり結婚したりしていたのに、その彼がどんどん自分の知っている彼ではなくなっていってしまう…。

 

それをどう受け止めれば良いのか自分はどう関わっていけば良いのか、ジョンの幸せはもちろんのこと自分の幸せも考えなければならないし…何とも難しいですよね。

 

そんな幸せって何だろうという難しいテーマについて考えさせられつつ、切ないストーリーにほっこりしたり悲しくなるような映画でした。

 

印象としては映画『鑑定士と顔のない依頼人』と少し似ていましたね。

 

幸せなんだけど悲しくて、悲しいんだけど幸せというか…相反する2つが合わさっていることで幸せについて考えさせられるようなストーリー展開がよく似ていました。

 

なのでほっこりするけど悲しくなる・悲しくなるけどほっこりする切ない映画がお好きな方、幸せについて考えさせられる映画がお好きな方におすすめしたい映画です。

 

◆あわせて読みたい◆

  

映画『ビューティフル・マインド』の考察

 

【考察ポイント】

  • ローゼン医師を呼んだのは誰?
  • どこから幻覚だったの?
  • 学者の前に万年筆を置く意味

 

ローゼン医師を呼んだのは誰?

にジョンの担当になる精神科医・ローゼンを呼んだのは、妻のアリシアだと思います。

 

ローゼン医師が大学にやってきた日の前日、アリシアが不可思議な行動を取るジョンに疑問を抱き、電話に向かっていくシーンがあったのでアリシアが電話したのでしょう。

 

大学時代から幻覚を見ていたとは知らず、ジョンは子供が生まれることに悩み、精神的に参っているのではないか…とローゼン医師に連絡を入れたのだと思います。

 

もしくはアリシアがソルに電話して、ソル経由でローゼン医師に連絡が入ったのかもしれませんね。

 

アリシアは帰ってこないジョンを心配した時にソルに連絡を入れていたり、ソルもソルでジョンやアリシアの様子を見に来たりしていたので…。

 

アリシアからの電話、職場でも不審な行動が目立ち、廃墟に通うというジョンの謎めいた行動を心配したソルが、ローゼン医師に連絡したのではないでしょうか。

 

なぜソルがローゼン医師のことを知っていたのかは分からないけど、大学内の繋がりからローゼン医師を教えてもらった可能性は十分にあると思います。

 

なのでローゼン医師を呼んだのはアリシアか、アリシアから連絡を受けたソルだったのではないかなと個人的には思いました。

 

どこから幻覚だったの?

大学時代に関してはルームメイトのチャールズが現れたところから、大人時代にはパーチャーが暗号解読の仕事を持ってきたところからが幻覚だったのだと思います。

 

ジョンはルームメイトなどおらず1人で暮らしており、そもそもチャールズという人間は存在していません。

 

おそらく大学に入学したものの周りの人間と思うようにコミュニケーションを取ることができず、孤独を感じたために生まれた幻覚がチャールズだったのでしょう。

 

なのでチャールズと図書館・屋上・部屋で話していたのも全ては自分の脳内との自問自答、部屋から机を投げ落としたのも全てはジョンが1人で行ったことだと思います。

 

暗号解読の仕事に関してはパーチャーが持ってきた仕事は全て幻覚ですが、最初のパーチャー以外の人物から依頼されていた仕事だけは本物だったのではないかな。

 

立ち入り禁止区域に入り、仕事の詳細は全く知らされない状態で暗号だけ解かされ、ほぼ追い返されるような形で放り出されたことを思うと、あれは本物だったのでしょう。

 

もしあの暗号解読の仕事も幻覚だったのだとすれば、事件の詳細を話されたり・継続依頼があったりするはずですからね。

 

おそらくあの暗号解読に快感・達成感を得たのに、事件の詳細も教えられないまま追い返されたことにストレスを抱いたからこそ、パーチャーが生まれたのでしょう。

 

なので暗号解読の仕事に関してはパーチャーが持ってきた仕事は全て幻覚ですが、パーチャーではない人物から依頼された初回の仕事は本物だったのだと思います。

 

学者の前に万年筆を置く意味

学者の前に万年筆を置く伝統が本当にあるのかは不明ですが、学者に自分の万年筆を贈ることには、学者から学者に対する最大の賛辞が込められていたのだと思います。

 

ちなみに映画内では「教授たちが素晴らしい功績を残した教授にペンを捧げる伝統」という説明がありました。

 

昔はパソコンを誰もが持てる時代ではなく、研究のためには紙とペンが必ず必要だったので…。

 

あの万年筆を捧げる伝統には「自分のペンも使ってもっと素晴らしい研究を続けてくれ」という、学者から学者に対する賛辞の想いが込められていたのだと思います。

 

あなたの研究は素晴らしいと周りから認められること、もっと研究を続けてくれと望まれることは、学者にとっては最高の誉め言葉だったでしょうからね。

 

もっと言えばペンを送る側の学者も研究するためにペンが必要になるはずなのに、その仕事道具を他の学者に贈ることにも意味があるのでしょう。

 

イメージとしてはクラウドファンディングに近いのかもしれないですね。

 

「自分はあの人の研究のためにペンを捧げました」という応援している確たる証拠・想いを残すために、自分が使っていたペンを捧げるのではないかなと思います。

 

映画『ビューティフル・マインド』の関連作品

 

鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

 

 
今作がお好きな方に!
悲しみと幸せが混在するストーリー展開がお好きな方におすすめです。

 

まとめ

 

初回はまさかのどんでん返しに衝撃を受け、2回目は冒頭から隠されていた伏線を見つけて驚く…そんな何度観ても驚き・楽しめる映画で面白かったです!

 

そしてそんな驚きをしっかりと楽しませつつ、切なさのあるストーリーで幸せについて考えさせられるようなストーリー性も良かったですね。

 

なのでどちらかといえば何度観返しても面白い映画がお好きな方、切なさのあるストーリーで考えさせられるような映画がお好きな方におすすめな映画でした!