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映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のネタバレ感想・考察 ラストの意味&オメガの正体

オール・ユー・ニード・イズ・キル(吹替版)

 

謎の侵略者 vs 強くてニューゲーム男の戦いを描いたSF映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』。

 

魅力的な設定・世界観・ストーリーの映画で、同じシーンを繰り返すループものでありながら細かく場面転換されていくので飽きることなく楽しめる映画でした。

 

どちらかといえばループもの×SFの組み合わせがお好きな方、ストーリーまで楽しめるSF映画がお好きな方におすすめな映画です!

 

 

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の作品情報

 

あらすじ

ある日、隕石と共にやってきて侵略を開始したエイリアン・ギタイ。

 

人類は対エイリアン専門組織・統合防衛軍を構成し、5年目にして軍人リタ・ヴラタスキの功績でついに初めて勝利…世界はエイリアンとの全面戦争に動き出します。

 

そんな戦いについて安全圏から世界中にPRするだけのはずだったのに、唐突に「前線へ行け」と上官に命令されたメディア担当のウィリアム・ケイジ。

 

戦闘経験なし・兵士希望ですらないケイジは抵抗しましたが、強制的に戦地へ送り込まれ、1人のギタイを何とか討ち取ったものの他の兵士と共に命を落としました。

 

こうして人生に幕を下ろすはずだったのですが…目を覚ますと前日にタイムリープしていて、再び戦地へと向かう悪夢のような1日を繰り返すことに。

 

予告動画


映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』本予告【HD】 2014年7月4日公開

 

動画リンク

 

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の感想

 

【面白ポイント】

  • ストーリーが面白い
  • 場面がその都度変わる
  • ラストはあっさり気味

 

ストーリーが面白い

SF×戦争×ループものを組み合わせた強くてニューゲームを地で行く映画で、ストーリーにとても心惹かれるものがあり面白かったです!

 

すごいテンポ感と勢いでストーリーをどんどん展開していきながらも、自分だけではなく仲間が何度も命を落とす戦争の残酷さ・重さも描かれていて見応えがありました。

 

ただ戦争ものが苦手な方だと心に来るものがあるというか、戦争もの特有の重さや虚しさで気分が沈む可能性があるので、戦争ものが苦手な方はご注意ください。

 

ただそこ以外は謎のエイリアンの正体、どういう形で決着をつけるのか考察する楽しみもある映画なので、考察好きな方にもおすすめしたいSF映画でしたね。

 

個人的にはゲーム『グノーシア』に似たところがあるように感じました。

 

SFな世界で謎めいた敵と戦う人類、ループを繰り返して少しずつレベルアップして真相に迫っていく展開とかよく似ていたかなと思います。

 

なので今作が気に入った方、ストーリーが面白いSFループものがお好きな方には、ぜひグノーシアもチェックしてみていただきたいです。

 

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場面がその都度変わる

ループものはどうしても舞台・展開が似たりよったりで飽きがちですが、今作は場面に合わせて頻繁に舞台が変わるので飽きることなく観続けることができました。

 

最初は最前線の戦地が舞台でしたが、そこから雪山のダム→将軍のいるロンドン→パリと、真相に近づくにつれて戦地だけではなく街へと舞台がどんどん移っていきます。

 

何というか真の敵に近づけば近づくほど最前線の地から遠く・街中になっていくのが、人間もエイリアンも同じというのが皮肉っぽくて好きでしたね。

 

最前線にいるのは末端の兵士ばかりで偉い奴は安全地帯にいるというのが戦争映画らしいし、スムーズな舞台転換にも一役買っていて良かったです。

 

飽きさせないように舞台転換させたいからと言って、無関係な場所にぽんぽん場面が移っていてはストーリーが乱れかねませんからね。

 

ストーリーに合わせて舞台を変えつつ、それに合わせてどんどん真の敵に近づいていくという無理のない場面転換が個人的には好きでした。

 

なので飽きにくいループものをお探しの方、程よく場面転換している映画のほうがお好きという方におすすめな映画ですね。

 

ラストはあっさり気味

ループもの・戦争がテーマの映画だとラストは後味の悪さが残るものが多い印象ですが、今作はあっさり過ぎるくらいのハッピーエンドで終わりました。

 

ループを繰り返して何度も命を落としても諦めず、何とか敵は倒したものの相打ちで命を落としたかと思いきや、またループして世界は平和になるという…。

 

少年マンガのような王道のハッピーエンドでしたね。

 

ストーリーが全体的に重く・ドロッとしていたのに、その正反対を行くような爽やか過ぎる全員幸せハッピーエンドは逆に新鮮でした。

 

なのでどちらかといえば後味の悪いスッキリとしないラストが苦手な方、ハッピーエンドで終わるループものをお求めの方におすすめな映画でしたね!

 

ただ…個人的にはちょっとあっさりし過ぎで物足りなく感じる部分もありました。

 

今作は最初から終盤までを重く・面白く盛り上げていましたから、もう少しラストでも先を感じさせるようなドロッと感があっても良かったのではないかなと思います。

 

まぁ…私がイヤミス好きだからそう感じたのかもしれませんけどね。

 

人によってはハッピーエンドで良かった!と思うでしょうし、このラストの感じ方は好みによって変わるのではないかなと思います。

 

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の考察

 

【考察ポイント】

  • タイトルの意味&オメガの正体
  • リタが能力喪失を知っている理由
  • ラストの意味
  • ケイジのループ能力のその後

 

タイトルの意味&オメガの正体

タイトルには、人間だけではなくエイリアンも『とにかく敵を消せ』と同じ想いを抱えて戦っていたという意味が込められていたのではないかなと思います。

 

人間は地球と人類を守るためにエイリアンの殲滅を目指し、エイリアンは人類の殲滅を目指して戦う…立場は違うものの、両者の戦う理由は同じだったのでしょう。

 

もっというと敵と戦わせている黒幕や上層部は安全圏にいて、戦っているのは命令された末端兵士というところまで同じだったのではないかな。

 

最前線に多くいたエイリアンが爪、少数精鋭が末梢神経、そして奥地に隠れていた脳でワンセットだったのだとすると、もっと多くのセットがいてもおかしくないですよね。

 

おそらく地球にやってきていたエイリアンはあくまでも末端兵士で、他の星や地球周辺の宇宙にもっと多くの脳が様子を伺っていたのではないでしょうか。

 

例えるならば、星を奪うために少数の戦士を他の惑星に送り込むマンガDRAGON BALL』のサイヤ人みたいに。

 

つまり今回のエイリアンを倒しても、別のもっと強いエイリアンが地球を侵略しにまたやってくるのではないでしょうか。

 

何というかいくら敵を消しても黒幕である大元が残っている限り、何度でも戦い続けなければならないという意味もタイトルには込められていたのではないかなと思います。

 

 

リタが能力喪失を知っている理由

未知の能力であるループ能力を失ったことをリタが知っているのは、体感で何となく能力喪失を察知したことで、もう試す勇気がなくなってしまったためだと思います。

 

まぁリタたちはループ能力がα型の体液によって起こることを知っていましたから、輸血されて体液が薄まると能力喪失の可能性があるとは思っていたのでしょう。

 

そしてケイジも能力を失った時に「何となく分かる」と言っていましたから、能力喪失すると本人にしか分からない違和感のようなものが残るのだと思います。

 

α型が末梢神経に例えられていたことを思うと、目に見えるような変化はなくとも身体・精神的に感じるものがあるのでしょう。

 

心にぽっかり穴が空いたような、もしくは今まで持っていた体液分を失ったことで体が軽くなったような…何かそんな感覚があるのはないかな。

 

そしてそんな喪失感を1度感じてしまったらループできなかった時の恐怖が勝って、もう気軽に命を落とすような真似はできなくなるのでしょう。

 

つまり能力喪失を知っているというよりも、失った可能性があるからもう試すことができないという方が正しいのだと思います。

 

ラストの意味

能力を失ったはずのケイジが再びループしていたのは、命を落とす直前に敵の脳であるオメガの体液を体内に取り込んでいたためだと思います。

 

オメガ本体は体積に対して体液を失いすぎてしまったためにループできず、命を落としてしまいましたが…。

 

ケイジはギタイよりも上位の体液を取り込んだためにループ能力を再び手に入れただけでなく、いつものループ地点よりももっと前の時間に遡っていたのだと思います。

 

そしてループしていた先でオメガがすでに消失していたことを思うと、おそらくケイジのループの始点はヘリの中ではなく、もっと前だったのではないかな。

 

将軍のいるロンドンに向かう前日くらいにループから目覚めたケイジは1人で準備を整え、パリの地下に潜ってオメガを撃退しに行ったのでしょう。

 

おそらくですがオメガの体液を有していたケイジはオメガと同じようにギタイに指示を出すことができて、前回のループのように邪魔されることもなかったのだと思います。

 

だから余裕を持ってオメガの元までたどり着いたケイジは、深夜から明け方にかけてオメガのいる地下を破壊。

 

破壊した後はループ前と同じようにヘリに乗り込んで将軍の元に向かったのですが、疲れと緊張の糸が切れたことで眠ってしまったのでしょう。

 

だからヘリで目覚めた時に焦った様子だったのはループの始点だったからではなく、「またループしているんじゃないか」と恐怖していたからだと思います。

 

でも様子の違う人々・ニュースを見たことで未来を変えられたことを確信し、仲間たちの安否を改めて確認するために最前線まで行ったのでしょう。

 

相手は自分のことを覚えていなくても、ループした世界ではお互いのために自分の命を掛けた大切な仲間でしたからね。

 

こうしてケイジはオメガの体液によって再びループ能力を手に入れ、仲間と世界のために、戦いが始まる前にオメガを消していたのだと思います。

 

ケイジのループ能力のその後

オメガの体液を体内に取り込んだことでループ能力を再び手に入れたケイジは、今後もループ能力を有したまま過ごすと思います。

 

オメガが息絶えた後もケイジがループできたことを思うと、ループ能力はオメガの意思ではなく体液に備わっているようですから消えることはないでしょう。

 

なのでケイジがまた命を落とすようなことがあれば、再びループして未来を変えることができると思います。

 

映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の関連作品

 

 

 
今作の小説版!
Web小説のように読みやすい作品なので、小説が苦手な方にもおすすめです。

 

 

 
今作のマンガ版!
キレイで読みやすい絵柄なので、少しでも興味のある方はぜひ!

 

まとめ

 

ストーリーまで楽しめるSF×ループものの映画で面白かったです!

 

カッコよさを押し付けることなく、強くてニューゲームになるまでの過程の残酷さや戦争の重さ・皮肉さまで感じられて見応えもありました。

 

なのでどちらかといえばカッコいいSF映画よりかも重さやストーリー性もあるSF映画をお求めの方、ループものがお好きな方におすすめな映画です!

 

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