悪魔とエクソシストとの戦いを描いた映画『コンスタンティン』。
エクソシスト系のストーリーと独特な映像が魅力的な映画で、謎多き部分はあれども胸アツな展開もあって面白かったです。
どちらかといえばエクソシスト系の世界観・ストーリーがお好きな方、独特な映像がお好きな方におすすめ!
映画『コンスタンティン』の作品情報
あらすじ
異界の者を払う悪魔払い師/ジョン・コンスタンティン。
運転手状態の助手/チャズを連れていつも通りに仕事していたある日、人間界に入れないはずの悪魔が人間界に侵入しようとしていることに気が付きます。
異変から大きな戦いを予感するジョンですが、長年の喫煙がたたって進行性の肺がんに侵され、余命が少ないことを医師から宣告されます。
知り合いであり天使のハーフ・ブリード/ガブリエルに、延命を求めて取引しようともしましたが…救いはないと告げられてしまいました。
時を同じくして、双子の妹/イザベルの飛び降り事件を捜査していた刑事/アンジェラ。
本来であれば交わるはずのない2人は、ジョンが悪魔の異変を追い、アンジェラが妹の事件を追う内に導かれるように出会うことになり…。
動画リンク
映画『コンスタンティン』の感想
【面白ポイント】
- 独特な映像が面白い
- 謎多きエクソシスト系ストーリー
- ラストは結構胸アツ!
独特な映像が面白い
人物を映すときの視点や、クリーチャーのような悪魔といった映像が全体的に独特で、観ていて面白かったです。
個人的にはふっとした時、人物を上空や背後から映す『何者かが見ている感』が特に独特に感じました。
まるで自分も映画の中に入り込んでいるような、ふわふわと浮かぶ人外になったような視点からキャラを見ている感覚が独特で面白かったです。
あとはクリーチャーのような悪魔、天使の羽根なども独特さを感じました。
こちらは衣装・見た目といった視覚的に独特さがあるのはもちろんのこと、登場シーンに合わせて流れるSEにも独特さを感じました。
ゲームの効果音のようなSEで、映画を観ているというよりもゲームをプレイしている感覚に近い感じがありましたね。
印象としては映画『マトリックス』に少し似ていました。
主演が同じキアヌ・リーブスだからというのもあるかもしれませんが、映像の独特さや印象的なSEなどがよく似ていたかなと思います。
なのでどちらかといえばマトリックスの映像やSEがお好きな方、独特な映像がお好きな方におすすめな映画でした!
謎多きエクソシスト系ストーリー
今作は次々起こる事件・全ての黒幕など純粋な謎はもちろんのこと、天使・悪魔・地獄・天国などエクソシスト系作品ゆえの謎も多いストーリーでしたね。
悪魔祓いというテーマ的に、聖書・天使と悪魔・天国と地獄などの話が多いのは仕方ないのですが…どうしても理解しきれない部分がありました。
個人的に聖書系についての知識が薄いせいもあるかもしれませんが、ふわっとは話を理解できても完璧に理解できてる感じはなかったですね。
一応ストーリー内で簡単な説明はあるものの、知識0に分かるほど懇切丁寧な説明ではないので…どうしても難しく感じる部分はありました。
また分からない状態で新しい事件・新たな要素がどんどん加わることで…視聴中は頭の中で『?』が浮かぶことが多かったです。
ただ最後まで観ていれば、なんとなくの話の流れは理解できるので…全く理解できないというほどではなかったですね。
なのでどちらかといえばエクソシスト系の作品がそもそも好きという方、聖書系の知識がある方におすすめな映画だったかなと思います。
予備知識がない状態でも何となくは楽しめますが、完璧に理解しながら楽しみたいという場合には予備知識や視聴後の検索があったほうが良さそうです。
ラストは結構胸アツ!
謎は多いし、最初の方は理解しきれないことばかりで戸惑うこともありましたが…ラストの主人公が全部かっさらっていく勝ち逃げ展開は結構胸アツでしたね!
大悪魔・ルシファーを呼び出して利用し、地獄に行くかと思いきや神の加護を受け、中指を突き立てながら去る。
良い意味で笑える去り方だし、やんちゃ坊主なジョンらしいラストで良かったかなと思います。
ただ個人的にはその後、ルシファーがジョンの肺がんを治し生かしたのは、少しうーん…と思う節がありました。
あのまま中指を突き立てて、全てをかっさらって勝ち逃げした方がカッコよかったし、ジョンのイメージにあっていて面白かったかなと思います。
ただ…全体的には少年マンガの最終巻を読んでいるような、ドキドキ・ワクワク感がある胸アツラストで良かったです。
ご都合主義が苦手な方には不向きかもしれませんが、ハッピーエンドがお好きな方には良かったかなと思います。
なのでどちらかといえば少年マンガのようなドキドキ・ワクワクするラストがお好きな方、なんだかんだで丸く収まるエンディングがお好きな方におすすめな映画でした!
映画『コンスタンティン』の考察
【考察ポイント】
- チャズが天使になっていた理由
- ラストで墓にライターを置いた意味
- ラストのジョンの行動理由
- 大悪魔/ルシファーの行動理由
- ラストの天使/ガブリエルの思惑
チャズが天使になっていた理由
ジョンの助手/チャズがラストで天使のハーフ・ブリードになっていたのは、悪魔と戦った実績が神に評価された結果だったのではないかなと思います。
つまりもともと人間だったのが、亡くなった後に天使になったのでしょう。
ガブリエルを殴った時にジョンが「それが痛みだ。早く慣れろ」と言っていたことを思うと、天使という存在はただの暴力に関しては痛みを感じないはず。
おそらくは悪魔祓いに聖水・十字架などの特別なアイテムが必要なように、天使を傷つけるためにも特別なアイテムや人外の力が必要なのでしょう。
しかしアンジェラを救った後、地面と天井に叩きつけられていたチャズは、痛みを感じて血を流していました。
身体を浮かせて天井や地面に叩きつける力は人外のものだとしても、叩きつけられた先はただの天井と地面なので…天使だったのであればダメージは0のはず。
つまり元々天使だったというわけではなさそうです。
なので元々は人間だったけど自己犠牲を評価されたジョンと同じように、悪魔と戦った実績が評価されて亡くなった後に天使になったのだと思います。
ラストで墓にライターを置いた意味
ラストでジョンがチャズの墓にライターを置いていたのは、チャズを認めたからこそ自分のかつての相棒を贈っていたのではないかなと思います。
チャズは悪魔と戦いたがっていましたが、ジョンはあくまでも助手として…戦いに参加させることはありませんでした。
でも最後でチャズは自らの意思で行動し、勇敢に悪魔と戦って払うことに成功した…そのことを称える意味でも、大切なライターを贈っていたのではないかなと思います。
ジョンは15の頃から喫煙して、ずっとライターを片手に生きてきたはずですし…悪魔を払う時にも火を使う場面がありました。
つまりはジョンにとって、あのライターはエクソシスト人生の相棒と言っても過言ではないはず。
そんな大切なライターをずっと未熟者だと思っていたチャズに贈ることで、一人前のエクソシストであると認めるとともに称賛していたのではないかなと思います。
ラストのジョンの行動理由
ラストでジョンが自分の手首を切っていたのは、行動できない自分の代わりに大悪魔・ルシファーを呼び出してアンジェラを救おうとしていたからではないかなと思います。
天使のハーフ・ブリードであるガブリエルはルシファーの息子/マモンをこの世に放とうと、アンジェラの身体を裂いて体内から引っ張り出そうとしていました。
おそらくは地獄の住人であるマモンが直にこの世に現れることはできないので、アンジェラの身体を介して受肉というか…新たに産んでもらおうとしていたのだと思います。
そしてガブリエルは邪魔になるジョンを吹き飛ばし、マモンの誕生を助けようとしていたのでしょう。
吹き飛ばされたジョンはすぐに動ける状態ではなかったため、状況を打破するためには大悪魔であるルシファーを呼び出すしか選択肢がなかったのではないかな。
つまりジョンはアンジェラを助け出すために、大悪魔/ルシファーを呼び出そうと自らの手首を切っていたのだと思います。
ただ自己犠牲を評価されて天国に行くことは、「点数稼ぎのために悪魔祓いをしていた」というジョンにとっては計算通りの出来事だったのかもしれませんね。
大悪魔/ルシファーの行動理由
ルシファーがガブリエルを攻撃したのは、状況が分からない中でジョンに『お前の息子を手に掛けようとしている天使がいるぞ』と騙されたからだと思います。
ルシファーにしてみれば、天使が悪魔を助けるはずがないと思いこんでいるでしょうからね。
息子を宿した人間にナイフを向けている天使がいたら、息子に手に掛けようとしていると考えてもおかしくはないです。
だからこそ息子の危険を排除しようと、マモンを抱きかかえてガブリエルを攻撃していたのだと思います。
ただそんな危機に追い込まれている息子を情けなく思ったか、まだお子様なお前が現世を狙うのは早いと思ったからこそ、マモンは地獄に送り返していたのではないかな。
今回はたまたまルシファーが助けることができましたが、今後も助けられるとは限りませんからね。
危機に追い込まれないほどの実力を付けてから、もう1度トライしろ…という意味合いも込めて、地獄に送り返していたのでしょう。
まぁつまりは息子であるマモンを可愛がっているからこそ息子を地獄に送り返し、攻撃を仕掛けているように見えたガブリエルを攻撃していたのではないかなと思います。
ラストの天使/ガブリエルの思惑
ガブリエルは神に愛されている人間が羨ましく・妬ましかったから、人間を神に愛されるにふさわしい存在にしようとしていたのではないかなと思います。
ガブリエルは「こんなにも神に愛されている存在はいない」と人間のことを言っていましたし…。
おそらくは長い間地上にいて、愛される価値もない愚かしい人間が神に赦され愛されている様を見てきたことで…不公平だと思うようになっていたのでしょう。
自分だって愛されたいのに天使だからと使命は与えられども愛されず、人間ばかりが愛される。
そんな嫉妬心に狂った結果、人間が神に愛されるにふさわしい存在であれば良いのだと思い至るようになったのではないかなと思います。
だからこそ人間の気高さを引き出すために、マモンを現代に放って恐怖を与えようとしていたのでしょう。
つまりは全ては神に愛されている人間が羨ましかったから、自分の嫉妬心を解消するためにしていたことなのではないかなと思います。
ガブリエルが堕天した理由
今までの行いが神にバレてしまったために天使の力を奪い取られ…ルシファーに地獄の業火で翼を焼かれたために、堕天して人間になっていたのだと思います。
おそらくはルシファーに攻撃しようとした時、何も発動しなかった時に天使の力を奪われていたのでしょう。
天使の力を失ったガブリエルは、マモンを手に掛けようとしているとルシファーに誤解され、地獄の業火で焼かれてしまい…堕天して人間になってしまったのだと思います。
ジョンに撃てと言っていた理由
ラストでジョンに武器を渡して撃てと言っていたのは、神に見捨てられたショック・見下してきた人間になったショックから命を捨てたいと考えていたからだと思います。
しかし自分で命を断ってしまっては地獄に落ちてしまい、神の胸に抱かれることは永遠になくなってしまう。
だから他人の手で命を落とす必要性があると考えて、ジョンをわざとけしかけて「自分を撃て」と言っていたのだと思います。
ラストで笑っていた理由
ラストでジョンに殴られて笑っていたのは、自分は人間ではなく天使だと…自分を保つために、上位の存在であろうとジョンの成長を喜んでいたのではないかなと思います。
ジョンは悪魔を何度も払って、人間に危害を加える存在を力で退けてきたのに…ガブリエルのことは消そうとしなかった。
ジョンの成長を感じたガブリエルは、彼よりも上位の存在であろうとして…彼のことを笑顔で褒めていたのではないかなと思います。
もしくはまだ神に愛されようと、『右の頬を打たれたら、左の頬をも差し出せ』の精神で彼のことを許していたのではないかな。
神を愛しているからこそ、神の精神を貫こうとしたのではないかなと思います。
それかまだ神に愛される可能性があるかもしれないと…点数稼ぎのために悪魔祓いをしていたジョンのように、ガブリエルも点数を稼ごうとしていたのかもしれませんね。
ガブリエルのその後
ジョンが背を向けた後、静かにプールに戻っていったのは全てに耐えきれなくなって、水に自らの身体を沈めて命を断とうとしていたからではないかなと思います。
神から与えたれた天使の羽根と力を失い、見下してきた愚かしい人間になってしまった…なのに神から赦されることも愛されることもない。
そんな状態に耐えられなくなって、地獄行きとか天国行きとか考える精神力も残っておらず…自ら命を断とうとしていたのではないかなと思います。
もしくは自ら命を断つつもりはなく、水はどこの世界にも繋がっているからこそ…神のいる天国に行こうと水に身を沈めようとしていたのではないかな。
あとは弱った心を悪魔につけ込まれ、抗うすべもなく自ら命を断つように操られていた…という可能性もありそうですね。
どちらにしても天使でもない、神から愛される人間でもない現状が受け入れられなくて、精神が壊れてしまったがゆえの行動だったのではないかなと思います。
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まとめ
最初の方はぽかーんとすることも多かったですが、何だかんだで最後のほうはドキドキ・ワクワクしながら楽しむことができました。
ただエクソシスト系の知識があった方がもっと楽しめたかなと思う部分や、人によってはご都合主義に感じそうな部分はあるので…好みは分かれそうです。
なのでどちらかといえばエクソシスト系の映画がお好きな方、少年マンガのようにドキドキ・ワクワクできる映画がお好きな方におすすめな映画でした!