PCから広がる恐怖を描いた映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』。
1つのPC画面だけで繰り広げられる、シンプルながら独特な映像とストーリー展開が斬新で面白かったです。
ただ考察しないと魅力が半減しそうな映画に感じたので…どちらかといえば考察がお好きな方におすすめな映画でした!
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』の作品情報
あらすじ
新しいPCを手に入れた青年・マタイアス。
聴覚障害を持つ恋人・アマヤとスムーズな会話をするため、新しいPCでオリジナルの手話通訳ソフトを制作するのですが…彼女は喜ぶどころか怒り出してしまいました。
アマヤとケンカして落ち込むマタイアスのもとに、馴染みの友人たちから「Skypeでゲームをしよう」と連絡が来ます。
それとほぼ同時、PCに保存されていた身に覚えのないノラ・C・Ⅳというアカウント宛てに、複数人の女性からメッセージが届きました。
戸惑いながらもメッセージを無視して友人たちとのゲームを楽しんでいると、PCがフリーズ。
不審に思ったマタイアスがPCを調べてみると、見ず知らずの人々の生活が映っている大量の隠しフォルダーが容量を圧迫していることに気が付き…。
予告動画
動画リンク
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』の感想
【面白ポイント】
- 独特な映像
- 考察すると面白い
- 何とも言えないラスト
独特な映像
ストーリーがWebカメラ・通話画面などのPC画面を中心に展開していて、すごく独特かつ斬新な映像で面白かったです。
PC画面という馴染みのある狭い空間から世界やストーリーを広げて、マウスの動きやWebカメラでキャラクターたちの表情・心情を分かりやす表現しつつ…。
画面が固定されているからこその言い知れぬ恐怖感があってキャラクターと一緒に焦ったり、好奇心を掻き立てられるような映像になっていました。
印象としては映画『パラノーマル・アクティビティ』に近いですね。
パラノーマル・アクティビティの手ブレ・画面揺れがない版というか、本当に一定の固定画面のみで魅せる映像になっています。
なのでパラノーマル・アクティビティのような固定された画面・独特な映像がお好きな方におすすめな映画です!
逆にストーリー展開しても画面がほぼ変わらない映画、同じ映像ばかりが続く映画が苦手という方には不向きな映画かもしれませんね。
考察すると面白い
今作は残されたままの謎がかなり多いので、そういった部分を考察しながらあーでもないこーでもないと考えるのが面白い映画でしたね。
考察する余地が残されていることで、正解は分からないものの視聴後まで考察することで楽しめるような映画になっていて、長く楽しめる映画だったかなと思います。
ただ考察する余地が残されている分、悪い言い方をしてしまうと展開に無理を感じてしまったり、説明不足過ぎて物足りなさを感じてしまう部分があったりするので…。
作品をありのまま楽しみたい方、視聴後の楽しさよりも映画自体に面白さ・満足感を求めている方には不向きな映画かもしれませんね。
なので今作はとにかく考察がお好きな方、説明不足な部分を自分なりの考察をしながら楽しみたい方におすすめしたい映画になっています。
何とも言えないラスト
今作は良い意味でも悪い意味でも、何とも言えないラストを迎える映画でしたね。
全ては彼らのゲームだった、ゲームの目撃者は全て消え去って彼らの勝利という…後味の悪さの中に無邪気さもあるラスト。
何というか後味が悪いんだけど、不思議な爽快感すらあるようなスッキリとしたラストで良かったと思います。
ただ…個人的には少しあっさりし過ぎているようにも感じました。
私はもっとねっとり纏わりつくような後味の悪さが好きなので、個人的にはもう少し余韻というか…人間のドロドロした部分が詰まっていたら良かったなと思います。
ただドロドロし過ぎないちょうど良いラストだと思うので、後味の悪い映画が苦手な方でも観やすい映画にはなっていたかもしれませんね。
なのでガッツリとした後味の悪さをお求めの方よりも、やや爽快感すらあるような何とも言えないラストがお好きな方におすすめな映画でした!
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』の考察
【考察ポイント】
- ハッキングを簡単にされた理由
- 犯人が映像に映らない理由
- 犯人集団の正体&ラストの意味
ハッキングを簡単にされた理由
犯人集団はマタイアスがPCを拾ってからハッキングしていたのではなく、PCを拾う前から友人全員のPCに細工を施していたから簡単にハッキングできたのだと思います。
マタイアスの拾ったノラのPCは落とした物ではなく、元々彼に拾わせるために置いておいた物なので、事前に外部から干渉できるように細工を施していたのでしょう。
多分、ネットカフェの落とし物BOXにもマタイアスが来ている時だけ置いておき、彼がPCを拾うのをずっと待っていたのではないかな。
つまりマタイアスはPCが置かれていた数週間前から、ずっと犯人たちのターゲットとして狙われていたのだと思います。
おそらくですが、マタイアスがネットカフェでFacebook・Skypeのアカウントなどの個人情報を普通に入力していて、その情報を犯人集団が手に入れていたのでしょう。
持ち去ったPCに無防備に自身のアカウントを入力するような人ですからね…ネットカフェでも同じようなことをしていてもおかしくはありません。
だからこそターゲットに選ばれてしまったのだと思います。
そしてそこからマタイアスの住所・交友関係・恋人の情報を調べ上げ、ゲームの準備を整えるために友人たちのPCにも侵入できるように事前に細工を施していたのでしょう。
外部から時間をかけてハッキングした可能性もなくはないですが、PCに詳しそうな友人もいたから外部からの干渉だけでは難しいと思われますし…。
ゲーム終盤でターゲットを襲うためにどうせ自宅に侵入することになりますから、合鍵をつくるためにも事前に侵入していたのでしょう。
なので犯人たちはマタイアスの情報経由で友人たちの情報も調べあげ、ゲーム開始前からPCに細工していたからこそ、容易にハッキングできたのではないかなと思います。
犯人が映像に映らない理由
犯人が映像に映らないのは『SNOW』などのカメラアプリみたいに、特定の顔を認識すると映像が乱れる細工がPCになされていたからではないかなと思います。
顔が難しいのであれば服とか…もしくは特定のセンサーを発する持ち物をメンバー全員が持っていて、それをPCが検知すると画像が乱れるようになっていたのでしょう。
事前に友人宅に侵入しPCに細工ができたのであれば、そのくらいの細工は知識さえあれば容易にできるのではないかな。
なので個人的には犯人が映像に映らなかったのは、特定の顔を認識すると映像が乱れるSNOW的な細工がPCに施されていたからだと思います。
犯人集団の正体&ラストの意味
おそらく犯人たちはそれぞれの得意分野を活かしたチームで作業分担しながら、人の命を懸けたゲームを楽しむ犯罪集団だったのではないかなと思います。
例えば…
- ハッキング・PC細工などの外部干渉をメインに行う頭脳犯
- ターゲットの自宅に侵入し、命を奪う実行犯
- ターゲットについて調べ上げる調査班
こんな感じで警察に通報されるかもしれないというリスクを背負いつつ、綿密に計画を練り準備を整え、面白いゲームを作り上げてみんなで楽しんでいたのでしょう。
そしてゲームを終わらせる時は、目撃者・ターゲットを全て排除してゲームコンプリート。
おそらくこんなことをしているのは、彼らにとってこのゲームが趣味と実益を兼ねたお仕事だからだと思います。
過去のゲーム映像をダークウェブで販売したり、ゲーム映像を有料会員だけにライブ配信して視聴者からの投票を募ったりしていたのでしょう。
なので全ては人の命を懸けたゲームを楽しむ犯人集団のためのゲームで、マタイアスたちはそのゲームのコマとして巻き込まれ弄ばれていただけだと思います。
ちなみにマタイアスたちに犯行を擦り付けようとしているシーンもありましたが、あれはあくまでもゲームの演出の1つで、本当に証拠を残すつもりはないでしょう。
下手に証拠を残して調べ上げられてはボロが出かねませんからね…ゲームが終わったら証拠や遺書は削除したと思います。
映画『アンフレンデッド:ダークウェブ』の関連作品
固定された視点・独特な映像がお好きな方におすすめです。
まとめ