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映画『アイ・アム・レジェンド』のネタバレ感想・考察 犬・サムのラスト&結末の意味

アイ・アム・レジェンド (字幕版)

 

ゾンビが蔓延する世界での孤独な戦いを描いた映画『アイ・アム・レジェンド』。

 

ゾンビを倒すのではなく治そうとするというストーリー性のあるゾンビ映画で、精神的に来る怖さがありつつも見応え・考察のしがいがあって面白かったです!

 

ただ切ないシーンも多いので、ワンちゃん好きな方・動物好きな方は注意してください。

 

どちらかといえば切ないアクション映画がお好きな方、ストーリー性のあるゾンビ映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『アイ・アム・レジェンド』の作品情報

 

あらすじ

荒廃したNYに、相棒の犬・サムと共に暮らす科学者ロバート・ネビル。

 

数年前、ネビルは感染すると見た目が変化し凶暴性が増す未知のウイルスの特効薬を開発するため、家族を市街に逃して封鎖されるNYに1人残る決断をします。

 

しかし特効薬の開発は難航…血清を作っては動物実験を繰り返していました。

 

そして日中は住民のいない街で食料品を集め、正午には生存者を募るラジオ放送をして、夕方には夕食を取ったりビデオを見たりして…夜は外にいる感染者に怯える日々。

 

そんな長い孤独な戦いを繰り返していたネビルは街中にマネキンを置き、まるで人間相手に話しかけるようになっていました。

 

動画リンク

 

映画『アイ・アム・レジェンド』の感想

 

【面白ポイント】

  • カッコ可愛い犬のサム
  • ストーリー性のあるゾンビ映画

 

カッコ可愛い犬のサム

野菜を残すもふもふボディの可愛さと、ロバートを支え続ける唯一無二のパートナーとしてのカッコよさを併せ持つ犬のサムは最高のキャラクターでしたね。

 

まず可愛いというのはもちろんのこと、良きパートナーであり、唯一の友人であり、最愛の家族という良き立ち位置にいるキャラクターでした。

 

荒廃した世界でまるで人間相手のようにサムに話しかけるロバートの姿は、サムがいて良かったという温かさと共に何とも言えない切なさがあって…。

 

サムがロバートにとって最後の心の支えというのがヒシヒシと感じられて、サムがゾンビの巣窟に入った時はもうハラハラしましたね。

 

そして最後…ロバート守る忠犬ぶりはさすがのカッコよさですが、もう本当に逃げてほしかったです。

 

ロバートは耐性があるから傷を追っても大丈夫なようですが、サムは少しでも傷を負ったら感染してしまうから…。

 

人間ならそう分かっていても犬のサムには分からない…分かっていたとしても守ろうとする想いが強すぎる…何ともカッコよくて切なくて辛かったです。

 

最初に唯一のパートナーとして登場していた時からイヤな予感はしていましたが…ラストはもう駄々泣きでした。

 

なのでワンちゃん好きな方におすすめな映画であると共に、犬好きな方や動物好きな方は泣くの覚悟で観ることをおすすめいたします。

 

ストーリー性のあるゾンビ映画

今作は仲間たちとゾンビを倒すという一般的なゾンビ映画とは違い、ゾンビになった人をたった1人の力で治すという斬新なストーリーが魅力的でした。

 

ゾンビ映画というと映画『バイオハザード』とか『アイアムアヒーロー』みたいな、仲間と協力してゾンビを倒していく映画が一般的ですが…。

 

今作はたった1人の科学者がゾンビになった人を治しウイルスを消すために生き残る・特効薬を作るという、根気のいる孤独な戦いをしているのがすごく印象的でした。

 

何というかただゾンビを倒す映画よりも精神的にくるものがあるというか…ゾンビに襲われるよりも孤独が特に怖く感じましたね。

 

誰もいない、話すこともぬくもりを感じることもできずにずっと1人で…特効薬作りというゴールの分からない暗闇を走り続ける恐怖。

 

わんちゃんがいることで多少気は紛れるかもしれませんが、やはり人間とは違いますからね。

 

自分だったらさっさと命を断つか、気が狂ってゾンビの仲間入りを目指すんじゃないかなと思うくらい恐怖と狂気を感じました。

 

そこから生存者に出会って、特効薬を完成させて、ゾンビに襲われて…何というかすごくキレイにストーリーが展開していく映画で面白かったです。

 

ゾンビ映画というとどちらかというとアクション・CG・特殊メイクの方が注目されがちですが、今作はそれ以上にストーリー性のある映画で新鮮でした。

 

なのでストーリー性のあるゾンビ映画がお好きな方、恐怖を感じるほどの人間の狂気や孤独な戦いがお好きな方におすすめしたい映画です!

 

 

◆あわせて読みたい◆

  

映画『アイ・アム・レジェンド』の考察

 

【考察ポイント】

  • 動かされたマネキン&罠の意味
  • 犬のサムを手にかけた理由
  • ラストのロバートの選択
  • 結末の意味

 

動かされたマネキン&罠の意味

マネキンが動かされて罠が設置されていたのは、ロバートを捕まえてる間に彼の相棒である犬のサムを亡き者にするためだったのではないかなと思います。

 

ロバートは特効薬作りのために女性型ゾンビを捕獲していましたが、おそらくその時に日向に飛び出したゾンビが群れのボスで、女性型ゾンビの夫や父親だったのでしょう。

 

日向に飛び出したゾンビを見てロバートは知能の低下だと言っていましたが、おそらくはゾンビにもある程度の知能と感情・愛情があったのだと思います。

 

だから皮膚が焼けてしまう日向に飛び出してでも、彼女を助けようとしていたのではないかな。

 

けれど救出に失敗してしまったから、ボスは復讐のためにロバートも同じ目に合わせてやろうと思ったのだと思います。

 

ロバートを喉から手が出るほど求めているものを餌に手も足も出せない状況にしつつ、大切なものが目の前で奪われる恐怖と悲しみ・絶望を味合わせようとしたのでしょう。

 

ゾンビにとっての餌がなかなか手に入れられない食料・血液だったように、人間のロバートにとっての餌はなかなか出会えない生存者・人間にして…。

 

ロバートと同じ罠を仕掛けて彼は捕縛しつつ、そのすきにゾンビ犬を放って犬のロバートを襲う計画だったのでしょう。

 

つまりゾンビには人間の罠を模倣して復讐を計画するような知能があって、ロバートを同じ目に合わせるためにマネキンを動かして罠を設置していたのだと思います。

 

犬のサムを手にかけた理由

おそらくだけど自分がゾンビになったサムの姿を見たくないから、ロバートはサムを手に掛けたのではないかなと思います。

 

自分のためにゾンビ犬を牽制するほど忠義心に厚く、パートナーとして家族としてずっと自分を支えてくれた賢いサム。

 

本心ではゾンビになってでも生きていてほしいけど…ゾンビになって知性なく凶暴なサムはもう自分の知っているサムではないから、耐えられなかったのだと思います。

 

特効薬を作り上げるまで捕まえておくことはできるかもしれない…でも大好きだったサムが大嫌いなゾンビに変わっていくのは、ロバートにはツラすぎたのでしょう。

 

だからサムが自分の中でゾンビ犬ではなくサムでいる内に、キレイなサムの思い出が残っている内に手にかけたのではないかなと思います。

 

ラストのロバートの選択

娘の大好きなチョウチョを見たことで娘のことを思い出し、どうしようもなく会いたくなってしまったからゾンビと共に散る道を選んだのではないかなと思います。

 

ロバートの娘は枕カバーやお絵かきでもチョウチョを描くくらいチョウチョが大好きで、誰かが泣きそうな顔している時にもほらチョウチョといって元気づけていました。

 

そしてそんなチョウチョを見せてる姿がロバートにとっては最後に見た娘の姿だから、ロバートにとってチョウチョは娘の象徴だったのだと思います。

 

だからゾンビがガラスにタックルしたことでできたヒビがチョウチョの形になった時、娘の声も聞こえたのでしょう。

 

そして振り向けばアナの首筋にもチョウチョの入れ墨

 

アナを娘と重ね合わせたロバートは何としても彼女を逃しつつ、自分は本物の娘に会いに行くためにその場で散る道を選んだのだと思います。

 

元々ロバートは特効薬を作るために家族と離れる選択をしていましたから、血清が出来上がった彼はすぐにでも家族の元に逝きたかったのでしょうね

 

結末の意味

ロバートは伝説なんて呼ばれていますが、元々伝説になるために行動していたわけではなく、全ては自分のために行動した結果だったのではないかなと思います。

 

ロバートは妻に「なんでNYに残るの?」と聞かれた時、理由をすぐに答えられずに言い淀んでいました。

 

そしてその後に取ってつけたように人類を助けるためと言っていたけど…結局のところは学者としての探究心・使命感から残る道を選んでいたのではないかなと思います。

 

だから家族を失った後、それだけではなくNYにもう人類は誰も残っていないと思いながらも、ずっと特効薬作りを続けていたのではないかな。

 

個人的な意見ですが、特効薬づくりをするならば閉鎖されるNYに1人で残るのではなく、設備と人員の整った外部で研究した方が早く作れたと思うんですよ。

 

なのにロバートは感染源であるNYに1人で残り、特効薬をつくる道を選んだ…功績を独り占めしたかったのか、感染源の方が研究が捗ると思っていたのかもしれませんね。

 

もしかしたらロバートは優秀だったがために、自分一人でも特効薬が作れると過信していたのかもしれません。

 

その結果NYから人類は消え去り、家族を失い、相棒のサムが感染して自らの手にかけるしかなくなりました。

 

もしNYが封鎖されている時に家族と共に外部に逃げていれば、別れの時間がなくなったことで離陸のタイミングがズレて乗っているヘリが墜落することはなかったかも。

 

そして外部を研究していれば2週間以内に特効薬が作れて、人類が壊滅状態に追い込まれることはなかったかもしれません。

 

だから最終的に血清を作り上げたことで彼は伝説になりましたが、ロバートが利己的な行動をしていなければ、もっと多くの人類を救っていたのではないかなと思いました。

 

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まとめ

 

ゾンビ映画らしからぬストーリー性と考察のしがいがある映画でめちゃくちゃ面白かったです!

 

ただわんちゃんが途中で離脱してしまうのがツラすぎて切ないので、もう好んで観ることはないと思います…残念。

 

どちらかといえばストーリー性のあるゾンビ映画がお好きな方、ワンちゃんの離脱という切なさに耐えられる方におすすめな映画でした!

 

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