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映画『君の膵臓をたべたい』のネタバレ感想・考察 タイトルの意味&桜良を苦しめた病名

君の膵臓をたべたい

 

明るく生き抜こうとする少女と少年の青春を描いた映画『君の膵臓をたべたい』。

 

衝撃的なタイトルですが、ストーリー自体は病と闘いながら明るく振る舞う少女×ヒロインに振り回される少年との恋・悩み・成長を描いた青春映画です。

 

どちらかといえば病に悩み苦しみながらも明るく振舞うヒロインがお好きな方、少年から大人まで続く長い恋模様を描いた恋愛映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『君の膵臓をたべたい』の作品情報

 

あらすじ

母校で高校教師をしている男性・『僕』。

 

退職を考えていたある日、老朽化が進む校内図書館を取り壊すことが決まり、学生時代に図書委員をしていた僕は蔵書整理を任されることになりました。

 

昔と変わらない図書館を訪れた僕は、クラスメイト・山内桜良と過ごした密度の濃い12年前の数か月間を思い出していきます。

 

山内桜良はクラス1の人気者。

 

同じクラスでも根暗な僕とは関わりがないような人物だったのですが、ふとしたきっかけで彼女が膵臓の病気を患っていること、あと数年の命であることを知ります。

 

そして共通の秘密ができた2人は、桜良の強引な誘いもあって次第に一緒に過ごす時間が増えていくのですが…。

 

予告動画


「君の膵臓をたべたい」予告

 

動画リンク

 

映画『君の膵臓をたべたい』の感想

 

【面白ポイント】

  • 主人公を振り回す系ヒロイン
  • 観返してみると面白かった

 

主人公を振り回す系ヒロイン

今作は重いストーリー・ラストのどんでん返しだけではなく、主人公を振り回す自由奔放なヒロインも印象的でしたね。

 

命の終わりが身近に迫っているからこそ、悔いなく生きるために明るく自由奔放に振舞うヒロインは、今作において欠かせないキャラクターとなっていました。

 

正直、初めてこの映画を観た時には「このヒロイン好きじゃないな…」と思った覚えがあるのですが…。

 

2回目の視聴である今回はそこまで気にならないと言うか、観ていく内に慣れて気にならなくなりました

 

印象としては映画『四月は君の嘘』のヒロインに近いです。

 

自由奔放・笑顔で明るく生きようとする姿が似ていたし、主人公がそれに振り回されている姿まで一緒だったためかかなり既視感がありました。

 

なのでどちらかといえば『四月は君の嘘』がお好きな方、病に悩み苦しみながらも明るく主人公を振り回す系のヒロインがお好きな方におすすめな映画ですね!

 

◆あわせて読みたい◆

 

観返してみると面白かった

正直あまり好きなタイプの映画ではなかったのですが…2周目である今回は思ったよりも楽しむことができて面白かったです!

 

なんというか「この映画はあまり好みじゃない」と分かっているからこそ、細かい部分を気にすることなく、伏線を見つけながらストーリーを楽しめましたし…。

 

伏線を見つけて自分の中で納得したり驚いたりと、何度観返しても楽しめるポイントがちゃんとあって2周目でも面白かったです。

 

そのおかげで映画に対する感想が「自分好みじゃない映画」から「自分好みじゃない部分はあれどもキライな映画ではない」に変わりました。

 

なのでどちらかといえば伏線のある恋愛映画がお好きな方、2度観ることで魅力を感じられるような映画がお好きな方におすすめです!

 

映画『君の膵臓をたべたい』の考察

 

【考察ポイント】

  • ラストで通り魔が現れた理由
  • もし通り魔にあっていなかったら
  • タイトルの意味
  • 桜良を苦しめた病名

 

ラストで通り魔が現れた理由

ラストで桜良に襲い掛かったのは桜良と関わりのある人物ではなく通り魔で、おそらくは桜良が幸せそうだったから襲い掛かったのだと思います。

 

桜良が持っていた新聞記事によると女性だけを狙って犯行に及んでいたようなので、おそらく無差別ではなく、ある程度のターゲットは決めていたのでしょう。

 

そしてそんな通り魔に桜良が襲われたことを考えると、通り魔は幸せそうな女性を狙っていたのではないかなと思います。

 

女性に対して何がしかの不満・恨み・コンプレックスがあるのか…幸せな女性が憎かったから襲っていたのではないかな。

 

だから病気で悩み苦しんでいるとは言え、これからの旅行デートに胸を高鳴らせておめかしをして、光り輝いている桜良を襲ったのではないでしょうか。

 

なので通り魔に襲われたのはあくまでも偶然ですが、桜良が幸せそうな顔でデートに向かっていたから、通り魔に襲われてしまったのではないかなと思います。

 

もし通り魔にあっていなかったら

もし通り魔にあっていなかったら、桜良は旅行デートに行って楽しいひと時を過ごしたかもしれないけど、翌日あたりには倒れていたのではないかなと思います。

 

桜良は共病文庫に「今日はなんだから元気」と書いていましたが、それは旅行が楽しみだからというだけではなく、最後の灯のようなカラ元気だったのではないでしょうか。

 

消える前の蝋燭が一瞬パッと輝くように、彼女も命の灯が消える前に最後の輝きを放っていたのではないかなと思います。

 

なので通り魔にさえあわなければもっと生きられた…というわけではないのでしょうね。

 

通り魔にあわなければ最後に想い人と旅行デートに行けましたが、その代わり命が消えていく苦しみの表情を大好きな彼に見せてしまうことになっていたと思います。

 

良い形で友達の前から消えたいと考えていた彼女にとって、それは最も見せたくない顔だったはずですから…。

 

だからそう思うと、一概に「通り魔にさえあわなければ…」とは言えないと個人的には思いました。

 

タイトルの意味

君の膵臓をたべたいというタイトルには病気を治したいというだけではなく、君のようになりたいという憧れの意味も込められていたのではないかなと思います。

 

桜良は僕に、僕は桜良に惹かれ憧れていたようですから「あなたのようになりたい」とお互いに思っていたのでしょう。

 

だからこそ憧れの人物に少しでも近づくために、相手の一部を体内に取り込んであの人に少しでも近づきたいという意味がタイトルに込められていたのではないかな。

 

文章にするとだいぶヤバい奴みたいに聞こえますが、『爪の垢を煎じて飲む』を彼らなりにアレンジしたブラックジョークみたいな褒め方だったのでしょう。

 

なのであなたに憧れています・あなたみたいになりたいという意味が、君の膵臓をたべたいというセリフに込められていたと思います。

 

桜良を苦しめた病名

私は医者でもなんでもないのであくまでも推測ですが…膵臓の病気・食欲不振・倦怠感・余命宣告を考えると、膵臓がんだったのではないかなと思います。

 

映画内では病名・詳細については語られていませんでしたが、桜良が共病文庫に書いていた症状と膵臓がんの特徴が結構一致するので、そうではないかなと…。

 

ただここは映画内で明言されていないので、あくまでも膵臓がんかも?という程度で推測というか…憶測に近いですね。

 

桜良が最後まで病名を言わなかったのは、共病文庫を書いたり明るく振る舞っていたりしても病気への恐怖が拭えなかったからではないかな。

 

人生の終わりを身近に感じて、自分なりに受け入れようとはしているものの…病名を口にすることでその努力全てがリセットされるような恐怖があったのかもしれませんね。

 

桜良はもしかしたら病気のことを受け入れているように見せて、病気を直視しないようにすることで明るく振る舞えていたのではないかな。

 

だから膵臓の病気とは言いつつも、はっきりとした病名を口にすることはなかったのではないかなと思います。

 

映画『君の膵臓をたべたい』の関連作品

 

 

 
映画のもとになった原作小説。
より儚く、より共感しやすさを求めている方におすすめです。

 

 

 
今作のマンガ版。
サクッと読みたい、小説が苦手という方におすすめです!

 

まとめ

 

初めて観た時にはあまり好きじゃないと思っていた映画でしたが、今回観てみて良い方向に感想が変わり、思った以上に楽しむことができました!

 

いやぁ…1度苦手だと思った映画でも2回観てみるもんですね。

 

どちらかといえば病に悩み苦しみながらも明るく振舞うヒロインがお好きな方、少年から大人時代まで続く恋模様がお好きな方におすすめな映画でした!