高校生の青春・恋愛を音楽と共に描いた人気マンガの実写化映画『四月は君の嘘』。
私はアニメ1話だけ観たことがある状態で映画を観てました。
ストーリーはアニメ版と同じく魅力的だなと思うのですが、アニメの時に感じた違和感をより強く感じさせる実写映画で…個人的には感情移入や共感はしにくかったです。
どちらかといえばテンション高めなキャラクター・ノリがお好きな方、学生同士の青春・恋愛映画がお好きな方におすすめしたい映画ですね!
映画『四月は君の嘘』の作品情報
あらすじ
母を失った日を境にピアノが弾けなくなった天才ピアニスト・有馬公生。
ピアノを避けて色を失った日々を過ごしていた4月のある日、公生は幼馴染・澤部椿を通して同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと出会います。
自由奔放で勝気な彼女の楽しそうな演奏に聞き入る公生。
かをりはそんな公生に「自分の伴奏者になってほしい」と強引に誘い出すようになるのでしたが…。
予告動画
動画リンク
映画『四月は君の嘘』の感想
【面白ポイント】
- アニメをそのまま実写化した感じ
- 母親とひろこさんのシーンは好き
アニメをそのまま実写化した感じ
アニメをそのまま実写化したようなノリ・キャラクターの映画なので、アニメ版『四月は君の嘘』がお好きな方にはおすすめの実写化映画でした!
アニメと同じく重めなストーリー×テンション高めなノリ、自由奔放なヒロインと流されやすい主人公という組み合わせは映画でも引き継がれていたので。
アニメのノリやキャラクターがお好きだった方にとっては、そのままだ!って感じがして観やすいのではないかなと思います。
ただアニメを観た時点で苦手だと思った方には…ちょっとキツいかもしれませんね。
アニメだからまだギリ受け入れられていたものが、実写になっていることで余計についてけない・共感しにくいと感じるようになってしまっていました。
私が女性だからとか、年齢的に学生に共感しにくいからというのもあるかもしれませんが…何ともテンションにもキャラの心情にも共感できませんでしたね。
印象としては映画『君の膵臓をたべたい』を初めて観た時と似たような感覚がありましたね。
高めなテンション×重めなストーリーという組み合わせ、テンション高めなキャラクターとノリについていけない感じが特に似ていました。
なのでアニメ版がお好きだった方、若々しい青春ノリや自由奔放なヒロインがお好きな方にはおすすめですが…そういったのが苦手な方には不向きな映画かなと思います。
母親とひろこさんのシーンは好き
今作の中で1番好きだったのは、公生がガラコンで『愛の悲しみ』を弾いている時にはじまる、公生の母親とひろこさんの回想シーンとセリフでした。
自分の命の終わりが見えているからこその焦り、愛する息子のためにできることを考え、自分がいなくなった後の幸せを願うあまりスパルタになる公生母の想い。
愛ゆえに幼い息子に嫌われてしまう切なさと悲しみというのは、個人的に共感しやすくてグッとくるものがありましたね。
そして回想シーンの後のひろこさんのセリフ。
「さきー。聞こえてる?
私たちの息子が…最後のお別れをしに行くよ。」
母親亡き後に公生のことを支え続けていたからこその「私たちの息子」という表現も、母親がすぐそばにいるような語り掛け方もめちゃくちゃ良かったです…!
母親の子供に対する愛、自分亡き後に残される大切な人を想っての行動がお好きな方には、ぜひともチェックしてみていただきたいシーンになっています!
映画『四月は君の嘘』の考察
【考察ポイント】
- ラストで宮園かをりは亡くなったの?
- 宮園かをりの病気
- タイトルの意味
- かをりが亮太を好きと嘘をついた理由
ラストで宮園かをりは亡くなったの?
ラストで公生が手紙を読んでいる時、「忘れたら化けて出るくせに」と言っているのでおそらく亡くなってしまったのだと思います。
手術に失敗したのか、手術は成功したけど術後の経過が良くなかったのか、他の要因で亡くなったのかは定かではありませんが、亡くなっていることに間違いなさそうです。
ただ、かをりは命を落とすことによって忘れられてしまうことをずっと怖がっていましたが、その恐怖は感じることなく旅立つことが出来たのではないかなと思います。
公生は自分のことを想ってくれるようになったし、椿や亮太も何度もお見舞いに来てくれたり、公生との仲を心配するような良き友になることができました。
なかなか行動を起こすことができずにモジモジしていた頃とは違って、友達も大好きな人もできて…少しは心が満たされた状態で旅立てたのではないかなと思います。
宮園かをりの病気
映画内では病気としか語られていませんでしたが、もしかしたら手足がだんだん麻痺していくような病気だったのではないかなと思います。
足が麻痺する病気にも見えるのですが、彼女が病気で立ち上がれない状態になった時に足だけではなく腕にも力が入りにくい状態にあるような描写があったので…。
腕もだんだんと足のように動かせなくなるような、バイオリンを弾けなくなるような病気を患っていたのではないかなと感じました。
彼女が入院して以降は、あれだけ弾いていたバイオリンはおろか楽器を弾く描写が一切ありませんし。
やっと公生と知り合って一緒に演奏できるようになったのに、自分はどんどん演奏できない身体になっていってしまう…。
そんな恐怖と悲しみとくやしさから、病院の屋上にいるときに公生に「1人にしないで」と言っていたのではないでしょうか。
なのでおそらくは足から腕、そしてもしかしたら呼吸器や臓器にも麻痺が広がるような、そんな恐ろしい病気を患っていたのではないかなと思います。
タイトルの意味
『四月は君の嘘』というタイトルには、4月は色々な人の嘘で出来上がっていたという意味ではないかなと思います。
例えば…
控えめで病気に怯えていたのに、天真爛漫な女子を演じて亮太に告白したかをり。
ピアノが大好きだったのにピアノから遠ざかろうとしていた公生。
公生が大好きなのに気のないフリをしていた椿。
そして春なのに夏のような気温だった4月という季節すらも…4月はみんなの嘘で出来上がっていたという意味が込められていたのではないかなと思います。
かをりが亮太を好きと嘘をついた理由
椿と恋のライバルではなく、友達としてこの世を去るためだったのではないかなと思います。
かをりは公生に近付きたいと眺めながら、仲の良さそうな3人のこと自体も羨ましそうにしているような印象があったので。
公生に近付くだけではなく、思い残すことがないように友達も作ろうとしていたのではないかなと思います。
だからこそ公正を好きな椿に「公生を紹介してほしい」とは言わずに、「亮太が好き」といって3人に近付いたのではないでしょうか。
こうすれば1人ぼっちになりたくない椿が公生を呼ぶことで公生と知り合うことが出来るし、亮太と椿と仲良くなることが出来る…。
なのでかをりは公生と知り合うためだけではなく、友達もつくるためにあえて亮太を好きと嘘をついたのではないかなと思います。
映画『四月は君の嘘』の関連作品
ゆっくりと主人公に共感しながら楽しみたい方におすすめです。
まとめ
重めなストーリーは良いなと思うのですが、やはりキャラクターのテンションの高さに共感しにくく、どうしてもついていくことができませんでした…。
ただアニメをそのまま実写化したような映画というのは、アニメ版が好きな方にとってはうれしいポイントだと思うので、アニメ版がお好きな方にはかなりおすすめ!
またテンション高め×ストーリー重めな組み合わせがお好きな方、学生同士の恋愛・青春映画がお好きな方にはおすすめの映画です!