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考察大好き人間による映画の感想・考察記事を書いています(*´ω`*)

映画『言の葉の庭』の感想・考察 その後の2人&ラストの意味&雪野が短歌を詠んだ訳

言の葉の庭

 

訳アリな男女の出会い・恋・人生を描いた映画『言の葉の庭』。

 

映像と音楽がとても神秘的でキレイな、ストーリーも人生に躓いている人に響くような内容がギュギュッと詰まった映画で…個人的には結構好きでした。

 

どちらかといえば短めだけど面白い映画をお探しの方、人生に躓いた経験のある方におすすめ!

 

 

映画『言の葉の庭』の作品情報

 

あらすじ

雨が好きで、雨の降る朝は学校へ行かず公園へ行くことを習慣にしていた高校生/秋月孝雄(タカオ)。

 

タカオがいつものように人気の少ない公園に入り、いつもの東屋へ向かうと…そこには一人で、チョコをつまみに呑んでいる女性/雪野由香里がいました。

 

見覚えのある人だなと思って声を掛けてみるが、彼女は会ったことがないという…タカオは考えるのをやめ、いつものように靴のデザイン画を描き始めます。

 

しかしチラリとタカオの方を見た雪野は、さっきとは打って変わって「会ってるかも」と言いました。

 

けれど名乗ることはなく『鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』という短歌だけ残して去っていきます。

 

夜、手慣れた様子で晩御飯の準備をするタカオ。

 

「来月、同棲のために家を出る」という兄、その話を聞いて「自分も彼氏と住む」と言って家出した母…この2人がタカオの家族で、タカオは老け込む一方でした。

 

けれど自宅では靴作りに励み、晴れの日はこんな事している場合じゃないと思いながら学校に通い、雨の日は公園に通う…それがタカオの日常。

 

しかしタカオが雨の日に公園に行くと、また雪野がいて呑んでいました。

 

けれど今度は彼女が声を掛けてきて…タカオが雨の午前中だけ公園に来ていること、雪野は仕事をサボって来ていることなどを話します。

 

午後が近づき、タカオが学校へ行こうとすると「また会うかもね。雨が降ったら…」と言う雪野。

 

その日は、関東の梅雨入りでした。

 

予告動画


www.youtube.com

 

動画リンク

言の葉の庭

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映画『言の葉の庭』の感想

 

【面白ポイント】

  • 映像&音楽がキレイ
  • 躓いている人に響く映画

 

映像&音楽がキレイ

さすが新海誠監督の作品というか、植物・水・陰影といった映像表現がめちゃくちゃキレイだし、そんな映像によくマッチした音楽も実に素敵でしたね。

 

何というかリアルだけど神秘的で、鮮やかだけど儚げな感じがする映像でとても良かったです。

 

特に水の表現はキレイでしたね。

 

やはり雨宿りをテーマにした映画・キャラが雨の日を待ち望んでいるためか、恵みの雨っていう感じがあって、すごくキレイだし印象的でした。

 

BGMは時に激しく時に弱く、全体的にしっとりとしていて…雨がポツポツと落ちて水溜りが出来上がって、いつしか乾くのを感じるような音楽でこれまた良かったですね。

 

またそれでいて基本的には雨音・鳥の鳴き声といった環境音だけが流れる時もあって…それはそれで、日常であって非日常な感じが浮き彫りになっていて好きでした。

 

雨降る午前中、公園で出会う男女という…少女マンガとはまた少し違った、神秘的なストーリーによく合った映像と音楽だったと思います。

 

躓いている人に響く映画

今作は性別問わず、夢・仕事・恋・人生に挫折したというか躓いて思い悩んでいる人に響くものがある映画だったなと思います。

 

新海誠監督の作品といえば映画『君の名は。』が有名で、あれが合わなかった者としては観るのがすごく不安だったのですが…。

 

今作はそんな不安に負けずに観てみて良かったと思うくらい、心に響くものがあったし、キャラもストーリーも共感しやすい魅力的なものになっていて良かったです。

 

トラブルから職場に行けなくなって公園で呑んだくれていた雪野、靴職人の夢を大人から否定され続けるタカオ。

 

職場での失敗・対人関係の問題・家庭環境・夢と現実…何かで躓いた経験がある人には、すごく共感できるものがある映画だったのではないかなと思います。

 

自分でもなんとかしたいと思っている、行動を起こそうとしているのに思うように行かなくて…人生という道を上手く歩けなくなっていく。

 

そんな人生に躓いていた二人が雨の日に偶然出会って、少しずつ自分らしさを取り戻して…立ち上がって、道は違えども歩き出していくというストーリー。

 

ご都合主義の夢物語と思う人もいるかもしれませんが、個人的にはストーリーに共感できる部分が多いし、エンディングも素敵なハッピーエンドに感じてすごく好きでした。

 

自分ももう一度自分らしく歩き出そうという勇気が湧くような、本音を他人に語ることの大切さとかが感じられるような素敵な映画でしたね。

 

君の名は。

君の名は。

  • 神木隆之介
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映画『言の葉の庭』の考察

 

【考察ポイント】

  • その後の2人
  • ラストでタカオが怒っていた理由
  • 「あなたに救われていたの」の意味
  • 雪野先生と同僚/伊藤先生の関係
  • 雪野の恋心
  • 短歌「鳴神の〜」を詠んだ理由
  • タカオが靴を置いて去った理由

 

その後の2人

タカオは靴職人への夢に向かって、雪野は郷里の四国で教師として別々の道を歩むけど…タカオが一人前になった時、二人は再会するのではないかなと思います。

 

タカオは今回の出来事をきっかけに靴職人になる夢を諦めず、靴メーカーへの就職・靴職人への弟子入りなどをして、靴職人としての道を歩んでいくことでしょう。

 

雪野の方は宣言通り、郷里の四国に帰って…でも今回の出来事をきっかけに教師に戻ることを決めて、教師としてもう一度頑張るのではないかな。

 

時折連絡を取りながら、お互いの好きな道を進んで…そしてタカオが一人前になった時、二人は再会するのではないかなと思います。

 

あの時はまだ子供だから・教師と生徒という関係だからと告白を断られたけど、もう自分は大人だからとタカオが改めて告白するのではないかな。

 

お互いに自分の道を歩んで一人前になった時、二人は再会して告白して…ここから2人はやっと恋人という関係になって、一緒の道を歩き始めるのではないかなと思います。

 

再会した二人は両想いだからこそ交際するでしょうが…結婚するかはまた別の話でしょう。

 

年齢差・空白の時間・付き合ったからこそ分かることも出てきて、付き合ってもお別れの道を選ぶことも十分にありえると思います。

 

でも別れたとしても自分らしく生きるきっかけを与えられた同士だから、悪い関係になることはなく、いつまでも本音で語り合える良き関係性ではいられるのではないかな。

 

ラストでタカオが怒っていた理由

雪野の部屋を出たタカオが怒っていたのは、自分が子供だったこと・本音を言ってもらえなかったこと・彼女が何も言わないことに憤っていたからだと思います。

 

生徒と教師という関係性を言わなかったこと・タカオの恋心を知りながら何も言わなかったこと・本音を言ってくれなかったこと・タカオの夢を否定しなかったこと。

 

タカオはその全てが『自分が子供だから言ってもらえなかった』と感じて、悔しくて悲しくて不甲斐なくて声を荒らげていたのではないかなと思います。

 

それと同時に彼女のことを心配して、彼女のためにもと怒っていたのもあるのではないかな。

 

ちゃんと言ってくれなければ分からない、一人で抱え込まないで、このままだとあなたはいつまでも一人ぼっちだと…心配して怒っていたのでしょう。

 

フラレようとも大好きだから、靴職人になる自分を応援してくれていた大切な人だからこそ…子供扱いに憤りながらも、彼女の心配をして声を荒らげていたのだと思います。

 

「あなたに救われていたの」の意味

ラストで雪野が「あなたに救われていたの」と言ったのは、追い詰められていた自分にタカオが一人じゃない・夢・歩き方を思い出させてくれたという意味だと思います。

 

雪野は生徒の色恋沙汰に巻き込まれて嫌がらせを受け、大事にしたくない学校との板挟み、周りの生徒の好奇の目に晒され…精神を病んでしまいました。

 

職場に行けない状態、味覚障害になるほど…。

 

でも毎朝、身支度を整えて家を出て、学校に行こうとして…でも行けなくて、公園で過ごすという日々を送ります。

 

そんな時にタカオと出会って…何かから逃げるように公園に来ているのは自分だけじゃない、仲間がいると思わせてくれたのでしょう。

 

彼の夢の話を聞いて同じ年頃の時、自分の夢が何だったのかを思い出した…靴をプレゼントしたいと言ってくれて、自分に生きる意味や未来への楽しみを与えてくれました。

 

そして彼が怒ってくれたことで、ちゃんと本音を語ることの大切さも教わったのでしょう。

 

1つ1つは些細なことですが、元恋人の同僚にも本音を語れないで一人押しつぶされていた雪野には、彼との出会いは人生を一変させる奇跡だったのではないかな。

 

追い詰められていた自分に夢・生きる楽しさ・人生の歩き方を思い出させてくれた…そんな意味が「あなたに救われていた」というセリフに込められていたのだと思います。

 

そして大人と子供、生徒と教師という今の状態では言えない「私も大好き」という意味も、あのセリフには込められていたのではないかな。

 

雪野と同僚/伊藤先生の関係

雪野はおそらく同僚の教師/伊藤先生と交際していたのですが、雪野の休職事件をきっかけに破局し…その後、伊藤先生は他の女性と同棲したのではないかなと思います。

 

二人が以前交際していたことは電話で話していました。

 

別れた理由に関しては明確に語られていませんでしたが、雪野が休職するきっかけになった生徒の色恋沙汰に巻き込まれる事件が関係していたのだと思います。

 

破局の原因

雪野が「あなたは周りの声ばかりを聞いていて、私を信じてはくれなかった」と言っていたことを思うと、伊藤先生が雪野を信じなかったのが別れの原因だと思います。

 

伊藤先生は生徒や雪野からの聞き取りをし、上司に相談しながら…大事にしたくないという学校側の意向に従い、丸く収めようとしていたのだと思います。

 

もしかしたら「雪野に誤解させるような言動があったのかもしれない」と生徒に謝罪させつつ、「今後は気をつける」ということで収めようとしていたのではないかな。

 

「私はそんなことしていない」と雪野は訴えたけど、伊藤先生は「生徒と仲良くしていただろ」「大人な対応が必要なんだ」と言いくるめようとしたのでしょう。

 

無実の罪で謝罪することを拒否する雪野と、丸く収めたい伊藤先生の仲はギクシャクし…別れるに至ったのではないかなと思います。

 

しかしその後も生徒からの嫌がらせが続き、学校側からも圧力・好奇の視線に雪野は押しつぶされ、ついに学校に行けなくなり味覚障害もあって休職したのでしょう。

 

伊藤先生の同棲

雪野と別れた後、別の女性と出会った伊藤先生は告白・交際…そして結婚を前提に同棲と、トントン拍子で次の恋愛を始めていたのではないかなと思います。

 

伊藤先生と雪野の破局がどのくらい前なのか分からないですが…そんなに前のことではないようなので、伊藤先生の家にいた女性は妻ではなく、まだ同棲相手でしょう。

 

生徒と教師の問題を解決する立場にいたことを思うと、それなりの年齢でしょうし…結婚を前提に同棲という話が短期間で進んでも不思議はありません。

 

もしくは元恋人の同僚・学校・生徒の板挟みに悩んでいた時、声を掛けてくれた新しい彼女に、身も心も癒やされたから…というのもあるかもしれませんね。

 

雪野と別れた後に出会った彼女が「サポートするから」と同棲を提案し、板挟みで疲れ切っていた伊藤先生もその話に合意したから同棲していたのではないかなと思います。

 

雪野と伊藤先生の電話&やり取り

雪野はまだ少しだけ伊藤先生に未練があるようですが、どうこうするつもりはなく…伊藤先生の方は、元恋人・同僚のよしみで何かと面倒を見ていたのだと思います。

 

雪野と伊藤先生のやり取りを見る限り…雪野の方は伊藤先生にまだ少しだけ未練があるように感じました。

 

ただ伊藤先生の方は新しい恋人も出来て同棲して、もう次の恋に進んでいて雪野のことは特に意識していないと思います。

 

しかし元恋人で同僚だし、彼女が追い込まれた原因の一端は自分にあると責任を感じて、伊藤先生は電話で近況を聞いたり退職を手伝ったりしていたのではないかな。

 

つまり雪野は少しだけ伊藤先生に未練があるけど、伊藤先生の方は責任感・罪悪感から何かと気にかけて面倒を見ていただけだと思います。

 

雪野の恋心

雪野は自分のことを何も知らず、キラキラと夢を語ってくれて、好意を寄せてくれるタカオに確かに惹かれていたと思います。

 

でも生徒と教師という立場、大人と子供という関係な以上…手を出してはいけないことも、彼の好意に応えてはいけないことも重々承知していたでしょう。

 

でもどうしようもなく惹かれてしまって…雨が降る午前中、彼に会える公園での一時が、彼女にとっては大切な時間になっていたのだと思います。

 

時間が止まれば良い・彼に自分の正体を知られたくない・ずっとバレなければ良いと思いながら…雪野は公園に通い続けたのではないかな。

 

ラストではタカオを自分の家に入れてはいましたが、あれは雨に降られた子供・生徒を放っておけないという大義名分があったからセーフ。

 

その後は抱きついてしまったし、タカオに好意を寄せていたのも確かだけど…断じてそれ以上のことはしていないでしょう。

 

両想いだからこそ誰にも咎められることなく、ちゃんと恋愛関係になれるまで待とうと…抱きついた後、二人で話し合って決めたのではないかなと思います。

 

短歌「鳴神の〜」を詠んだ理由

雪野が初めて会った時に『鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ』と短歌を詠んだのは、その空間が心地よかったからだと思います。

 

雨の音・鳥の鳴き声・学生がノートにペンを走らせる音・学生の真剣な表情…とても穏やかで静かで、心地よい時間だったのではないかな。

 

おそらく嫌がらせを受けてもなかなか教師を辞めなかったことを思うと、雪野は教師という仕事が好きだったのでしょう。

 

だからこそ教室で聞き慣れていたペンを走らせる音や、見慣れた学生の真剣な表情は…雪野には懐かしさと心地よさがあったのではないかな。

 

そして酔っていたこともあって、フッと古典の授業のように万葉集の短歌を詠んでしまったのでしょう。

 

本音をなかなか言わない雪野にとっては自己紹介であり「心地良い時間をありがとう」という感謝の意味合いも込めて、短歌を詠んだのではないかなと思います。

 

でもタカオはバイト・靴のことで頭いっぱいで、担当外の教師までは覚えていないし学校内の噂話にも興味がなくて…彼女の正体にはなかなか気づかなかったのでしょう。

 

タカオが靴を置いて去った理由

ラストでタカオが公園に靴を置いていったのは、あの靴は上手く歩けなくなった雪野用に作ったものだから、今の雪野には必要ないからだと思います。

 

あの靴は元々誰か用に作ったものではありませんでしたが、雪野と出会った時からタカオの中では雪野をイメージして作っていたのでしょう。

 

だから途中からは雪野にプレゼントしたいと、雪野の協力を得て足形・寸法などを測っていたのだと思います。

 

でも靴が完成する前に、雪野は立ち直り…郷里に帰って、教師として改めて頑張る道を歩き出しました。

 

だから彼女にはもうこの靴…雪野が一人で歩けるようにとつくった靴は必要ないから、彼女に渡すことはしなかったのだと思います。

 

靴を作った時と今の彼女はもう別というか、働き始めた彼女と休職していた彼女では足のコンディションが変わるし、要望・目的が違うからというのもあるでしょう。

 

つまり靴を作った時と今の彼女はもう別人のようになっているから…今の雪野には必要ないものだから、あの靴を公園に置いていったのだと思います。

 

ちなみに捨てるのではなく思い出の公園に置いていったのは、あの時・あの場所で呑んだくれていた彼女に捧げていたからではないかな。

 

そして再会した暁には、もっと上手に…彼女の足・コンディション・未来・人生にあった靴を、新しく作るという覚悟の現れでもあったのではないかなと思います。

 

映画『言の葉の庭』の関連作品

 

 

 
新海誠監督によるノベライズ。

映画では語られなかった2人の過去・心情などが細かく描かれていて、より感情移入しやすくなりました。

言の葉の庭がお好きな方にも、そうでない方にもおすすめです。

 

 

 
今作のコミカライズ。

マンガでも言の葉の庭を楽しみたい方、映画よりもっと気軽に楽しみたい方におすすめです。

 

 

 
今作を違った視点から解釈した小説。

映画版・小説版との違いに最初は驚きましたが、これはこれでそういった解釈もあるかもと思えて面白かったです。

 

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まとめ

 

君の名は。が刺さらなかった人間なので、同じ新海誠監督の映画に少し不安を抱いていたのですが…想像以上に面白くて、最初から最後までバッチリ楽しめました。

 

最近の映画に比べて短めな映画ですが、その中にギュギュッと物語とキャラクター性が詰まっていて、人生に躓いた経験がある人に刺さるストーリーがすごく良かったです。

 

なのでどちらかといえば短めだけど面白い映画をお探しの方、人生に躓いていた経験のある方・悩んでいる方におすすめな映画でした。

 

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