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映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の感想・考察 エリーの能力&ラストのサンディの意味

ラストナイト・イン・ソーホー (吹替版)

 

過去の見える少女が真実を追い求める映画『ラストナイト・イン・ソーホー』。

 

ただのタイムスリップものかと思いきや、魅力的なキャラクターときらびやかな時代の裏に隠された闇が感じられる映画で…結末も含めて面白かったです。

 

どちらかといえば人間の闇を感じるイヤミス系の映画がお好きな方、共感・親しみやすさのあるキャラクターがお好きな方におすすめ!

 

 

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の作品情報

 

あらすじ

60年代の音楽が大好きなファッションデザイナー志望の少女/エロイーズ(エリー)。

 

田舎からロンドンの服飾学校への進学を決めましたが、母がファッション系の道を目指しながらも志半ばで自ら命を断っていたためか…一緒に暮らす祖母は心配そうでした。

 

そんな反対を振り切ってロンドンのソーホーにやってきたエリー…しかし怪しげな街の人々や、プライドが高く自由奔放なルームメイト/ジョカスタに困惑するばかり。

 

心配して優しく声を掛けてくれる男子生徒/ジョンもいましたが…寮生活に馴染めずにいたエリーは、古めかしいアパートでの一人暮らしを決意します。

 

アパートのオーナーをしている老婆/ミス・コリンズは、サバサバとした言動ではあるものの良い人そうでした。

 

アパートで過ごす初めての夜…エリーは華やかできらびやかな60年代のソーホーで、歌手を目指すブロンド美女/サンディの夢を見ます。

 

無名から歌手として成り上がらんとするサンディは、ショーの女性たちを束ねている男/ジャックを紹介されました。

 

ジャックに自分の実力を見せるために、ホールで踊り始めるサンディ。

 

エリーはサンディになったような、それでいて鏡越しに彼女のことを見ているような不思議な感覚でその夢を見続けていましたが…。

 

予告動画


www.youtube.com

 

動画リンク

ラストナイト・イン・ソーホー (吹替版)

 

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の感想

 

【面白ポイント】

  • 魅力的なキャラクター
  • 怖いというよりかは闇
  • 面白い結末だった

 

魅力的なキャラクター

内気だが努力家で行動的な主人公/エリー、歌手を目指す魅力的な女性/サンディ、彼女たちのそばにいる対称的な男性と…今作は魅力的なキャラクターが多かったですね。

 

主人公は夢のために頑張る努力家であり、内気かと思いきや知らぬ土地で一人暮らしを急遽決める行動派でもあって…若さと夢を持ち合わせた人間性溢れるキャラで…。

 

コミュ障だけどウジウジしない、自分なりに頑張ろうとしている姿に応援したくなるものがあって…すごく魅力的な主人公でしたね。

 

サンディも歌やダンスが上手くて美人で、自分に自信があるのがアリアリと分かる女性ですごく憧れるというか、人を惹きつける魅力があるキャラだったと思います。

 

でもそんな彼女ですら前途洋々ではない、夢を簡単に叶えることはできない・男に裏切られる・強いられた自由のない人生を送っているという…。

 

すごく人間のキレイな部分と汚い部分を併せ持っているというか、夢を目指す人間に付き纏う闇を感じさせるキャラクターで魅力的でしたね。

 

そんなサンディを闇に引きずり込んだ男/ジャックにも、業界にいるからこその闇に取り込まれてしまった人間感があって…個人的には好きでしたね。

 

エリーを気遣う心優しい男子生徒/ジョンは本当に良い奴というか、エリーに真っ直ぐに惹かれているんだなぁって感じがして、好感が持てて良かったです。

 

エリーのルームメイト/ジョカスタも嫌な奴ではあるけど、大学デビューしたい・ビッグになりたい・自分が1番でいたいみたいなプライドや上昇志向というか…。

 

ちゃんと感情があった上での言動みたいなものが感じられて良かったです。

 

良い奴もいるし嫌な奴もいるし悪い奴もいる…でもそれぞれに感情があって人間性があって、理解できる親しみやすさや共感しやすさがあってすごく良かったなと思います。

 

印象としては映画『竜とそばかすの姫』のキャラクターに似ていたかな。

 

それぞれのキャラに過去・思想・感情があって行動している感じとか、エリーとサンディという違った世界での2人の主人公という印象もよく似ていたかなと思います。

 

ただ竜とそばかすの姫よりかはキャラ数が少ない分、今作の方が1人1人のキャラに対する親しみやすさや共感しやすさは強かったかな。

 

 

怖いというよりかは闇

今作はゾンビのような心霊描写が中心であまり怖さはなかったのですが、業界の闇・時代の闇・男性の闇・夢の闇みたいなあらゆる闇はすごく感じましたね。

 

女性を斡旋するジャック・夢のために枕営業をするサンディ・女を金で買う男たち・キラキラとした夢の背後にある仄暗い闇…とにかく闇が濃かったです。

 

部屋に恨みを持つ女性の霊が憑いているとかではなく、結局のところおばけよりも生きている人間が1番醜悪で怖いって感じがするテイストの映画でしたね。

 

心霊系を求めている方にはちょっと違うかなと思いますが、人間の闇が詰まった映画がお好きな方・イヤミス系がお好きな方にはかなり魅力的な映画だったと思います。

 

印象としては映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』に似ていたかな。

 

とある目標のために男性と関係を持つ女性、そんな女性の周りに群がる男たちの嫌な部分・闇が詰まっているという全体的なテイストがよく似ていたかなと思います。

 

とある美女の人生の結末・謎めいた部屋の秘密を探っていくストーリー性を思うと、映画『ハッピー・デス・デイ』にも少し似ていたかな。

 

なので心霊系の怖さはないけど、人間の闇・嫌な部分が詰まっているという…違った意味での怖さがある映画だったかなと思います。

 

ただ一応、恐怖演出というか…亡霊が主人公に付き纏ったり襲いかかるシーンがあったりするので、心霊系が苦手な方は注意してください。

 

 

面白い結末だった

最初は単純なタイムスリップ系映画かなと思っていたのですが…途中で心霊系?と思わせつつ、最終的にはイヤミス感漂う闇ENDに変化していてすごく面白かったです!

 

そもそもタイムスリップではなく、部屋に残されたサンディという女性の思念を見ていた感じだし、亡霊もおばけというよりもその場に留まる思念って感じでしたし…。

 

最初とは結構違った方向性に話が進んでいくというか、上手いこと誤認させてくる映画って感じで、最後は「おぉ!そうきたか」となるものがありましたね。

 

バイト先に来ていたおじいちゃんが「ここにいるべきじゃない」とサンディに警告していた警官だったのは割とすぐに気付けていたのですが…。

 

サンディが生きていて、大家さんだったというのはあんまり考えていなかったのでびっくりしましたね。

 

エリーの見た過去の映像からサンディは亡き者にされていると思いこんでいたので、そこを覆されたのは個人的に予想外で驚いたし、良い展開だったなと思います。

 

信頼できない語り手っていうんでしたっけ、すごく良かったですね。

 

印象としては映画『シャイニング』に少し似ていたかな。

 

その場に留まっている思念・記憶みたいだなと感じさせる亡霊たち、主人公の見ているものの不可思議さ、ラストでどんでん返しがある感じがよく似ていたかなと思います。

 

あと個人的にはラストで鏡の中でサンディが笑っていたのも好きでしたね。

 

イヤミス感たっぷりの映画だったけど、最後には少しだけハッピーというか救いがある感じがして…ちゃんと笑顔で終われる映画だったと思います。

 

最初はぼんやりと観ている感じでしたが、ラストに向けてどんどん惹き込まれていくものがある映画で…結末も大満足だし、すごく面白かったです!

 

シャイニング (字幕版)

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映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の考察

 

【考察ポイント】

  • 警官との会話時に鏡を叩いたエリー
  • エリーの能力
  • 母親が鏡越しに見える理由
  • ラストでのサンディ(ミス・コリンズ)
  • ラストで鏡にサンディがいた理由

 

警官との会話時に鏡を叩いたエリー

サンディと警官が話している時にエリーが鏡を叩き出したのはサンディが救われるチャンスだったから、あなたを心配する人間がいると知らせたかったからだと思います。

 

若かりし頃の警官はサンディに「早く足を洗え、君はいい子だ」「鏡を見てみろ」と言って、サンディがそれを拒否すると「手遅れになる」と答えていました。

 

警官はサンディが今まで出会った男よりかはまともな男、サンディのことを純粋に心配している男。

 

足を洗うきっかけを与えようとしていたし、現実を見ろと諭すようなことを言ってくれていましたが…サンディは全てから目を逸らしていました。

 

女優・歌手になる夢のためと、どんなに女遊びしていてもジャックの本命は私と…自分からも現実からも目を逸らして、ずっと枕営業を続けていたのでしょう。

 

でも鏡から見るサンディは1人で疲れ切っていて…夢を追っていた頃のキラキラとした姿と、自信に溢れたオーラはすっかりなくなっていました。

 

鏡を見ればそれが分かったはずなのに…サンディは全てを拒否

 

輝いている頃のサンディを見ていたからこそ、心配しているし救われてほしいと思うエリーは、そんな彼女に気付いてほしくて鏡を叩いていたのではないかな。

 

鏡を観ることで現実を見て、自分を見てと…ここにあなたのことを心配して想っている人がいるよ、1人じゃないと気付いてほしくて鏡を叩いたのではないかなと思います。

 

エリーの能力

エリーは幽霊が見えているわけではなく、人物・物・場所に宿っている思念・執念といった『残された想い』が見えるタイプの能力者だったのだと思います。

 

だから部屋でサンディが亡き者にされるという、サンディの心情を反映した現実とは違う映像を見たのでしょう。

 

あれはあのアパート・部屋・家具に染み付いていたサンディの想いを見ていたからこその映像だったのだと思います。

 

部屋に埋まっている被害者男性たちが付き纏っていたのも、幽霊ではなくサンディの罪の意識・後悔からくる幻影だったのでしょう。

 

サンディの中で男たちを手に掛けたことは正義・ゴミ掃除と自分を納得させながらも…バレるかもという恐怖・こんなはずじゃという後悔を抱えていたのだと思います。

 

そしてその罪の意識は幻影として現れ…ずっと付きまとわれていたのではないかな。

 

だからサンディの思念と同調していたエリーはサンディの罪こそ知らないものの、罪の意識からくる付き纏ってくる幻影だけは見えるようになっていたのでしょう。

 

つまりエリーが見ていたものは同じ部屋に住み始めた繋がりから見えるようになった、部屋や街に染み付いたサンディの思念・罪悪感からくる幻影だったのだと思います。

 

母親が鏡越しに見える理由

母親だけが夢で見るサンディ・現実世界に現れる幻影とは違って鏡越しでしか見られないのは、母親はエリー本人に付いている思念・想いだからだと思います。

 

幼い子供を残して逝く無念さ・心配・愛情・見守りたいという強い想いがエリーに残った結果、鏡越しにだけ見えるようになっていたのではないかな。

 

自分のことは鏡越しでしか見えないですからね。

 

エリーの能力が物・人物・場所に残された想いを見る能力だったのだとすると、母親が鏡越しでしか見られないのはエリー本人に付いている想いだったからだと思います。

 

ラストでのサンディ(ミス・コリンズ)

ジョンとエリーに刃物を向けていたサンディ(ミス・コリンズ)が襲うのをやめたのは自分の本当の想いを思い出したから、理解者を得てやっと解放されたからだと思います。

 

昔と同じように薄暗い過去の自分の部屋を見たサンディには、エリーと同じように被害者男性やジャックの幻影が見えていたのでしょう。

 

そしてずっと一緒にいてと、スターになりたいと「お前が望んだんだろ」と幻影のジャックに言われましたが…ふっと目を離すと幻影は消えていました。

 

不思議に思って部屋を見渡すと鏡が目に入りました…そこには過去の自分。

 

ずっと自分・現実から目をそむけて拒否し続けてきて鏡を見てこなかったサンディは、あの時、やっと鏡を見ることができたのでしょう。

 

そして男たちを手に掛けることも苦悩と後悔を引きずり続ける悲しい人生も、枕営業も全て「望んでない」ことだったと思いだしたのだと思います。

 

さらにラストで「私はこの街に壊されてなんてやらない」と言っていたのに、自分はすでに壊れていたということにも気付いたのでしょう。

 

「囚人と変わらない人生だった」とも言っていたし、サンディは罪の意識にずっと苦しみ、後悔して壊れながらも生き続けていたのだと思います。

 

そんな状態にありながらも老婆になるまで生き続けてきたのは、自分の存在が男たちと同じようになかったことにされる…忘れ去られるのが怖かったからではないかな。

 

スターになる夢も叶わず、誰にも理解されることなく自分という存在だけが消えていくのが怖かったのでしょう。

 

でもついにエリーという自分の人生を知り、感情を理解して共感して罪を許してくれる存在が現れて…やっと解放されることができたのではないかなと思います。

 

そしてエリーは自分たちとは違う…エリーは夢を叶えようと真っ当に頑張っているし、ジョンは自分が刺されながらもずっとエリーの心配をしていました。

 

だからこそエリーたちだけは逃げてと、自分とは違って夢を叶えてという想いを込めて…自分一人だけが燃え盛るアパートに残ったのではないかな。

 

壊れていた状態から本当の自分を取り戻したから、理解者をやっと得ることができたからサンディはエリーたちを襲うのをやめ、自ら命を断ったのではないかなと思います。

 

ラストで鏡にサンディがいた理由

ラストでサンディが母親と同じように鏡の中にいたのは、彼女もエリーの母親と同じようにエリーに想いを残したからではないかなと思います。

 

鏡越しでしか見えない、エリー本人に付いている想い…彼女の夢の行く末に期待し、唯一の理解者・友人の彼女を見守りたいと思ったからこそ想いが残ったのではないかな。

 

でももうアパートへの執着や縛り、男たちの幻影に苦しめられていたサンディではありませんでした。

 

エリー越しに夢を叶えようとする姿を見ているサンディは、最初の頃のように笑顔でキラキラと輝いているように感じましたね。

 

やっとアパートや男たちの幻影から解放されたサンディは、エリーの母親と同じように残された想いとなって彼女の夢を追う姿を見守り続けるのではないかなと思います。

 

映画『ラストナイト・イン・ソーホー』の関連作品

 

 

 
魅力的なキャラがお好きな方に。
ただキャラ数が多いので、全てに感情移入するのは難しいかもしれません。

 

 

 
イヤミス系・人間の闇がお好きな方に。
今作とテイストがよく似ているので、今作がお好きな方にはおすすめです。

 

 

 
イヤミス系・人間の闇がお好きな方に。
美女に巻き起こるミステリーを解き明かしていく映画がお好きな方におすすめ。

 

シャイニング (字幕版)

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言わずとしれた名作。
おばけとは違った恐怖・面白い結末がお好きな方におすすめな映画です。

 

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まとめ

 

タイムスリップ系とも心霊系とも違ったテイストの、人間の闇を感じるミステリー・サイコホラー系の映画で面白かったです。

 

魅力的なキャラクターと人間の闇がどんどん深くなっていくストーリーに惹き込まれていく映画で、視聴中はもちろんのこと視聴後の考察も楽しかったですね。

 

どちらかといえば人間の闇を感じるイヤミス系の映画がお好きな方、共感・親しみやすさのあるキャラクターがお好きな方におすすめの映画でした!

 

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