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映画『オブリビオン』のネタバレ感想・考察 ラストの意味&テットの正体

オブリビオン(吹替版)

 

荒廃した地球でエイリアンと戦う男を描いた映画『オブリビオン』。

 

少年心をくすぐる世界観、どんどん続きが気になるようなテンポ感の良いストーリー展開がめちゃくちゃ面白くて、何度観ても楽しめるような映画でした。

 

なのでどちらかといえば荒廃した未来という世界観がお好きな方、カッコいいだけじゃなくて切なさ・ストーリー性もちゃんとあるSF映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『オブリビオン』の作品情報

 

あらすじ

侵略してきたエイリアン・スカヴとの戦いによって荒廃した地球。

 

人類は地球を捨て宇宙管制センター/テットでの仮住まいを始め、採水プラントで海水を吸い上げ核エネルギー化させ、惑星/タイタンへ移住する計画を立てていました。

 

人類存続の要となる採水プラントを守るのは監視用ドローンの整備担当であるジャック・ハーパーと、通信担当としてサポートするヴィクトリアの2人。

 

最高のパートナーと評価されている2人ですが、地球を離れたがるヴィクトリアと故郷である地球を愛するジャックとの間では度々意見の相違が生まれていました。

 

そんなある日、採水プラントを破壊したスカヴは地球外に向けて謎の信号を発信していて…。

 

予告動画


www.youtube.com

 

動画リンク

オブリビオン(吹替版)

オブリビオン(吹替版)

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映画『オブリビオン』の感想

 

【面白ポイント】

  • 少年心をくすぐる世界観
  • 引き込まれるストーリー展開
  • 切なさもあるSF映画

 

少年心をくすぐる世界観

荒廃した世界でのSF、隠された自分だけの大自然というロマンたっぷりな世界観には少年心がくすぐられましたね。

 

個人的に荒廃した世界×SFという組み合わせが大好きなので…今作の世界観はテンションが上りました。

  

何というか過去・未来・現在が入り乱れて、世界の終わりと未来を同時に感じられるようなギャップまみれの世界観がたまらんですよね。

 

ストーリーは少しややこしい部分もありますが、映像はシンプルなカッコよさで大人から子供まで楽しめるような映画になっています。

 

印象としては映画『ウォーター ワールド』に近かったです。

 

荒廃した世界で過去の遺物を集める主人公の行動や、荒廃した世界で感じる現代的な要素といった世界観や雰囲気がよく似ていました。

 

なのでどちらかといえばウォーターワールドがお好きな方、荒廃した未来という世界観や少年心をくすぐるようなカッコ良さがお好きな方におすすめな映画です!

 

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引き込まれるストーリー展開

今作はとにかくストーリーのテンポ感が良くて、飽きることなくどんどん引き込まれるようなストーリー展開をしていました。

 

幸せだと思っていたら悲しい出来事が起こって、意味不明な謎が幸せな記憶に繋がっていて…といったテンポ感の良いストーリー展開がめちゃくちゃ良かったです。

 

そしてストーリー展開の合間に敵・味方の概念、自分の存在すらも揺らぐようなジャックの心理描写もちゃんと描かれていてボリューム感もあるし…。

 

それでいて長ったらしく感じることもなく、ちゃんと謎の解明・説明もあることでモヤモヤすることもなかったので…すごく良かったです!

 

私は今回2回目の視聴だったのですが、ストーリーが良くできているためか2回目の視聴でも十分に楽しむことができました

 

1回目は謎の解明をキャラと一緒に驚きつつ、2回目は全ての謎を理解した上でストーリーをさらに理解していくような楽しみ方ができて面白かったです。

 

なのでどちらかといえば何度観ても楽しめる映画がお好きな方、テンポ感の良いSF映画がお好きな方におすすめな映画でした。

 

切なさもあるSF映画

今作には分かりやすい悲しさやSF映画らしいカッコよさだけではなく、クローンやロボットならではの何とも言えない切なさもあって良かったです。

 

特に個人的には自分の予備がたくさんいて、例え自分がいなくなってもすぐに新しい自分が補充されてしまうというクローンの存在に、考えさせられるものがありましたね。

 

何というかオリジナルとは同一人物なんだけど他のクローンとは別人で、自分とよく似た誰かが自分として生きていくというのがすごく印象的で…。

 

自分って何だろうという、クローンならではの疑問と切なさを感じました。

 

オリジナルと記憶を共有しているクローンが同一人物というのは納得できるのですが、他のクローン同士は記憶の共有がないから別人だと個人的には思うんですよね。

 

でも今作ではオリジナルもクローンたちもジャックと呼ばれていて…すべて「ジャック」で括られていたのが、何とも言えない切なさと後味の悪さを感じました

 

個人的にはこういった後味の悪いラストは好きなので問題ないのですが、人によっては「なんだコレ…」と思うラストかもしれませんね。

 

なのでどちらかといえば切なさや後味の悪いエンディングがお好きな方、SFならではの切なさがある映画がお好きな方におすすめな映画です。

 

映画『オブリビオン』の考察

 

【考察ポイント】

  • ラストの意味
  • ヴィクトリアの涙の意味
  • ジャックがテットに着陸できた理由
  • テット&サリーの正体

 

ラストの意味

おそらくラストで52号のジャックは、宇宙に旅立った49号のジャックのフリをして泉のほとりに行ったのではないかなと思います。

 

49号のジャック…ジュリアの産んだ娘の父親にあたるジャックは、テットを倒すために大爆発を起こし命を落としました。

 

つまりそれから3年後…スカヴに連れられて泉のほとりにある隠れ家にやってきたジャックは、テット消滅前に地球にいた52号のジャック。

 

49号と戦っている最中に一緒にいるジュリアを見た瞬間、記憶が蘇った52号のジャックは…戦いに敗れて目覚めた後、全てを悟ったのだと思います。

 

テットがクローンをつくる存在でありジュリアたち人間にとって敵側の存在であること、自分と同じクローンがジュリアを守るために戦っていることを。

 

そしてテットが宇宙で爆発したのを見て…自分がジュリアのために戦って、命を落としたことも確信したのだと思います。

 

でも自分ならばジュリアのことは絶対に守るはず、この地球に暮らしていたのであればどこか自然あふれる隠れ家をつくっているはずと思い至ったのでしょう。

 

同一の存在から生まれたクローンだからこそ、自分ならどうするかをほぼ正確に察することができたからこそ…3年間、ジュリアを探して歩いていたのだと思います。

 

そしてついに49号の自分を知っているスカヴと出会えたことで、自分の隠れ家の場所・ジュリアたちの存在を正確に知ることができたのでしょう。

 

ジュリアが涙を流し、スカヴも彼のことを笑顔で連れてきていたことを思うと…52号のジャックは49号のジャックのフリをしていたのだと思います。

 

実はテットを爆破する前に、間一髪で地球に戻ることができた…とでも説明したのでしょう。

 

そしてスカヴのこと、49号のジャックがしたこと、ジュリアや娘のことを自然な流れで聞き出して状況を把握した上で泉のほとりを訪れたのではないかな。

 

49号と別人であることを黙っていたのは、おそらくジュリアのためでしょう。

 

ジュリアのためであり…49号のジャックだって、ジュリアを悲しませることは望んでいないと分かっているからこそ49号のフリをしたのではないかな。

 

2度も愛する人を失ったジュリアを悲しませないため、ジャックだからこそ49号が考えていることは分かるから…52号は49号のフリをして家に『帰った』のだと思います。

 

ヴィクトリアの涙の意味

ジャックとジュリアが出会ってからヴィクトリアが度々不安そうな顔をしたり涙を流したりしていたのは、彼女は過去の記憶を消されてはいなかったからだと思います。

 

ジャックみたいに思い出したとかではなく、元々テットに記憶を消されていなかったからこそ…最初からずっと過去の記憶やジュリアを拒絶していたのではないかな。

 

テットは彼らのクローンを増やすにあたり最初から記憶を消したのではなく、事情を説明して協力を要請したのではないかなと思います。

 

全ての記憶を消して操るより明確な目的を知っている人間に協力を仰いだ方がスムーズですし、ミッションも円滑に進められるようになりますからね。

 

ただジャックは反抗したので記憶を消去…ヴィクトリアは邪魔者のいない環境でずっとジャックのパートナーでいることを条件に了承したのだと思います。

 

宇宙船でわざわざツーショット写真を撮っていたことを思うと、ヴィクトリアはジャックのことが好きだったから…。

 

邪魔者であるヴィクトリアのいない場所で、ジャックとずっと一緒にいられるのならば…とテットに協力する道を選んだのでしょう。

 

テットがヴィクトリアにだけ、何度も「チームワークに問題は?」と尋ねていたのもそのため。

 

ジャックは命令無視したりGPSを切って勝手な行動を取ったりすることもあったから、ヴィクトリアは彼の制御・監視を任されていたのでしょう。

 

そこまでお膳立てして2人だけの幸せな生活を作り上げたのに、ジャックはジュリアのことを忘れることなく地球への未練も捨てない…

 

ジュリアを見つけたジャックは命がけで彼女を守り、自分たちの生活空間に連れてきて…ついに思い出の場所で見つめ合っている2人を見つけてしまいました。

 

せっかくテットに協力してまで2人だけの世界をつくったのに、ジャックはジュリアを選ぶという変わらない事実が悲してくてヴィクトリアは泣いていたのだと思います。

 

ジャックがテットに着陸できた理由

ジャックがテットにやってきた時、テットが着陸を許可したのは「人類の存続のため」という彼の言葉自体には嘘がなかったためだと思います。

 

同乗者をつれて呼吸と心拍数を上昇させ、嘘までついて敵に近づいてくるジャックをテットも最初は怪しんでいましたが…。

 

その後のジャックの「ジュリアを失いたくない。人類を存続させるのが望み」という言葉には嘘がありませんでした。

 

その偽りなき言葉を、テットは「ジュリアのクローンを増やしたい」とジャックは考えていると解釈したために受け入れたのではないかな。

 

テットにとっては優秀なクローン人材が増え、ジュリアを与えることでジャックの命令違反もなくなるなら…願ってもないことのはずですからね。

 

それを分かっているからこそジャックも嘘ではない本心を語りつつ、テットに誤った受け取り方をさせるためにはぐらかした言い方をしたのでしょう。

 

実際はジャックは「ジュリアや人類のためにテットは消すべき」という思いでやってきたのではないかな。

 

本心を言いつつも言葉の解釈がテットとジャックで異なっていたために、テットは騙されてジャックの着陸を許可してしまったのだと思います。

 

テットの正体

テットはエイリアンの作り出したロボットが地球を支配し続ける内に感情を持ち、自分は神だと思い込むようになっていた存在だったのではないかなと思います。

 

元々は惑星外のエネルギーを求めたエイリアンが地球に送り込んだロボットで、邪魔な存在を排除すること・海水を奪い去ることだけが目的だったのでしょう。

 

ただ長い間地球を支配し、人間を生み出し続けている内に自分こそが神だと…優秀なAIゆえに思い込むようになってしまっていたのではないかなと思います。

 

クローンを作った理由

ジャックとヴィクトリアのクローンをつくったのは、効率良く邪魔な存在となる人類を排除するためだと思います。

 

地球を侵略するにあたってジャックたちを捕獲して調査した結果、彼らのクローンを作成して蹂躙していく方が効率よく人類を掃討できると考えたのではないかな。

 

高性能過ぎるテットが地球や人類を直に攻撃してしまうと、星や海水の汚染・ダメージに繋がりかねないですからね。

 

だからクローンを大量につくり、彼らを使って地球を攻撃・侵略したのだと思います。

 

人類を掃討した後もクローンを作り続けていたのは、生き残りが採水プラントを攻撃しないように警備・防衛させるため

 

テットがドローン・クローン・採水プラントの全てを逐一操作するのには限界がありますし、物理的な距離があることで反応が遅れてしまう可能性が高いですからね。

 

テットの代わりに採水プラントを守りつつ、人間だからこそ分かる心理・思考で残党狩りをスムーズに行わせるためにクローンを作っていたのではないかなと思います。

 

サリーの正体

サリーとはテットに人間がいると思い込ませ、ジャックにスムーズに司令を出すためにテットが作り出した存在だったのだと思います。

 

元々はジャック&ヴィクトリアと同じ職場に勤める、管制センターの普通の職員だったのでしょう。

 

ジャックたちの乗っていた船の通信記録に、サリーの声と顔が残っていましたしね。

 

テットがわざわざサリーのフリをしていたのは、テットが人間側の存在だと思わせるため…スムーズにジャックに指示を出すために必要だったからでしょう。

 

もしかしたら昔は顔を出さずに合成音声で司令だけを出していたのかもしれませんが、最初の方のクローンジャックがそれを不審がっていたのかもしれませんね。

 

サリーという人間をモデルに選んだのは、たまたま船にデータが残っていて顔・動き・声などの素材が多く手に入れやすかったからじゃないかな。

 

つまりサリーとはジャックの同僚のデータを利用してつくられた、ジャックにスムーズに司令を出すためにつくられたVTuberのような存在だったのだと思います。 

 

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今作がお好きな方に。

荒廃した未来で感じる現代というロマンがお好きな方におすすめです。

 

まとめ

 

少年心をくすぐるカッコ良さと、大人向けな切ないストーリー・後味の悪いラストが個人的にめちゃくちゃ刺さる映画で面白かったです。

 

1回目はそう来たか!という驚きを楽しみつつ、2回目は謎を理解しながら自分なりの考察までバッチリ楽しめる映画でしたね。

 

なのでどちらかといえば考察好きな方、カッコ良いSF×切ないストーリーの組み合わせがお好きな方におすすめな映画でした。

 

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