根強い人気を誇る映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』。
大人から子供まで笑えるようなくだらなさがありつつも、大人が共感できるようなグッと来るシーンもあって…何度観返しても飽きることのない魅力的な映画です。
どちらかといえば大人向きのアニメ映画をお探しの方、クレヨンしんちゃんシリーズの映画に興味がある方におすすめ!
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の作品情報
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の感想
- 映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の考察
- 映画『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の関連作品
- まとめ
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の作品情報
あらすじ
昔の遊びやTV番組を体験できるテーマパーク・20世紀博。
子供の頃やっていた遊びを懐かしむだけでなく、子供の頃に憧れたヒーローやヒロインにもなりきれるということで多くの大人たちは瞬く間に20世紀博の虜になりました。
しんちゃんの両親はもちろんのことカスカベ防衛のみんなの親も20世紀博に夢中で、昔を懐かしむ想いは施設内だけではなく街中に広がっていきます。
そして20世紀博からのお知らせがTV放送された翌日、ついに大人たちは仕事・子供・家を捨てて、子供のように遊んで暮らせる20世紀博に閉じこもってしまいました。
大人のいなくなった暗く静かな街に残されたしんちゃんたちカスカベ防衛は、大人たちを取り戻すために20世紀博へと向かうことを決意するのですが…。
予告動画
動画リンク
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の感想
【面白ポイント】
- 大人が共感できる映画
- くだらなくて笑える
大人が共感できる映画
今作は子供だけではなく、大人もみさえやひろしの立場になって共感して楽しめるような映画になっていました。
子供の頃はしんちゃんサイドで大人が消える恐怖を感じたり、しんちゃんの面白おかしい行動に笑ったりしているだけでしたが…。
大人になると子供の頃に放送されていたTV番組・遊び・歌とかを聴いた時に「懐かしい〜」とテンション上がる大人たちの感覚がめちゃくちゃ共感できましたね。
私は昭和生まれではないのでみさえやひろしが懐かしいと感じる物とは少しズレがあるのですが、何というか懐かしさを感じることに共感しました。
そして歳を重ねるごとにどんどん自分の中で懐かしい物が積もっていくので、年齢が上がれば上がるほどみさえとひろしに共感するようになりましたね。
特に今は令和の時代になったからこそ、平成が懐かしさを感じる時代になってしまいましたから…余計に共感できるのかもしれません。
なので今作は昭和生まれの方だけでなく、自分にとっての懐かしさを持っている大人の方におすすめしたい映画になっています!
くだらなくて笑える
今作は感動・名作として有名な映画ですが、実際はしんちゃん映画らしいくだらなさもしっかりと盛り込まれていることで笑いもあるような映画になっています。
隠れている密室でおならしたり、5才児や犬が幼稚園バスを運転したりといつものしんちゃんらしい、ありえないくらいくだらないギャグが盛りだくさん!
そして今作にはそれだけではなく、大人が真剣に魔法少女やヒーローになりきって追いかけてくるという…何とも言えない笑いもあります。
「運転中にどうやって着替えたんだよ」という現実的な疑問と、「なんで変身したんだよ」という訳の分からなさが個人的ツボに刺さって声を出して笑いましたね。
個人的にはしんちゃんたちよりも、大人たちの言動にくだらなさを感じて笑ってしまうことが多かったです。
大人が子供がえりをしているからこその無邪気な姿と、子供が引き気味な感じと見た目とのギャップが個人的にはめちゃくちゃ面白くて好きでした。
こんなくだらない笑いが合間合間に盛り込まれているので、しんちゃんシリーズのギャグがお好きな方にはかなりおすすめです!
映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の考察
【考察ポイント】
- ケンがチャンスを与えた理由
- チャコが外の世界を嫌う理由
ケンがチャンスを与えた理由
ケンが野原一家に21世紀を取り戻すチャンスを与えたのは、計画を阻止させてチャコに未来を見てもらう・外の世界に出てもらうためだったのではないかなと思います。
イエスタデイ・ワンスモアは20世紀を取り戻そうとする組織で総指揮はケンでしたが、彼からは現実世界を拒否する想いはあまり感じませんでした。
車を傷つけられていた時は感情的になっていましたがそれ以外は淡々と仕事をこなしているだけ、対してチャコは野原一家を拒絶し外の世界に行かないと泣いていたので…。
おそらくケンは未来と現実を拒否するチャコのために、20世紀を取り戻そうとしていただけなのではないでしょうか。
でもチャコのためにと行動しながらも…本心では一緒に未来を生きてほしい・現実を見てもらいたいとケンは思っていたのではないかな。
だからこそ野原一家にチャンスを与えて、夕日町の人々のようにチャコも意見を変えてくれることを期待していたのではないかなと思います。
チャコが外の世界を嫌う理由
チャコはおそらく家族・夫婦・仕事・病気など何かトラウマを抱えているために、現実や未来を拒否して過去に縋っているのではないかと思います。
例えば「また家族に邪魔された」というラストのケンのセリフ、家族の話にチャコが強く反発していることを思うと…家族に対して何かトラウマがあるのかもしれませんね。
家庭内の不仲・幼少期のトラウマなどから家族や夫婦という存在自体にトラウマがあって、結婚に前向きになれないのではないでしょうか。
でも年齢を重ねていく内に周りからは結婚しないの?と急かされて…自分はずっと恋人でいたいと反発した結果、楽しい恋人時代を繰り返そうとしているのではないかな。
もしくは外の世界はイヤだというチャコの拒絶、外の世界にいると体調が悪くなっていたことを思うと…生きること自体を拒絶する理由があった可能性もありますね。
例えば重篤な病に罹っているために命が残りわずかとか、もしくは仕事のストレスで参ってしまい、未来に対しての希望を失っているのかもしれません。
だから現実世界や未来を拒否して、楽しかった頃の思い出に縋って残りの時間を幸せに暮らしたいという現実逃避の想いがあるのかなと思います。
チャコは男説
もしくはチャコは男だから、結婚や家族を増やすことのできない外の世界や未来を拒絶していたのではないかなと思います。
しんちゃんの映画シリーズでは元気&個性的な男性?や、見た目が女性的な男性が頻繁に登場していますが、今作ではそういったキャラクターがいません。
さらにチャコは『家族』という言葉に怒りの表情を見せていることが多かったですし、同棲のことを問われたときのケンは多くを語ろうとはしませんでした。
もっといえば映画のラストでは、しんちゃんとひろしが「キレイなお姉さんだった」とチャコのことをキレイな女性と強調。
映画『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』でも、しんちゃんは女性的な見た目をしている男性に「キレイなお姉さん」とナンパしていたことがあったので…。
もしかしたら今作のチャコもその時のキャラクターと同じように、女性的なファッションをしている男性だったのかもしれませんね。
そして当時は戸籍上の性別を変更することも、同性同士で結婚することもできないから…。
チャコは同じ男であるケンと結婚することができず、ずっと同棲していたのではないかなと思います。
現代以上に同性愛に否定的な当時の日本では結婚できる未来も見えてこず、しんちゃん一家のように家族を増やすこともできないから未来を拒絶していたのではないかな。
なので個人的には実はチャコは男性だったから、結婚や家族を増やすことができない未来や外の世界を拒絶していたのではないかなと思います。
映画『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』の関連作品
かなり映画に近いマンガになっているので、映画好きな方におすすめです!
まとめ
個人的には感動はしませんが、大人から子供まで笑ったり共感したりしながら楽しめる映画で大好きです。
敵として登場するケンとチャコもミステリアスだけど人情味のあるキャラクターで、感情移入しやすさもありつつ考察しがいもあって良かったですね。
どちらかと言えば大人も楽しめるアニメ映画をお求めの方、しんちゃんシリーズがお好きな方におすすめな映画でした!