リングのもう1つの続編映画『リング2』。
個人的には以前記事にしたもう1つの続編映画『らせん』の方が好きではありましたが、こちらはこちらで良かったのではないかなと思います。
今作はらせんのエンディングが好みではなかった方、ホラー映画が苦手な方におすすめの映画ですね。
映画『リング2』の作品情報
あらすじ
古井戸から貞子の遺体が発見されてから1週間後。
解剖により、30年前にすでに亡くなっていたと思われた貞子が、実は1~2年前まで暗い井戸の中で生きていたという事実が判明します。
貞子の不可思議な遺体の状況に謎が深まる一方…高山竜司の最期を知るために独自の調査を始める恋人であり助手でもある女性・高野舞。
手始めに行方知れずになっている元妻・浅川玲子を探すことにしたのですが、浅川の息子・陽一と姿を消したまま、行方を掴むこともできずに時ばかりが過ぎていました。
そんな時、浅川の同僚・岡崎の協力のもと、浅川が呪いのビデオに関わるきっかけとなった事件の生存者・倉橋雅美と面会できることになったのですが…。
予告動画
動画リンク
映画『リング2』の感想
【面白ポイント】
- 程よく楽しめるホラー&ストーリー
- 個人的にはらせんの方が好き
程よく楽しめるホラー&ストーリー
今作の魅力は程よく楽しめるホラー感とストーリーですね。
映画『呪怨』のように「怖い!トラウマ!」というほどの恐怖やインパクトがないので、ホラー映画が苦手な方でも観やすいと思いますし…。
ストーリーも「考察が楽しい!」というほど謎な部分もないので、程よいホラー映画を求めている方におすすめできる映画かなと思います。
…以上です。
ホラー映画好きとしては悪くはないけど良くもない…普通…物足りない感じがするという感想しかありませんでした。
ただその分、ホラー映画が苦手という方、はじめてのホラー映画として観る映画をお探しの方にはちょうど良い映画なのではないかなと思います。
個人的にはらせんの方が好き
らせんとリング2、どちらが正しい続編映画なのかということは分かりませんが、個人的にはリングの続編映画としては『らせん』の方が好きでしたね。
らせんも初めて観た時にはぶっ飛び展開が多くて、正直好きじゃないな…と思っていたのですが、考察することで魅力が発揮される映画だったので今では好きな映画です。
なので考察も込みで考えると、個人的にはらせんの方が良かったかなと思います。
ただここは好みの問題ですね。
リングにホラー映画としての魅力を求めている方には今作の方が多分向いていると思いますし、王道のホラー映画としてはこちらの方が正しいのだと思います。
なのでらせんが好きではなかったという方には、リング2の方がおすすめです。
ただホラー映画にホラー展開のみならずストーリー性も求めている方、考察がお好きな方にはぜひとも映画『らせん』の方をチェックしてみていただきたいですね!
映画『リング2』の考察
【考察ポイント】
- 『リング』と『らせん』の違い
- おじいちゃんが命を落とした理由
- ラストで貞子が言ったセリフの意味
- 高野舞が生きている理由
- 貞子が恨んでいる対象
- 呪いのビデオから助かる方法
『リング2』と『らせん』の違い
リング2もらせんも、リングのその後を描いた映画であることには変わりないのですが、あくまでもパラレルワールドの話なのでリング2とらせんに関係性はありません。
なので…
・陽一のおじいちゃんが命を落とした理由
・陽一の状態
・高野舞の行動
この3点、その他のストーリー展開がらせんとリング2とでは違っています。
おそらくですが、らせんは安藤が高山竜司の解剖に関わることになったために、呪いのビデオとは関係ないところで恐怖が生まれてしまった世界線の話。
リング2では安藤が関わることなく、高野舞が1人で呪いのビデオに関わることになる世界線の話なのではないかなと思います。
さらに陽一のおじいちゃんが命を落とした理由が違うことによって、陽一が生き残っているというのも大きな違いですね。
この2つの違いによって、らせんとリング2とではその後の展開が違うものになっているのだと思います。
おじいちゃんが命を落とした理由
陽一のおじいちゃん(玲子の父)が命を落としたのは、呪いのビデオによる呪いのせいです。
らせんでは玲子が持ってきた呪いのビデオを観た後に自ら命を絶ちましたが、リング2のおじいちゃんはおそらく自ら命を絶つことはしなかったのでしょう。
呪いを甘んじて受け入れたためか、玲子の話を信じていなかったためかは定かではありませんが、おそらくビデオを観た後にもそのまま生きていたのだと思います。
そしてビデオを観た7日後、呪いのビデオの呪いによって命を奪われました。
ただおじいちゃんが亡くなるという結果は変わらずとも、呪いのビデオによる呪いで命を落としたことによって、陽一がビデオの呪いで命を落とす未来が回避されたので…。
ある意味、リング2の方がらせんよりかは救いがあるのかな…良かったのかなと個人的には思います。
ラストで貞子が言ったセリフの意味
井戸を登っていく高野舞たちに言った「なんであなただけ助かるの」というセリフには、貞子がまだ井戸に縛られているという意味が込められていたのだと思います。
井戸から遺体を引き上げてもらうことはできましたが、長すぎる苦しみと恨みのためか、おそらく貞子は地縛霊のような感じでまだ井戸に魂が縛られているのでしょう。
だからラストで高野舞たちの後を追って井戸を駆け上ったのにも関わらず、最終的にロープから手を離して井戸の底に落ちていったのだと思います。
おそらく自分が井戸から出されたこと、救い出されたことにも気付いておらず、井戸から出ることができないのかもしれませんね。
なので呪いのビデオを観る人がいれば呪いは広がりますし、貞子の呪いが終わることはないと思います。
高野舞が生きている理由
高野舞は呪いのビデオテープを最後まで観てはいないので、陽一と共に生き残っています。
玲子と話している時に「最後まで観ていないなら大丈夫」と言われていたので、ビデオの呪いにはそもそもかかっていなかったのでしょう。電話もありませんでしたしね。
またラストで井戸に落とされていたのは、呪いのビデオによるものではなく貞子自身の力によるものですから、あの井戸から出れば特に呪われることもないのだと思います。
なので高野舞が7日後に命を落とすこともありませんし、このまま普通の人生を送ることになるのではないでしょうか。
貞子が恨んでいる対象
貞子が恨んでいるのは、助けに来なかった世界中の人々のことだと思います。
井戸の中で30年間、ずっと助けを求めて井戸を登り続けていたにも関わらず、誰も助けには来てくれませんでした。
貞子がいないことを気にする人、探してくれる人が誰もいなかった…貞子はそのことを恨み、助けに来てくれなかった世界中の人々を恨んでいるのではないでしょうか。
だからビデオテープという不特定多数の人に届く物を使い、多くの人を呪い、命を奪っているのではなないかなと思います。
また7日間という命を奪うまでの猶予を残しているのも、おそらくは自分が味わった苦痛を味あわせるためかなと。
一思いに命を奪われず、命がなくなっていく感覚をゆっくりと味わう恐怖を知っているからこそ、同じ恐怖を感じさせるために猶予を残しているのではないでしょうか。
なので貞子は自分を助けてくれなかった世界中の人々を恨み、自分と同じ恐怖を味あわせるために、井戸の底から呪い続けているのだと思います。
呪いのビデオから助かる方法
呪いのビデオから逃れるためには、ビデオをダビングして他人に観せる必要があります。
流し雛と一緒ですね。
呪いをビデオに移して他人に擦り付けることで、自分の呪いを払おうという理屈なのだと思います。
ただこれで呪いのビデオからは逃れることができますが、呪いを押し付けられた人からは恨まれることになりますよね。
もしくは恨まれることがなくとも、自分のために他人の命を見捨てたという罪悪感に苦しめられることになり、精神的に追い詰められるのではないでしょうか。
浅川玲子にとっての父親(陽一のおじいちゃん)、岡崎にとっての沢口香苗のように。
なのでダビングによって呪いのビデオからは助かりますが、結果的には他の呪いをしょい込むことになるので、完璧に救われることはないのではないかなと思います。
ちなみに映画『リング』の記事では別の方向性から助かる方法について考察をしているので、興味のある方はぜひこちらもチェックしてみてください!
映画『リング2』の関連作品
リングの世界観をマンガで楽しみたい方におすすめです!
まとめ
個人的にはらせんの方が好きではありましたが、らせんがお好きではなかった人におすすめしたくなるような映画だったかなと思います。
またホラー映画が苦手な方、王道ホラー映画をお求めの方にもおすすめな映画なので、興味のある方にはぜひチェックしてみていただきたいです。