大人気ゲームの実写映画『サイレントヒル』。
印象的なモンスターたち・世界観からエンディングまで楽しめるような映画で、原作関係なく1つの作品として楽しめるような魅力的な映画になっていました。
なのでどちらかといえば印象的なモンスターが登場するホラー映画がお好きな方、原作ゲームを知らないという方にもおすすめ!
映画『サイレントヒル』の作品情報
あらすじ
娘/シャロンの夢遊病に悩まされる母/ローズ。
突然始まった夢遊病の症状だけではなく、症状が出ている時にシャロンが叫んでいる「お家に帰る!サイレントヒルに…!」という言葉もローズには気がかりでした。
そしてついにローズはシャロンの夢遊病を治すために、夫の制止も聞かずにゴーストタウンとなっている街/サイレントヒルに向かうことを決めます。
しかしサイレントヒルはもうすぐそこ…というところで事故を起こし、頭を打って気絶してしまったローズ。
目を覚ました時には助手席にいたはずのシャロンの姿がなく辺りには灰が降り、深い霧に覆われていました。
そんな変わった辺りの様子に疑問を持ちながらも、ローズはシャロンを探しにサイレントヒルへと入っていくのでしたが…。
予告動画
動画リンク
映画『サイレントヒル』の感想
【面白ポイント】
- 印象的な怖いモンスターたち
- カッコいいけど可哀想なシビル
- ハッピーエンドのようでバッドエンド
印象的な怖いモンスターたち
人間が本能的に「怖い!」と思うような、印象的で怖いモンスター達のインパクトが凄かったですね。
突然現れて驚かしにくる恐怖というよりも、視覚的にゆっくりとゾワゾワくるような恐怖を与えてくれるモンスターたち。
そのせいかモンスターが襲い掛かってくる映画でありながら、幽霊が迫りくるホラー映画のような感覚で楽しむことが出来る映画でした。
さらにサイレントヒルと言えば、大剣を持つ三角頭のモンスター!
『三角コーンみたいなものを被った巨体の男』と、言葉にすると少しシュールな印象がありますが…。
重要な恐怖シーンで必ず登場するモンスターで、言葉にするとシュールな見た目とは裏腹にめちゃくちゃ怖いです…!
何というか人間とモンスターの中間のような絶妙なカッコよさと怖さのあるモンスターで、他のモンスターとは少し違った恐怖を与えてくれましたね。
なのでホラー映画のようなゾワゾワする恐怖演出がお好きな方、怖いモンスターがお好きな方にはぜひともチェックしてみていただきたいです!
カッコいいけど可哀想なシビル
金髪ベリーショートとバランスの良いスタイル、女性らしいカッコよさと美しさがあるシビルは、個人的に1番気に入っているキャラクターです。
サイレントヒルに入ってからは娘を探すローズを支え続け、クリスタベラ達に襲われた時には身を挺してローズを先に行かせたり…。
さすが警察官!としか言いようがないカッコいい女性でしたね!
そしていよいよヤバいというときにも不安な様子のシャロンに優しい声をかけ、敵に対して強気に叫んでいたのですが…。
気丈に振る舞いながらも最後には涙を流し弱々しく母を求める彼女の姿は、可哀想としか言いようがなく…不覚にも泣きそうになりました。
ローズとシャロンがサイレントヒルにやってきたのは運命のようなものなので、しょうがない部分もあるのですがシビルは違いますからね。
シビルはただただ巻き込まれてしまっただけですから…。
女性として美しく人間らしい彼女の姿はカッコよくて憧れるのですが、そのカッコ良さゆえの不憫さを思うと…何とも可哀想なキャラだったなと思います。
そんなカッコ良さと不憫さのギャップも良かったとは思いますけどね。
なのでどちらかといえばカッコ良いけど可哀想なキャラがお好きな方、金髪ショートがお好きな方にはぜひともシビルをチェックしてみていただきたいです!
ハッピーエンドのようなバッドエンド
あのハッピーエンドのように見せかけたバットエンド…個人的には好きでしたねぇ!
ローズの当初の目的であったシャロンの夢遊病の解明・消えたシャロンの救出を果たして、サイレントヒルを脱出というハッピーエンドを迎えたかと思いきや…。
実はまだサイレントヒルの世界にいる2人、というバッドエンドな展開が個人的には好きでしたね。
ローズとシャロンはサイレントヒルの世界で2人なりに幸せな生活を送っていき、2人を待つ父親/クリストファーは帰ってこない2人を現実世界で待ち続けるという…。
なんとも言えない、救いがあるようでないエンディング!
個人的ドストライクなエンディングで、ハッピーともバッドとも言い難い絶妙さはすごく良かったと思います。
なのでどちらかといえばハッピーエンドのようでバッドエンドな結末がお好きな方、救いのないエンディングがお好きな方におすすめしたい映画でした!
映画『サイレントヒル』の考察
【考察ポイント】
- ラストの意味&サイレントヒルの意味
- シビルがサイレントヒルにいる理由
- トイレのコリンの側にある言葉の意味
- アレッサのその後
ラストの意味&サイレントヒルの意味
ラストでやっとローズたちは家に帰ることができましたが、サイレントヒルの世界にある自宅に帰っただけなので、厳密には自宅に帰ることはできていないと思います。
現実世界では雨が降り続いていますが、ローズたちのいる世界では雨が1度も降っていないことを思うと、ローズたちがいるのは現実世界とは異なる異界でしょう。
つまりは現実世界とは隔絶された、あの世のような場所ですね。
もっと言えばアレッサの作り出した思念の世界、もしくはアレッサのためにある地獄なのではないでしょうか。
自分を苦しめた住人の魂を思念の世界に閉じこめ、動けない自分に代わって復讐を果たしてくれるモンスターをつくりあげて、住人たちに恐怖を与えるための世界。
なのでそんな異界にいるローズたちが家に帰っても、現実世界にいるクリストファーとは会うことができずに、すれ違う日々を送ることになるのではないかなと思います。
シビルがサイレントヒルにいる理由
最初はローズたちを追ってサイレントヒルまでやってきたシビルですが、その後はアレッサにサイレントヒルの世界へと誘われたために街に入っていたのだと思います。
ダリアが冒頭で「サイレントヒルに入れるのは闇に棲む者だけ」と言っていたことを思うと、ローズとシビルは街に入る前にすでに命を落としていたのでしょう。
2人はサイレントヒルに入る前に事故を起こして気絶していたので、おそらくその時点ですでに魂だけの存在となっていたのだと思います。
シビルが事故を起こした原因はおそらくアレッサ。
ローズたちのときと同じように、アレッサがバイクの前に飛び出して事故を誘発したのではないかなと思います。
つまりアレッサはシビルのこともサイレントヒルに連れ込もうとしていたのでしょう。
おそらく子供を救うために献身的な姿勢を見せるシビルに母性を感じ、母親を求めるアレッサがシビルのこともサイレントヒルに招いたのではないかなと思います。
しかし同時にやってきたローズの方がアレッサ好みだったために、シビルは見捨てられる形でサイレントヒルの住民の手によって命を奪われてしまったのではないかなと…。
つまりシビルはローズたちの因縁に巻き込まれてサイレントヒルまでやってきて、アレッサに気に入られたためにサイレントヒルに招かれてしまったのだと思います。
トイレのコリンの側にある言葉の意味
トイレに磔にされていたコリンの側にあった「やれるものならやってみろ」という言葉には、アレッサの復讐達成の想いが込められていたのではないかなと思います。
学校のトイレにて、エビぞり状態で磔にされていた掃除夫/コリン。
彼は同級生から疎まれ、常に独りぼっちでトイレに逃げ込んでいたアレッサに男として大人として、やってはいけないひどいことをしていました。
そんなコリンも復讐のために異界へと閉じこめて、えびぞり状態の磔にすることで下半身が使い物にならないようにしていたのでしょう。
つまりコリンの側にあったメッセージには「これでもう私を襲うことはできないだろう!」という、アレッサの復讐の想いが込めていたのではないかなと思います。
なのであの磔にされているコリンはアレッサが作り出したモンスターではなく、厳密にいえばサイレントヒルの世界で苦しめられている住人の1人なのでしょう。
アレッサのその後
復讐を果たしたアレッサはシャロンと融合し、サイレントヒルの街を捨ててローズの娘として生きていくのだと思います。
ラストでアレッサがシャロンに近付き、気を失ったあとからシャロンの様子が明らかに変わっていたことを思うと、おそらくあの時点で融合したのでしょう。
シャロンの見た目はそのままに、中身がアレッサになっているのだと思います。
サイレントヒルの住人への復讐は果たしましたし、念願の母親もゲットしたわけですから…もうシャロンを逃がしておく必要性がなくなったのでしょう。
だからアレッサの邪悪な心とアレッサの良心であるシャロンが合体し1つになった…もっと言えば別れていた人格が1つに戻ったのではないかな。
生前は孤独だったアレッサですが、これから生前にできなかった穏やかで楽しい生活を優しい母/ローズと送ろうとしているのだと思います。
さらにその後が気になる方は、続編の映画『サイレントヒル:リベレーション』をチェックしてみてください。
映画『サイレントヒル』の関連作品
ローズやシャロンのその後が気になる方におすすめです。
まとめ
モンスター・キャラクター・ストーリー共に、文句の付け所がない映画でした!
ホラー映画として楽しむだけでなく視聴後の考察までたっぷりと楽しむことができるので、かなり満足のいく映画になっていましたね。
原作ゲームを知らなくても楽しめる映画なので、少しでも興味のある方はぜひともチェックしてみてください!