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考察大好き人間による映画の感想・考察記事を書いています(*´ω`*)

映画『ファーザー』の感想・考察 時系列順の考察&見知らぬ男と女の正体

ファーザー(吹替版)

 

認知症の父親と娘の人生と葛藤を描いた映画『ファーザー』。

 

切なく謎めいたストーリー展開が魅力的な映画なのですが、イヤミスとは違ったしんどさ・ホラーとは違った怖さがある映画で…視聴後の気分はあまり良くなかったですね。

 

どちらかといえば親子の人生と葛藤を描いた映画がお好きな方、観終わった後にも心に残るものがあるような考えさせられる映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『ファーザー』の作品情報

 

【作品情報】

  • あらすじ
  • 予告動画
  • 動画リンク

 

あらすじ

ロンドンで一人暮らしをする老人/アンソニー。

 

それを心配した娘/アンは何人も住み込みの介護人を送りますが…アンソニーは口が悪く自信家で、他人への拒絶・被害妄想がひどく介護人は長続きしませんでした。

 

今まではそれでもアンが毎日アンソニーのいる自宅に通うことで何とかなっていましたが、パリにいる恋人と暮らすためにアンはロンドンを離れることになります。

 

ジェームズ以来恋人のいなかったアンにパートナーが現れたこと、娘が自分の元から離れていくことにショックを受け、これからのことに不安を抱くアンソニー。

 

そんなある日、アンソニーの前に自宅でくつろぐ見知らぬ男性が突然現れ「僕の名前はポール。アンの夫で結婚10年目、この家に住んでいる」と言います。

 

そうだったと思い出すアンソニーですが…アンからはパリに恋人がいて、引っ越す予定と聞かされていたのに、夫であるポールは何も知らない様子でした。

 

そんなポールにアンソニーは、自分はしっかりしている・自宅を離れる気もない・老人ホームも介護人も必要ない・アンは何かを企んでいると訴えます。

 

しかしそんなアンソニーに、ポールは「ここはあなたの家ではない。あなたは新しい介護人が決まるまで、僕達の家に来ることになって引っ越してきた。」と言いました。

 

バカなことを…と笑うアンソニーの前に、買い物から帰ってきたアンだと名乗る見知らぬ女が現れます。

 

混乱するアンソニーがアンと名乗る見知らぬ女に起こったことを話すと「自分に夫はいない。5年以上前に別れた」と言い、確認すると確かに家から男は消えていました。

 

アンと男が自分をからかっているのか、何が起こっているのかさっぱり分からないアンソニーは困惑したまま自室へと戻ります。

 

予告動画


www.youtube.com

 

動画リンク

ファーザー(吹替版)

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映画『ファーザー』の感想

 

【面白ポイント】

  • 切なく謎めいている
  • イヤミスとは違ったしんどさ
  • ホラー映画とは違った怖さ

 

切なく謎めいている

認知症の父親視点から見る世界は、姿の変わる娘・記憶にない娘の旦那・音沙汰のない下の娘・自分の所在地すら不明で、何とも切なく謎めいていましたね。

 

何が正しくて何が真実なのか分からず困惑するばかりでしたが…何とも言えない切なさだけはひしひしと伝わってきました

 

父親にとっても訳が分からなくて怖いだろうし、娘にとっても変わりゆく父親の姿を見るのも世話するのもしんどいだろうし…。

 

キッチンで一人涙し、おもむろに眠る父親の首を絞めるシーンとか…もうめちゃくちゃ切なかったです。

 

認知症の父親視点がメインなので全ての出来事が謎めいて見えますが、何というか報われない・切ない・悲しい・怖いみたいな感情だけはしっかりと感じ取れました。

 

本人に悪気はない、娘のことも愛している、娘だって父親のことを愛している…でも全ては謎に包まれている、それが何とも切なかったですね。

 

認知症の父親・父親を引き取った娘・認知症の義父と同居する娘の夫の全員に共感できるからこそ、全てが謎めいていることが切なかったです。

 

イヤミスとは違ったしんどさ

切なく謎めいたストーリー展開・認知症のアンソニー視点の世界・父親を引き取った娘視点の世界・ラストの結末も…全てがイヤミスとは違ったしんどさがありました。

 

老人ホームに入って、訳が分からなくなってただただ泣きわめいてママを求めるアンソニーとか、もう正直観ているのがしんどかったです。

 

俳優さんの演技がすごいというのももちろんあるのですが、すごい全体的にリアルで生々しくて…ありえそうな人生の結末が目の前に広がっていて、怖いくらいでした。

 

視点・場面がコロコロ変わることで時間の感覚をあやふやにしつつ、良い感じに切なさと謎を感じさせるストーリー展開で、映画としてはすごく良かったと思います。

 

でも本当に観ているのがしんどいです。

 

誰も悪くないし、切ないし報われないし…キャラクターがそれぞれに悩み苦しんだ末の終わり方に、共感できるゆえにすごくしんどい・後味が悪いものがありました。

 

後味が悪い映画といえば映画『ミスト』が有名ですが…あれとはまた違った後味の悪さでしたね。

 

ミストは遠い世界のストーリーとして楽しむことができましたが、今作は自分自身や身近に起こり得る可能性がある分、ただの映画として片付けられない感じがありました。

 

イヤミス&考察大好きな私が映画視聴後になんにも頭が働かなくなるまでメンタルダウンして、考察が全然できなくなるくらい…。

 

良い意味でも悪い意味でも、心にくるものがある映画でした。

 

なのでストーリー展開も演技もすごく良い映画でしたが、万人受けする映画ではないというか、面白いとか面白くないとかそういう感想が出てくる映画ではなかったかな。

 

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ホラー映画とは違った怖さ

認知症ゆえに自分の認識と世界がズレていく、周りの状況が自分の知らぬ間に変わっていくというのにホラー映画とは違った怖さを感じましたね。

 

自分が誰なのかどこにいるのか、家族も分からない、周りにいる人間が誰かも分からなくなっていく…でも自分がズレていくことを認識できない

 

自分は正常だと思っているけど、実は正常な状態ではなかった…でもそれが分からないというのは、すごい恐怖だよなと感じました。

 

印象としては映画『トゥルーマン・ショー』に似ていたかな。

 

自分が自分として生きてきた人生・世界は本物ではなかったという衝撃、そしてそのことを知らずに生きてきたという恐怖がよく似ていたかなと思います。

 

ただトゥルーマン・ショーは一応ハッピーエンドで終わっているので救いがありますが、今作はハッピーでもバッドでもなくトゥルーエンド。

 

誰も悪くない、切なくて報われないトゥルーエンドが…すごく心にずしっとしんどくのしかかるというか、心に残り続けるのを感じる映画でした。

 

なので良い映画なのですが、メンタル的に弱っている時に観るのはあまりおすすめしない映画です。

 

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映画『ファーザー』の考察

 

【考察ポイント】

  • 時系列順の考察
  • 見知らぬ男と女の正体

 

時系列順の考察

今作は時系列が飛び飛びなように見えて、実はストーリーは時間通りで…ただアンソニーの中で、過去・現在・幻覚が入り混じっていただけではないかなと思います。

 

過去のことを現在と混同していたりフッとした時に鮮明に思い出して幻覚を見ていたり、目の前にいる人物が別人に見える・誤認しているのではないかな。

 

それぞれの出来事について、時系列順に考察していきます。

 

冒頭のアン

冒頭で「恋人のいるパリに行く」と言っていた娘/アンは、アンソニーが見分けがつかなくなっていただけで実は妹/ルーシーだったのではないかなと思います。

 

冒頭のアンはその後に登場する彼女に比べて口調が強いように感じたし、自分で「アンだ」と言ったことはありませんでした。

 

また結婚10年目とアンの夫/ポールが言っているのに、その後に登場していたアンが「ジェームズとは5年前に別れた」と言っていたことを思うと…。

 

ジェームズという男性と5年前に別れて以来、男がいなかったのはルーシーの方だったのではないかなと思います。

 

アンソニーが「お前は昔から心配性、妹と大違い」「妹はどこだ?」と言った時にアンが気まずそうにしていたのは、実は目の前にいる自分がルーシーだったからでしょう。

 

おそらくルーシーは一人暮らしをしているアンソニーが認知症になって以来、住み込みの介護人を雇いつつ毎日自宅へ行って様子を見ていたのではないかな。

 

つまりアン家に行く原因となった際の介護人/アンジェラや、他2人の介護人をアンソニー宅へ派遣していたのはルーシー。

 

介護人がなかなか見つからないのは『常時自宅で様子を見てくれる住み込みの介護人』を探しているからでしょう。

 

でもアンソニーの認知症はどんどん進行し、世話をしてくれるルーシーのこともなぜかアンと思い込むようになり、区別がつかなくなっていたのだと思います。

 

おそらくですがアンは既婚・仕事のためなかなか介護に関われなくて、しばらく会っていなかったためアンソニーの中でアンとルーシーがごっちゃになったのではないかな。

 

しかし懸命に世話をしても介護人を派遣しても拒絶、アンと呼ばれることに限界を感じたルーシーは、アンソニーの元を離れて恋人のいるパリへ行くことにしたのでしょう。

 

一人暮らしはさせらなれない、けれど老人ホームも介護人も拒絶するアンソニーのことはアンに任せるつもりだったのだと思います。

 

アンには「自分はもう限界、一度父から離れたい」と相談し、アンソニーには「介護人が嫌なら、アンに後は任せる」と伝えたのでしょう。

 

しかしアンソニーの中では目の前にいるルーシーをアンだと思っているから、自分の中で矛盾が発生したために、その後の会話は記憶から抜け落ちていたのではないかな。

 

つまり冒頭で登場したアンはルーシーだった・恋人のいるパリに行く予定を立てていたのはルーシーの方だったのではないかなと思います。

 

突如現れたポール

冒頭のアンことルーシーが去った後、アンソニーの前に突然ポールが現れていたのは、アンソニーにとっては翌日の感覚でもかなりの時間が経っていたからだと思います。

 

おそらくルーシーがパリに行った後、アンソニーはしばらく本物のアンの訪問を受けながら一人暮らしをしていたのですが限界を迎え…アンの自宅へ引っ越したのでしょう。

 

ポールの口ぶり的に長い同居になる予定はまったくなく、新しい介護人が決まるまでの一時的な応急措置だったのだと思います。

 

アンソニーはおそらく最初は抵抗したでしょうが、荷物の整理をとでも言って荷物を少しずつ運び出し…家に泊まってとでも言って連れてきてごまかしたのでしょう。

 

そしてアンソニーはアンの家に引っ越していることを忘れ、ずっと自宅で暮らしていると思い込んでいたのだと思います。

 

多分ですがポールがアンソニーを受け入れつつも、対応に不慣れでアンを呼んでいたことを思うと…引っ越して数週間・一ヶ月くらいだったのでしょう。

 

ポールがアンソニーの言う「アンはパリに行く」という話を知らなかったのは、アン本人にパリに行く予定も他に恋人もいないから。

 

「それは妹のルーシーのことでしょう」と言い返さなかったのは、ルーシーがパリに行くことをポールは知らなかったからではないかなと思います。

 

ルーシーのパリ行きを知らなかったのはアンがあえて言わなかったのか、もしくはアン本人もルーシーのパリ行きを知らなかったからかもしれませんね。

 

つまりアンソニーの前に突然ポールが現れたのは、アンソニーにとっては直後の感覚だけど冒頭からある程度の時間が経過していたのに彼が忘れていたためだと思います。

 

見知らぬ女になったアン

自宅に戻ってきたアンが見知らぬ女に見えたのは、アンソニーにとってはルーシーがアンだと認識していたから…すぐにアンの顔だと認識できなかったのだと思います。

 

アンソニーにとってはアンの家に引っ越す説明・記憶がすっぽり抜け落ちていて、彼の認識の中ではあの瞬間がアンとの久しぶりの対面だったのでしょう。

 

だからアンだと思いこんでいたルーシーの顔と違うため、アン本人のことが見知らぬ女に見えてしまったのだと思います。

 

その後、パニックを起こすアンソニーが椅子に座っている時に近寄ってきた見知らぬ女姿のアンは、おそらくはルーシーの幻覚だったのではないかな。

 

多分過去にルーシーとも似たようなやり取りをしたことがあって、そのことを思い出しつつもパニックから、過去と現在を混濁して幻覚を見ていたのでしょう。

 

だからその時の見知らぬ女姿のアンは「夫はいない」「チキンのことも知らない」と言っていたのではないかなと思います。ルーシーには旦那はいないから

 

もしアン本人なら認知症の父親に5年前のことを「覚えているでしょ?」と言ったり、戸惑うアンソニーに「チキンの男?」とからかうようなことは言わないでしょう。

 

またあの時のアンが「ジェームス」の名前を出していたことからも、あれはルーシーの幻覚だったのではないかなと思います。

 

そして幻覚を見て誰もいないところに話しかけたかと思うとキッチンに行き、そして一人で寝室にこもったアンソニーを心配して部屋に来たのがアン本人。

 

おそらくあの見知らぬ女はアンソニーがアンをアンだと認識できなかった、過去と現在・アンとルーシーがごっちゃになって幻覚を見ていたのではないかなと思います。

 

アンの電話の相手

アンが親しげに父親の様子を電話していた相手は、おそらくは恋人のいるパリに行ったルーシーだったのだと思います。

 

ポール相手であれば帰ってきてから話せばいいだけでわざわざ電話で様子を知らせる理由がないですし、かといって愛していると言っていたことを思うと親しい間柄のはず。

 

なので電話の相手は、パリに行きつつも父親の様子を心配していたルーシーだったのではないかなと思います。

 

つまりアンソニーがアン宅に引っ越した直後は、ルーシーは存命だったのでしょう。

 

新しい介護人/ローラ

自宅にアンソニーを連れてきてからも新しい介護人を探し続けていたアンがやっと見つけた介護人が、ローラだったのではないかなと思います。

 

おそらくは住み込み可能な介護人を探していて、まずはトライアルという感じでアンの家で様子を見つつアンソニーとの相性を確認していたのではないかな。

 

ローラのことだけアンソニーが認識できるのは、アンと暮らし始めたことでアンとルーシーの区別がつくようになったからというのが大きいでしょう。

 

ローラはおそらく本当に髪色などざっくりした印象がルーシーとどこか似ていて、ルーシーに会いたがっていたアンソニーには印象深かったのではないかな。

 

だからアンソニーはルーシーに似ているローラのことは認識できる、アンもこの人となら長続きするかもと期待していたのではないかなと思います。

 

アンソニーの首を絞めるアン

ローラとの面会の時のアンソニーの言動・アンの顔すら分からなくなっていたことに傷ついて…アンは思い余って、眠る彼の首を絞めていたのではないかなと思います。

 

自分と暮らしてもルーシーの話ばかりでアンの顔も分からなくなり、自分と母親の悪口を言って被害妄想からあらぬ疑いをかける、父親が父親ではなくなっていく…。

 

仕事をしながら懸命に認知症の父親の介護をして、新しい介護人を探し続けていたアンには、アンソニーの言動はこたえるものがあったのでしょう。

 

そしてローラが帰った後、昼寝をするアンソニーの首を絞めてしまっていたのではないかな。

 

しかしアンソニーが息を引き取る前にポールが帰ってきたためか、思いとどまることができて何とか事なきを得たのでしょう。

 

つまりアンがアンソニーの首を絞めていたのは彼の言動が悲しくて報われなくて落ち込んで…限界が近かったためゆえの行動だったのではないかなと思います。

 

苛つくポール

どんどん疲れて追い込まれていくアンを愛しているがゆえに心配するポールもまた、アンソニーの態度や言動に苛ついていたのではないかなと思います。

 

ただ被害妄想に取り憑かれている時に他の話を振っていたことを思うと、だいぶ認知症のアンソニーとのやり取りがうまくなったように感じました。

 

つまりポールがアンソニーの前に現れたチキン事件の日から、アンの電話・ローラがやってくるまでの間に、数週間・数ヶ月の時が流れていたのではないかなと思います。

 

一時的な同居だという話だったのに介護人がなかなか見つからず同居は長引き、アンソニーへの対応に慣れるぐらいの時間が流れていたのでしょう。

 

その間におそらくアンソニーはアンの家に引っ越してきたこと・アンのこと・ポールのことを何度も忘れ口汚く罵ってきて、その度に説明してを繰り返していたと思います。

 

その結果、アンもポールも心身ともに疲れ切っていて…ポールはつい「いつまで僕らを苛つかせるつもりだ」と言ってしまったのではないかな。

 

しかしポールがアンのことを思いやり労っていたこと、認知症に理解を示していたことを思うと暴力を振るうことはしていないと思います。

 

何というか暴力を振るうのは簡単ですが…アンを愛しているポールはアンのためにも、義父であるアンソニーに手を上げるタイプではないように感じました。

 

なので長引く同居やアンソニーの言動に苛つきつつも、ポールがアンソニーに手を上げることはないと個人的には思います。

 

病院での診察

ローラに通ってもらいながら病院にも行っていたアンソニーでしたが、おそらくは症状は悪化する一方で、ついにかかりつけ医から専門医を紹介されていたのだと思います。

 

この段階でまた時間がある程度流れて、ローラはすでに何度かアン家に通ってアンソニーの世話をしていたのではないかな。

 

しかしアンソニーはローラのことをなかなか覚えず何度会っても初対面の状態で、なかなかアンソニー宅での住み込み介護には移れていなかったと思います。

 

そしてその間にも症状はどんどん進行し…通っていた病院から専門医に相談したほうが良いと言われ、サライ医師の病院へ。

 

アンソニーの言動から認知症が進行していること、アンとのやり取りから彼女の限界も近いことを察知したサライ医師は、いつでも電話してと名刺を渡したのでしょう。

 

サライ医師としては「もう在宅では厳しい、老人ホームを考えては」と提案したでしょうが…アンは住み込みの介護人を検討していると断ったのではないかな。

 

アンとしては介護人・老人ホームを拒絶するアンソニーの意思を組んで、できれば自宅で最期を迎えさせてあげたいという考えだったのでしょう。

 

つまりアンソニーの認知症が悪化してかかりつけ医から専門医を紹介されようとも、アンとしては住み込みの介護人をという意向だったのではないかなと思います。

 

ちなみにアンがパリに行くと思い込んでいるアンソニーに「それはルーシー」とアンが言い返さなかったのは、アンもルーシーのパリ行きを知らなかったためかな。

 

もしかしたら父親のもとを離れるルーシーはアンに限界である・離れたい意思は伝えつつも、行き先までは伝えていなかったのかも知れませんね。

 

これから今までの自分と同じように苦労するであろう姉に、自分はパリで恋人とハッピーに過ごしますなんて…なかなか言い出しにくかったのでしょう。

 

もしくはアンは何度もパリに行ったのはルーシーと説明してきたけど、アンソニーが忘れるためにもう面倒で「私はパリには行かない」としか言わなくなっていたのかも。

 

ポールとの言い合い

症状が日増しに悪化するアンソニーのことと、自分がパリへ引っ越す予定があることもあってアンソニーを老人ホームへ入れようとポールは提案していたのだと思います。

 

アンが「明日からあの人が来るのに」と言っていたのは、ローラが長期休暇を取っていて、翌日から休暇明けで戻ってくる予定だったのではないかな。

 

日中だけのローラ・長引く同居・アンソニーの症状の悪化にずっとストレスを溜めていたポールは、夕食時に耐えきれなくなったのでしょう。

 

アンソニーが介護人/アンジェラと揉めなければ住み込み介護人付きの自宅で暮らせていた、自分たちと同居することもなかった…イタリア旅行に行けていたのにと。

 

認知症のせいでアンソニー自身に悪気はないと分かっていても、もう抑えられなかったのでしょう。

 

おそらくですが荷物が少しずつ片付けられていたことを思うと、ポールはこの時、仕事の都合でパリに引っ越す予定を立てていたのではないかなと思います。

 

アンにもついてきてほしかったのですが、アンソニーを1人にできないからと単身赴任を迫られていて…そのことも不満で、耐えきれなくなった要因の一つだったのでしょう。

 

つまりポールは仕事の都合でパリへ引っ越す予定なのに、アンはアンソニーを優先してついていけないと言ったこともあって、ポールが限界を迎えたのだと思います。

 

悪化する認知症&ルーシーの事故

しかしそれからまた時が流れ、ルーシーが事故にあって亡くなったこと・家の様子が変わったこともあってか、アンソニーの症状はさらに悪化したのだと思います。

 

ルーシーが亡くなったことを聞いてアンソニーはそれはそれは落ち込んだでしょうが…もうそれを覚え続けることはできなかったのでしょう。

 

しかしポールがリビングに飾っていた絵画を引っ越しのために外したことをきっかけに、ルーシーの思い出が蘇るアンソニー。

 

その結果、アン・ポール・アンソニーの3人で朝食を取るはずだったのに、アンソニーにはいないはずのローラの幻覚が見えていて…1人で話し始めたのでしょう。

 

ローラのことを思い出したのはルーシーと似ていると思っているためか、もしくはルーシーが亡くなったという話を彼女としたことを思い出したからかな。

 

何度か来たはずのローラがアンソニーのことを子供扱いしていたのは、最初の頃のローラはそういった対応をしていたからではないかな。

 

でもアンソニーがそれを拒否し、ローラはそういった対応を改めた…その時の記憶がフッと蘇り、ローラの幻覚を見ていたのでしょう。

 

つまりルーシーが亡くなったこと・家の様子が変わったこともあり、アンソニーの症状が進行していてローラとの記憶を幻覚として見ていたのだと思います。

 

ポールの平手打ち

その後、ポールが暴言を吐いて平手打ちしてくるのは完全に記憶にもない、被害妄想からくる幻覚だったと思います。

 

一人で話し始めたアンソニーを心配するアンでしたが、調理中だったこともあり対応できず、代わりにポールがアンソニーに声を掛けたのでしょう。

 

しかしパニックを起こしているアンソニーは少し前にポールに強い口調で言われていたことを思い出してしまい、被害妄想を膨らませてしまったのだと思います。

 

暴言・暴力を振るわれる幻覚を見て、被害妄想を膨らませて泣きながらアンを呼ぶアンソニー。

 

アンが来た時にポールも戸惑った様子だったのは、自分は何もしていないのに突然アンソニーがやめろ・戦うぞと言いながら泣き始めたからでしょう。

 

アンも事態が飲み込めず困惑しつつも…もう限界だと悟ったと思います。

 

その後、ベッドでアンとポールが覚悟を決めた顔をしていたのは…ポールが先にパリへ行くことを決意したからでしょう。

 

アンソニーのためにも自分がそばにいるのは良くない、アンにも来てほしかったがしょうがない、ローラとアンソニーの関係が安定するまで…と諦めたのではないかな。

 

アンソニーの症状が悪化し、ポールに対して被害妄想を膨らませて幻覚を見ていたために、ポールは1人でパリに行くことを決めたのではないかなと思います。

 

見知らぬ女になったローラ

それからアンとアンソニーは二人暮らし、ローラの訪問を受けながらいつもどおりの日常を送っていたと思います。

 

アンソニーの中でローラはすっかり定着し、ローラへの印象も良好。

 

このままローラにアンソニーの自宅に住み込んでもらえれば、自分もポールのいるパリに行けると思っていた矢先…アンソニーはルーシーの夢を見ます。

 

夢の中とはいえルーシーの顔を見たことで、アンソニーの中で少しだけ面影が似ていると思っていたローラとルーシーの顔が全くの別物と気づいてしまったのでしょう。

 

その結果、ローラのこと自体は覚えていても、今までと違って見知らぬ女のように見えてしまったのだと思います。

 

老人ホーム入所&アンのパリ行き

最後の希望だったローラまでもアンソニーが拒絶したことで、自分一人ではもう無理だと判断したアンは、ついにアンソニーの老人ホーム入所を決めたのだと思います。

 

そして自分もルーシーと同じように、ポールが待つパリへと行くことにしたのでしょう。

 

そのことは何度もアンソニーに説明したと思いますが、アンソニーはもう覚えていられなかったのだと思います。

 

パリへ行くというルーシーと、何度もパリへ行かないと言っていたアンを混同していたアンソニーにとっては寝耳に水だったでしょう。

 

アンには父親の望みを叶えてあげられなかったこと、これで良かったのだろうか、もっと早くに決断するべきだったかと…心残りと不安がたくさんあったのではないかな。

 

しかしルーシー・ポール・ローラを失って自分一人では限界、こうするのがアンソニーのためでもあると自分を納得させて、老人ホーム入所を決めたのだと思います。

 

老人ホームに入所したアンソニー

数カ月後…老人ホームに入ったアンソニーは、自分が老人ホームにいることを忘れていて自宅にいるつもりで、アンを呼んでいました。

 

数週間前からアンソニーの担当になった介護人/キャサリンのことも、毎日会っている男性/ビルのことも忘れ…全ての記憶があやふやになります。

 

ローラを拒絶したことも、アンのパリ行も、自分のことすら分からなくなり…パニックを起こして泣いて、ただママを求めていました。

 

何も分からなくなったアンソニーを介護人がなだめて、天気の良い日は散歩をして、お昼寝して…それがこれからのアンソニーの日常として続いていくのだと思います。

 

見知らぬ男と女の正体

アンソニーが知っている人間を度々見知らぬ女、見知らぬ男として同一の顔に見えていたのは、判別のつかない人間は全員その顔に見えていたからだと思います。

 

男女の区別はつくけど、細かい顔の判別はつかなくなっていたのでしょう。

 

だから娘は全てアンの顔で統一されてルーシーのこともアンだと思いこんでいたし、もっと興味のない人間の顔は同じように見知らぬ顔になっていたのだと思います。

 

なのでキャサリンやビルも、実際はあの顔ではないと個人的には思いました。

 

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後味の悪い映画がお好きな方に。

後味の悪い映画といえばこれというくらい、有名な映画だと思います。

ストーリー自体も面白いので、おすすめです。

 

 

 
ホラー映画とは違った恐怖がお好きな方に。

一応コメディ・ヒューマンドラマ系の映画なのですが、自分の認識と世界のズレに恐怖を感じる映画です。

 

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まとめ

 

イヤミス・考察好きで後味の悪いバッドエンドも大好きな人間ですが…今作はそんな私でも心に来る・残り続けるものがある、実にしんどい映画でしたね。

 

ただ映画としてはよくできていて魅力的でしたし、親子の人生・葛藤には考えさせられるものがあって良い映画だったと思います。

 

どちらかといえば親子の人生と葛藤を描いた映画がお好きな方、観終わった後にも心に残るものがあるような考えさせられる映画がお好きな方におすすめな映画でした。

 

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