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映画『スパイ・レジェンド』のネタバレ感想・考察 the november manの意味

スパイ・レジェンド(吹替版)

 

元CIAエージェントが渦巻く陰謀に巻き込まれる映画『スパイ・レジェンド』。

 

キャラクターとキャストがマッチしていて良かったですし、ストーリーの主軸はすごく魅力的だったと思うのですが…ちょっと要素過多に感じる映画でしたね。

 

なので今作はどちらかといえば要素の多い映画がお好きな方、メインキャラクターを重視する方におすすめな映画です!

 

 

映画『スパイ・レジェンド』の作品情報

 

あらすじ

ノベンバー・マンと呼ばれていた元CIAエージェント、ピーター・デヴェロー。

 

命のやり取りが日常的に行われる日々から離れ、静かな引退生活を満喫していたある日、ピーターの前に旧知の仲であり元同僚でもある男・ハンリーが現れました。

 

あいさつもそこそこに彼はCIAの人間が次々に消されていること、次期ロシア大統領が事件に関わっていること、ピーターの愛した女性・ナタリアも危険なことを告げます。

 

ナタリアの危機を知ったピーターは彼女を助けに向かうことにしたのですが…ナタリアはCIAエージェントの手によって、ピーターの目の前で命を落としてしまいました。

 

ナタリアの命を奪ったのはピーターの元教え子・メイソン。

 

ピーターはナタリアを失った悲しみに押しつぶされそうになりながらも、彼女が残した手がかりを手繰りながら渦巻く陰謀を追いかけることにしたのですが…。

 

予告動画


映画『スパイ・レジェンド』予告編

 

動画リンク 

スパイ・レジェンド(吹替版)

スパイ・レジェンド(吹替版)

  • ピアース・ブロスナン
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映画『スパイ・レジェンド』の感想

 

【面白ポイント】

  • 複数の要素・展開が詰め込まれている
  • キャラクター&キャストが良い

 

複数の要素・展開が詰め込まれてる

今作は元CIAエージェント 対 現役CIAエージェントというだけではなく、そこに陰謀・師弟関係・過去の出来事といった様々な要素と展開が詰め込まれています。

 

恋人を目の前で失った主人公。

師匠と教え子との戦い。

次期ロシア大統領のスキャンダル。

CIAに存在するスパイの存在。

大統領の過去に関わる人物を消して回るプロの存在。

 

今作は登場人物、それぞれのキャラクター同士の関係性、メインストーリーに絡んでくる要素・展開もかなり多かったです。

 

複数の要素・展開が盛り込まれていること自体は良いと思うのですが…個人的には少し要素過多に感じましたね

 

私が字幕版で観ていたせいもあるのかもしれませんが…。

 

1つ1つの要素は魅力的なのに、魅力的な要素がぎちぎちに詰め込まれていることによって、1つ1つをちゃんと味わいきれずに満腹になって胃もたれしてる感じがありました。

 

印象としては映画『アトミック・ブロンド』と少し似ていたかもしれませんね。

 

このたくさんの要素やキャラクターが一気に襲いかかってくると言うか、ギチギチに詰め込まれている感じがよく似ていました。

 

なので複数の要素が絡み合っている映画がお好きな方には良いのかもしれませんが、アクション映画に爽快感・分かりやすさを求めている方には不向きなのかもしれません。

 

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キャラクター&キャストが良い

今作はメインキャラ~サブキャラまでとてもが魅力的でしたし、キャラクターとキャラストがピッタリとマッチしていて良かったですね!

 

主人公は映画『RED レッド』を思わせるようなカッコ良さ・渋さがあるおじさまで、家族を大事にしている感じもあって好印象でしたし…。

 

モスクワ出身の美しき請負人・アレクサも良かったですね!

 

ハッキリとした目鼻立ちが際立つ横顔、ぴっちりとまとめられた三つ編みポニテ、タイトめなファッション…もう見た目がとにかくカッコいい!

 

そしてキリッとしたカッコ良さの中に、ちゃんと女性らしいしなやかさがある空気感もまた良くて、個人的ツボにズキュンッと刺さるキャラクターでしたね!

 

ただストーリーが進むにつれて存在感が薄くなっていくというか、忘れた頃にやってくる奴みたいになっていて…残念でした。

 

ラストなんて元CIAエージェントである主人公と戦うことすらなく、一般人であるアリスに負けちゃいましたから…何とも切ない退場でしたね。

 

また彼女の他にも、ワインスティンとかCIAの女性エージェントとか、良いキャラだったのに中途半端なまま終わってしまったキャラクターが結構多かったです。

 

キャストとキャラクターがとてもよくマッチしていて好きだった分、この中途半端なキャラクターが多い感じは残念だったなと思います。

 

なのでメインキャラクターを重視する方にはおすすめな映画なのですが…。

 

全員がまんべんなく好きという方、サイドにいるモブキャラに惹かれることが多い方にとっては少し残念な結果になる映画かもしれませんね。 

 

 

映画『スパイ・レジェンド』の考察

 

【考察ポイント】

  • ナタリアを事前に始末しなかった理由
  • ハンリーがピーターを呼んだ理由
  • ハンリーのエンディング後は…
  • ラストでメイソンが味方になる理由
  • 原題『the november man』の意味

 

ナタリアを事前に始末しなかった理由

そもそもナタリアが潜入していることをハンリーたちは知らなかったため、事前に始末することができなかったのだと思います。

 

おそらくナタリアがフェデロフのところに潜入していたのはハンリーの指示によるものではなく、本部のワインスティンの指示によるもの。

 

ハンリーが「ナタリアの危機を知らせてきた男」とワインスティンのことを言っていたことを思うと、ハンリーはナタリアの潜入を知らされていなかったのでしょう。

 

ナタリアの任務が終了間近というところで「ナタリアを回収するように」ワインスティンから命令されて、はじめて潜入任務のことを知ったのだと思います。

 

おそらく大統領になるかもしれない男の調査ということで、ナタリアの潜入任務は極少数の人間にしか語られていなかったのでしょう。

 

なので潜入を事前に防ぐ・秘密が見つかる前にナタリアを消すといったことは、ハンリーにもフェデロフにもできなかったのだと思います。

 

ハンリーがピーターを呼んだ理由

ナタリアの潜入を知ったハンリーが自分に疑いの目を向けられないようにしながらも、フェデロフの弱みを握るためにピーターを呼んだのだと思います。

 

ナタリアの潜入によって掘り返されたくない過去を知られてしまったフェデロフ。

 

ハンリーはそんなフェデロフのピンチをチャンスに変える計画を思い立ちます。

 

フェデロフの弱みはバッチリ握りつつ、邪魔者を排除することでフェデロフに恩を売ろうという計画ですね。

 

ナタリアの潜入を知ったハンリーは、まずフェデロフにスパイがいることを報告。

 

そのあと…

適当なゴシップ写真をオフィスに隠しておくこと。

そのゴシップを隠すシーンをそれとなくナタリアに見せること。

隠し場所が触られた形跡を発見したらすぐにFSBを動かすこと。

 

この3点の指示を出していたのだと思います。

 

こうすることで外部に潜入の意図や内部情報を知られたくないCIA本部が、ナタリアが捕まる前に始末するようにと指示を出してくることは明白。

 

あとはナタリアが消される前に、ピーターにフェデロフの弱みを聞き出させることで、ハンリーだけがフェデロフの弱みを握ることができるという寸法です。

 

これでCIAの人間がナタリア・ピーターを始末してくれて、自分が疑われることもなく、フェデロフの弱みを握ることができます。

 

あとはフェデロフの弱みとなる人間・アリスを排除して、フェデロフを大統領にさせつつ弱みと恩を駆使してフェデロフを操る…という算段だったのでしょう。

 

しかしこの計画はメイソンがピーターを見逃してしまったことで狂ってしまい、ハンリー・フェデロフ共に追い込まれる形になってしまいました。

 

ピーターさえ呼ばなければここまでこじれることはなかったでしょうに、自分だけ甘い蜜をすすろうとするからこういうことになるんでしょうね。

 

ハンリーのエンディング後は…

世間にフェデロフ・ハンリーの悪事を公表するために、証人として生かされていると思います。

 

少なくともピーターは命を奪っていません

 

ピーターはフェデロフに「その男の悪事を世間に公表する」と言い、ハンリーには「これが私の流儀でね」と言っていたので…。

 

おそらく悪者を消して終わるのではなく、世間に公表してしっかりと裁かれるべきだというのがピーターの考えなのでしょうね。

 

なのでピーターがハンリーの命を奪うことはないと思います。

 

しかしラストでフェデロフが何者かに命を奪われていたことを思うと、組織の手の者によって消されてしまう・消されている可能性はあるかもしれませんね。

 

ラストでメイソンが味方になる理由

メイソンが大人になったから、そしてピーターにCIAに対する復讐の意思がなかったこと、悪事を暴こうとしていることを知ったためじゃないかなと思います。

 

メイソンとピーターの確執

落第にされたことで2人の間に確執は確かにあったのかもしれませんが、それも大人になったことで自分の中でちゃんと納得できたのではないかなと思います。

 

メイソンはピーターが自分を落第にしたことを根に持っているような感じもありましたが、任務中にぼんやりしたり命令違反したり、彼自身にも問題があったようですし。

 

そのことはメイソン自身も自覚があって、大人になった今となっては理解して受け入れていたのではないかなと思います。

 

ピーターのCIAに対する復讐心の有無

ピーターにCIAに対する復讐心はありません

 

最初こそナタリアを奪われたことで憎悪に駆り立てられ、CIAの人間を手にかけていたピーターですが、それ以降は命は奪わないようにしていました。

 

おそらくメイソンがピーターの行動に共感していたように、ピーターも元CIAの人間としてエージェントが悪いわけではないと受け入れたのかもしれませんね…。

 

メイソンたちがピーターを追っている時にも、ピーターはCIAの人間を退けるように動くばかりで命を取ろうとはしませんでしたし。

 

攻撃する必要性があるときには気絶程度で抑えるようにしていました。

 

ノベンバー・マンと呼ばれたピーターが本気を出せば命を奪える場面は何度もあったのに、あえてしなかったことでピーターに復讐心がないことが伝わったのだと思います。

 

ピーターの行動理由

ピーターはナタリアが命を落とすに至った事件を明るみにすること、彼女の仕事を無駄にしないことが目的だったのだと思います。

 

だからこそメイソンの隣人・サラを襲った時にも、いつでも命を奪える状態にありながら足を切りつけるだけでその場を去っていたのでしょう。

 

おそらくあれは口で言っても聞かないメイソンを足止めするため、ハンリーに話を聞くだけの時間を稼ぐために行ったことだと思うので。

 

そしてやっと突き止めたフェデロフの悪事が語られている動画をメイソンが見て、ハンリーが本性を現したことで、メイソンはどちらが悪なのかを理解したのだと思います。

 

だからこそ、ラストではメイソンはピーターの味方として動いていたのだと個人的には思いました。

 

正確には味方ではなく、悪事を突き止めるために協力していただけという方が正しいかもしれませんがね。

 

原題『the november man』の意味

ピーターのコードネームにもなっているノベンバー・マンには、命を落とすことを連想させる男という意味が込められていたのだと思います。

 

英和辞書で調べてみると『November(11月)』は、寒気・陰鬱・命を落とすことを連想させる不吉な月らしいです。

 

なのでそんな不吉な月の名前をコードネームに入れることで、『出会ったらおしまいの男』という恐怖の意味が込められていたのではないかなと思います。

 

しかしそれも現役時代の話。

 

すでに引退しているピーターはもうノベンバー・マンではないので、むやみやたらに人の命を奪うようなことはしません。

 

でもピーターが命を奪わなくても、どこかにいる新たなノベンバー・マン(請負人)がピーターの生かした命を奪っていく…

 

そんなラストの展開込みで、このタイトルが付けられていたのかなと個人的には思います。

 

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今作がお好きな方に!
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まとめ

 

キャラクター・キャスト・ストーリーの主軸自体はとても良くて、個人的に好きな感じのする映画だったのですが…。

 

要素過多でしっちゃかめっちゃかになっている感じ、中途半端なまま終わっているキャラがいることが個人的には残念だったかなと思います。

 

ただ複数の要素が入っている映画がお好きな方、メインキャラを重視する方にはおすすめな映画です!