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映画『約束のネバーランド』のネタバレ感想・考察 ラストでエマが口パクで言った言葉

約束のネバーランド

 

真実を知った子どもたちが、外の世界への脱出を目指す映画『約束のネバーランド』。

 

原作を知っているのでずっと敬遠してきた映画だったのですが…想像していたよりも映画ならではの魅力が感じられるようになっていて、思っていたよりも良かったです。

 

どちらかといえば原作を知らなくても見やすい実写化映画をお求めの方、原作に近いストーリーの実写化映画をお探しの方におすすめ!

 

 

映画『約束のネバーランド』の作品情報

 

あらすじ

多くの子供が仲良く暮らす孤児院/グレイス=フィールドハウス。

 

天真爛漫な少女/エマ、嫌味っぽい少年/レイ、穏やかで優しい少年/ノーマンの3人は大の仲良しで、一生懸命に勉強して全力で遊んで毎日楽しく暮らしていました。

 

しかしハウスを旅立つ少女/コニーの忘れ物を届けに、ハウスのルールを破って門までやってきたある日…エマとノーマンは恐ろしいものを目撃します。

 

ハウスの子どもたちの面倒を見てくれる優しいママ/イザベラが、人間を「美味そう」という化け物/鬼に、動かなくなったコニーを『出荷』している姿。

 

なんとかその場から逃げ出すことができたエマはハウスが孤児院ではなく、鬼が食べるために人間を育てている高級農園であることを知りました。

 

もう誰にもコニーのようになってほしくないと涙したエマは、子どもたち全員でハウスから脱出することを目指してレイ・ノーマンと共に計画を立てます。

 

唯一の希望はハウスの図書室にある本を経由して、子どもたちにメッセージを送っている外の世界の人間/ミネルヴァの存在だけ。

 

対して誰かが秘密を知ってしまったことに気付いたママは、子供の耳に発信機が仕込まれていることを暗示し、新しい監視役としてシスター/クローネを手配しました。

 

ママは焦ることなく静かに事態を収束させるつもりだったのですが、クローネはどうやらイザベラの失脚を目論んでいるようで…。

 

予告動画


www.youtube.com

 

動画リンク

 

映画『約束のネバーランド』の感想

 

【面白ポイント】

  • キャストが良い
  • 原作に近いストーリー
  • ラストはハッピーエンド

 

キャストが良い

原作を知っているからこそ、実写化でどうなってしまうのか不安がかなりあったのですが…思っていたよりもキャストが適役ばかりで、良かったかなと思います。

 

エマ役の浜辺美波さんは映画『君の膵臓をたべたい』と似た天真爛漫なキャラを演じつつも、もっと真っ直ぐなピュアさ・純粋さみたいなものが出ていて良かったですし…。

 

泣き顔や苦悶の表情がくしゃっとなる感じも、綺麗事だけじゃない世界観とマッチしていて良かったかなと思います。

 

ノーマン役の板垣李光人さんの舞台っぽいスムーズな発声は聞き取りやすくてありがたいし、ノーマンっぽい中性的な感じが原作のイメージに合っていて良かったですね。

 

敵側だと個人的にはシスター/クローネ役の渡辺直美さんが好きでした。

 

演技している感が逆に悪役っぽさが出ていて良かったし、だからこそ逆に自然に見えてくる節もあってすごい良かったです。

 

原作以上に笑いに振り切っていることで、声・映像の両面から楽しめるようなインパクトもあったし…観ていて面白かったですね。

 

全体的に結構原作のイメージに近いキャスト陣で、良かったかなと思います。

 

なので実写化映画のキャスト陣に不安を持ちがちな方、原作を知っているからこそ実写化に不安しかないという方にも結構おすすめな映画でした。

 

ただ個人的に主要キャスト3人の年齢差は少し気になりましたね。

 

ノーマン・エマに対してレイが幼く感じるので…同い年という原作通りの設定にしたのであれば、主要キャストの年齢バランスは合わせてほしかったなとは思います。

 

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原作に近いストーリー

原作を読んでいたのが結構前なので、細かい部分に関してはなんとも言えませんが…かなり原作に近いストーリーになっていたのではないかなと思います。

 

少なくともストーリーの大筋は、原作通りでしたね。

 

大きな違いは映画版だと主要キャラ3人の年齢が違うことと、細かいシーンや途中経過のカット、ラストのママとの会話が違うことくらいだったかなと思います。

 

映画公開が発表された時に真っ先に気になったのが『年齢設定が変わる』ことだったのですが…その点は意外と大丈夫でしたね。

 

年齢設定が変わっているからと言って、ストーリーが大幅に改変されるわけではなかったので、個人的には許容範囲内だったかなと思います。

 

細かいシーンや途中経過がカットされているのは…マンガ数巻分の話を映画1本分にまとめるためには致し方ないことですし、そこまで気になることはありませんでした。

 

原作よりもハイテンポで心理戦感が薄れているのは少し寂しいですが…その分、細かいことを気にせずに理解しやすいストーリーになっていたかなと思います。

 

ラストでママとエマの会話が大幅に増えている変更に関しても、映画ならではの改変・オリジナル展開で良かったのではないかな。

 

原作を知っている方でも嫌悪感を抱くほどの改悪というわけではないし、原作を知らない方だと盛り上がりを感じやすく感動しやすい展開で良かったと思います。

 

なので原作を知っている方から知らない方にまでおすすめしやすい、原作に近いストーリーでしたね。

 

ラストはハッピーエンド

ハウスからの脱出が成功して幸せだけを感じさせるラストにしたのは、誰でもとっつきやすい感じになっていて良かったかなと思います。

 

正直、原作を知っているとこれでハッピーエンドとはならないことを知っているし、ここからが面白くなるのにと思う節はありますが…。

 

映画の中でまとめるとなると、ここで区切るのは原作を知らない人にハッピーエンドを感じさせつつ、続きに興味を持ってもらう終わり方で良かったのかなと思います。

 

終わり方の印象としては映画『テラフォーマーズ』に似ていました。

 

良い意味でも悪い意味でも、第一部だけの映画内容で今後を感じさせつつもハッピーエンドにまとめた感じの終わり方がよく似ていたかなと思います。

 

ただ…何となく物足りなさはありますね。

 

不満があるわけではないのですが、物足りないというか…久しぶりに原作が読みたくなる映画だったかなと思います。

 

なのでどちらかといえばハッピーエンドで終わる映画がお好きな方、原作を読む前の予習感覚で楽しめる実写化映画をお求めの方におすすめな映画でした。

 

 

映画『約束のネバーランド』の考察

 

【考察ポイント】

  • エマとレイの発信機
  • ラストでエマが口パクで言った言葉
  • シスター・クローネが残したペン

 

エマとレイの発信機

他の子供たちの発信機は機械を使って取り出さずに無効化したのに、エマとレイだけが発信機を物理的に取り出していたのはママを欺いて時間を稼ぐためだったと思います。

 

全員で逃げるにあたって大きな障害となるママには、邪魔できないようにできるだけハウスに長くとどまってもらう必要性がありました。

 

そのためにレイがガソリンを被ってハウスに火を放ったように見せかけ、エマが「レイが火の中にいる」とママに助けを求めることで時間を稼ごうとしていたのですが…。

 

この時に発信機がついていないと、発信機で子どもの居場所を把握しているママに不審がられてしまうので、この時点では発信機を生かしておく必要性がありました。

 

なのでレイの発信機は無効化するのではなく物理的に取り出し、火の中に放つことでママの目をごまかしていたのだと思います。

 

エマに関してはママに助けを求める時点ではまだ耳に発信機が入っていて、あの場から逃げ出した直後に物理的に発信機を取り出していたのでしょう。

 

エマの場合は髪の長さ的に事前に取り出してしまうと耳につけた絆創膏が目立ってしまうので、取り出したのはハウスを飛び出した直後だと思います。

 

おそらく発信機を無効化する機械は他の子供達の方に持たせ、家を飛び出した直後に発信機を無効化するように指示していて…エマの手元にはなかったのでしょう。

 

そこに合流してから発信機を無効化すると、ママに逃げる方向がバレてしまうから…合流する前に無効化したくて、物理的に取り出すしかなかったのではないかな。

 

つまりエマとレイだけが発信機を物理的に取り出していたのは、逃げ出す時間を稼ぐ罠を張るためには発信機を無効化するわけにはいかなかったからだと思います。

 

ラストでエマが口パクで言った言葉

ラストで子供に「エマ、何が見える」と聞かれた時、エマが口パクで言っていた言葉は「希望」だったのではないかなと思います。

 

ハウス出身で大切な友達がいた、この世界の現実を知ってしまった、塀の上に登ったなど…ママとエマには多くの共通点がありました。

 

そんなママはエマと同じ年齢の時、大切な友人・レスリーを失ってハウスを飛び出したのですが…彼女は塀に登ったところで外の世界に『絶望』し、逃げるのを断念。

 

それに対してエマは大切な友人・ノーマンを失い、外の世界を見てもなお絶望することなく…『希望』を失わずに外の世界に出続けようとしていました。

 

よく似ているのに対象的な言動をするエマとママだからこそ、外の世界を見た時の印象も対象的だったのではないかな。

 

それにママはレスリーを失って1人になりましたが、エマには大切な人がたくさんいましたからね。

 

同じ世界を見ても1人じゃないからこそ、絶対に希望を失わないエマはラストで「希望(が見える)」と言っていたのではないかなと思います。

 

シスター・クローネが残したペン

フクロウの紋章が出てくるペンはミネルヴァからの贈り物で、ママ/イザベラへの最後の抵抗・嫌がらせとしてシスター/クローネがノーマンに残していた物だと思います。

 

おそらくですがあのペンはクローネがシスターになる前、この世界の実態を知るきっかけになった物だったのではないかな。

 

子供が鬼側の存在になる条件はおそらく子供時代に高いスコアを残していること、世界の実態に気付いた人であることなのだと思います。

 

だからこそエマも「ママに推薦する」と言われていたのでしょう。

 

つまりクローネも子供時代に、世界の実態に気付いた瞬間があったのだと思います。

 

そのきっかけになったのがあのペンで…開いた時に動き出したフクロウのあとを追って塀を登り、世界の実態に気付いたのではないかな。

 

そしてそれ以来、お守り代わりにあのペンをずっと持ち続けていたのだと思います。

 

ただママから異動を言い渡された時、排除されると確信したクローネは彼女の思い通りになるのが不愉快だから…嫌がらせとしてノーマンにペンを残したのでしょう。

 

自分の子供時代とは違った行動を取る子どもたちを、応援したいという気持ちも少しはああるかもしれませんが…。

 

基本的には完璧・最高なママ/イザベラへの嫌がらせのために、クローネはミネルヴァのペンをノーマンの机に残していたのだと思います。

 

ミネルヴァのペンの意味

ちなみに原作だとペンを開いた時に出てくるフクロウマークの上にあるアルファベットと数字が、地図上のとある場所を示しているという設定でした。

 

そしてそれを頼りに外の世界で助けてくれるかも知れない人・場所を求めて、エマたちは行動を始めるというストーリー展開だったと思います。確か。

 

ただ映画ではアルファベットと記号についての説明がなかったので…おそらくは動き出したバーチャルフクロウがその地点まで案内してくれるシステムだったのでしょう。

 

つまりミネルヴァのペンは外の世界での安全ポイント、もしくはミネルヴァへと繋がる場所まで導くバーチャルフクロウが出現するアイテムだったのだと思います。

 

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好みは分かれるかもしれませんが…何回か観ると魅力が分かるかも(実体験)

 

 

 
今作と終わり方が似ている映画。
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より深くストーリーを知りたい・楽しみたい方、続きが気になる方におすすめ。

 

 

 
映像で楽しみたい方はアニメ版を。
細かい表情・ワンシーンとか、映像的なインパクトがあって良かったです。

 

正しくなれない

正しくなれない

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今作の主題歌。
切り絵の紙芝居みたいな怪しく・キレイなエンディング、良かったですよね。

 

まとめ

 

かなり期待値が低い状態で観たのですが…思っていたよりも映画ならではの面白さがありつつ、原作に近いストーリー展開になっていて良かったです!

ただ期待値が高い状態で観るとガッカリしてしまう可能性はありそうなので…過度な期待は禁物かな。

 

どちらかといえば原作を知らなくても楽しめる実写化映画をお探しの方、原作にできるだけ近いストーリーの実写化映画をお探しの方におすすめな映画でした!