人間と共生する地球外生命体を描いた映画『ヴェノム』。
最初は主人公のキャラクターに不安がありましたが…ヴェノムとエディの掛け合いがすごく笑えて、スパイダーマンを知らなくても楽しめる映画で面白かったです。
どちらかといえば笑える最強コンビがお好きな方、子供から大人まで楽しめる映画がお好きな方におすすめ!
映画『ヴェノム』の作品情報
あらすじ
ライフ財団の宇宙船が4体の『サンプル』を地球に持ち帰ろうとした際、事故が発生し船は墜落…1体のサンプルが逃げ出す事件が密かに発生していました。
一方、弁護士の恋人/アン・ウェイングと同棲中のジャーナリスト/エディ・ブロック。
彼のもとにライフ財団のトップ/カールトン・ドレイクへの、ロケットに関する独占取材という仕事が舞い込みます。
ドレイクに良い印象を持っていないエディは拒否しますが、局の命令に逆らうことはできず…取材を受け入れることにしました。
しかし弁護士としてライフ財団の訴訟に関わっていた恋人のメールを勝手に見たエディは、ライフ財団に関する仄暗い闇を目の当たりに。
ジャーナリストとしてその事実を放っておけなかったエディは、取材中に彼本人にその事実を突き付け…職と恋人を失うことになりました。
6ヶ月後、ライフ財団では『サンプル』の生物が酸素が多い環境では生きることができず、適合する生物に寄生・共生することでしか生きられないことが判明。
『サンプル』の生物に人間が宇宙で生きられる可能性を見たドレイクは、女性研究者/ドーラ・スカースに人体実験に移行しろと指示をします。
すっかり落ちぶれたエディにはそんな大事件と一切関係な生活をしていたのですが、人体実験に反対するドーラが秘密裏にジャーナリストだったエディに接触し…。
予告動画
動画リンク
映画『ヴェノム』の感想
【面白ポイント】
- 主人公がなかなかに最低
- 笑える最強コンビ
- スパイダーマン関係なしに面白い
主人公/エディがなかなかに最低
ジャーナリストとしての正義感のために、恋人のPCを勝手に見るは彼女の職を奪うはで…最初はかなり最低な主人公に感じましたね。
自分の職・地位・住まいを失うのは自分の行動のせいだからしょうがないと諦めがつくけど、恋人は完全に巻き込まれただけだからすごく不憫でした。
そしてやっとエディのことを忘れて新しい恋人と過ごしていた頃、エディに自分の周囲をうろつかれて…もう恐怖でしかないですよね。
最初は本当にエディが最低で…この映画大丈夫かなと思いました。
でも見続けていくと、元恋人/アンもエディを完全に拒絶しているわけではないというか、心配したり受け入れ始めたりしているし…。
何よりエディに寄生していたシンビオートが目の前にいる状態で、恋人にエディとの関係を弁明していた姿を見て…似たりよったり同士なのかなとちょっと思いました。
なのでエディ単体で見るとなかなかに最低な男だなと思ったけど、元恋人に被害者感があまりないせいか、映画中盤からはそんなに最低に感じなくなっていましたね。
最初はエディに嫌悪感すらありましたが、最終的にはそんな嫌いなキャラじゃなくなったので…最初で「うっ…」と思った方にもぜひ最後まで観てみていただきたいです。
笑える最強コンビ
ヴェノムとエディの掛け合いは真面目なような不真面目なような、喧嘩しているけど仲良しな感じがあってすごく好きだったし面白かったです。
ヴェノム側が寄生・乗っ取ろうとしている状態なんだけど、妙な仲良しさがあるし…共生しているからこその一心同体感が良かったですね。
あとエディがヴェノムのことを不気味だと思いながらも、どこか受け入れているというか…1人の人間として認めて話しているのがすごく印象的で好きでした。
お互いに助け合ったり、時には意見が別れて体を奪い合ったり…そんななんてことない掛け合いが笑えるし微笑ましくて、個人的には好きでしたね。
印象としては映画『メン・イン・ブラック2』の二首エイリアンのスクラッドに似ていました。
仲良し兄弟みたいな一心同体だからこそのケンカと助け合いとか、そういったちょっとおバカな掛け合いの雰囲気がよく似ていたかなと思います。
なのでメン・イン・ブラック系の笑いのテイストがお好きな方だと、今作も気にいるのではないかな。
カッコ悪いけどカッコよくて、正義と言えるほどハッキリした存在じゃないけど…でも憎めない愛されコンビって感じが良かったです。
スパイダーマン関係なしに面白い
ヴェノム初登場の映画シリーズ『スパイダーマン』は1しか知らないので、スパイダーマンとヴェノムの関係は全然知らないのですが…それでも今作は面白かったです。
ヴェノムのアクションはマンガ『ONE PIECE』のゴムゴムの実みたいで良い動きだったし、人間を振り回す軽快さ・豪快さが個人的には好きでした。
ヴェノムのキャラも良かったですね。
ヒーローではないし、人間を食べる元侵略者だけど…でもエディっていう人間と地球を気に入って、格上相手にも1歩も引かずに戦う姿がめちゃくちゃカッコ良かったです。
個人的に好きな映画『クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦』のぶりぶりざえもんみたいですごく良かったですね。
誰かのためにって闘っていてカッコよくて、面白くて可愛くて…なんか憎めない愛されキャラ感がすごく似ていたし良かったです。
ストーリー・キャラ・設定も良かったし、笑いのテイストも好きな雰囲気で個人的にはすごく好きな映画でした。
ドレイクの言動はちょっとアレかもしれないけど…割と大人から子供まで楽しめる映画だったのではないかなと思います。
映画『ヴェノム』の考察
【考察ポイント】
- 4体のシンビオートの行方
- ラストでヴェノムはなぜ生きてた?
- ラストの刑務所にいた囚人は誰?
- ヴェノムが味方になった理由
- シンビオートの正体
4体のシンビオートの行方
地球にやってきたシンビオートは全4体ですが、ヴェノム以外のシンビオートは全員亡くなっていると思います。
1体はホームレスの女性/マリア→エディと経由して寄生したヴェノム。
ヴェノムはラストで爆炎に巻き込まれながらも何とか生きていて、変わらずエディと共生しているので生き残っています。
2体目は宇宙船のクルー/ジェイムソン→救急隊員の女性→老婆→少女→ドレイクと移動し続けたシンビオートのリーダー/ライオット。
ラストで爆炎に巻き込まれて逃げ場を失っていたようなので、ドレイクと2人揃って亡くなっているのではないかなと思います。
3体目は研究者の女性/ドーラ・スカースに寄生後、そのまま放置されたために命を落としたシンビオート。
4体目はエディがライフ財団に潜入した時、実験室のような場所でカピカピになっていたものがいたので、それがシンビオートだったのだと思います。
こちらもおそらくは実験後、次のやどり先が見つかるまでに放置されて時間が経過しすぎたために息絶えてしまったのではないかな。
なので今回のロケットでサンプルとしてやってきた4体のシンビオートに関しては、ヴェノム以外はすでに全員亡くなっていると思います。
ラストでヴェノムはなぜ生きてた?
ラストの爆炎に巻き込まれながらもヴェノムが生きていたのは、エディを守ろうとしたことで全焼を防げていたからじゃないかなと思います。
そもそも「さらばだ エディ」と言っていたことを思うと、ヴェノムはロケットの爆炎が広がった時にすでに命を諦めていたのでしょう。
でもエディを守ろと上空に盾を作り出したことで、盾は燃えたもののエディの体にあったヴェノムの核のような物までは燃える前に海に落ちたから助かったのではないかな。
シンビオートのライオットが肉体の一部を槍状にして飛ばして攻撃していたり体が炎で溶けても無事だったことを思うと、自分の体は多少減っても再生するのでしょう。
だからエディの体にあった1部が燃え残った、燃えずに海に落ちれたことでヴェノムは生き残れたのではないかな。
でもそこでヴェノムが生きててもエディが亡くなっていたらヴェノムは寄生先を失っていて…結局は助からなかったでしょう。
つまりあの時、エディを見捨てて逃げ出そうとせず、エディを守ろうと盾をつくったからこそヴェノムは生き残れたのではないかなと思います。
ラストの刑務所にいた囚人は誰?
ラストで刑務所にいた囚人は、次回作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』に繋がるキャラです。
元シリアルキラーの囚人で、名前はクレタス・キャサディ。
エディのことを気に入っていて自分の犯罪・未発見遺体についての独占取材を受ける代わりに、ある取引を提案していました。
しかしエディがキャサディに会いに行った際、キャサディが噛み付いてきたためにヴェノムの一部がキャサディの中に。
そしてヴェノムから生まれた強力な赤いシンビオート『カーネイジ』が生まれ、共生したキャサディは刑務所から脱獄…カーネイジが始まります。
彼についての詳細はぜひ続編の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』をチェックしてみてください。
ヴェノムが味方になった理由
最初はシンビオートの計画のためにロケットを奪おうとしていたヴェノムが味方になったのは、エディと地球を気に入ったからではないかなと思います。
シンビオートにとって人間は乗り物であり食料。
しかし共生したことでエディの記憶を覗いた時、同じ負け犬人生のエディに共感し…人間にも感情・人生があることに気付いたのではないかな。
人間にも文明・知能があることは知っていたけど、実際に記憶に触れて自分の目で見たことで…改めて気付いたというか、関心を持って気に入ったのだと思います。
なんというか今まで地球のことを食料所・家畜小屋のように思っていたけど、初めて地球が自分たちがいた場所とそんなに変わらないと感じたのでしょう。
そしてここにエディと一緒にいれば自分は負け犬にはならない、自分たちが最強になれると考えたからこそ、邪魔になるライオットを止めようとしたのではないかな。
打算と言えば打算だけど…でもエディに共感したからこそ、地球という場所を気に入ったからこその行動だったのではないかなと思います。
もっといえばエディがヴェノムのことを受け入れてくれたから、文句を言い合いながらも相棒になったからこそ味方になったのではないかな。
シンビオートの正体
地球人が住める惑星をライフ財団の探査宇宙船が調査をしている際、発見した彗星から見つかった地球外生命体たちがシンビオートでした。
酸素の多い環境では宿主と共生しないと生きられないが、宿主側にも拒絶反応があるために適合者としか共生できないようです。
自分の体を触手のようにしたり弾丸のようにしたり武器・盾と自由自在に形をかえて攻撃、宿主がケガや病気になっても治癒させることが可能なようです。
弱点は4000〜6000ヘルツの音と火。
シンビオートは地球人のことを狙っていて、あえて捕まったようです。
先遣隊であるライオットたちが先に地球にやってきて、その後、地球からロケットを飛ばして他のシンビオートを大勢地球に引き連れてくる計画でした。
おそらくだけどシンビオートはずっとこうやって生きてきた生命体なのではないかなと思います。
単独では生きられないから基本は宇宙空間を漂い、宇宙船が近づいてきたらその船を乗っ取って、まずは先遣隊がそいつらの星まで行って実態調査。
問題なさそうなら他の仲間を呼んで、全員で星中の生き物を乗り物にしつつ食い尽くす…食べ終わったらまた宇宙に飛び出すというのが、いつもの手なのでしょう。
おそらくどこかの星で共生しつつ暮らしていたのだけど、大繁殖し過ぎたために1つの星では収まらなくなり…宇宙に飛び出した生命体だったのではないかな。
つまりシンビオートの計画は地球が初めてのことではなく、何度も同じことを繰り返している生命体なのではないかなと思いました。
映画『ヴェノム』の関連作品
今作の笑いのテイストがお好きな方におすすめです。
悪魔の実という斬新な攻撃・能力が面白くて大好きです。
ぶりぶりざえもんがお好きな方にはイチオシな映画です。
ラストの囚人は誰?と思った方は、ぜひ続編をチェックしてみてください。
まとめ
正直なところヒーロー作品やマーベル作品はほとんど観たことがないので、楽しめるかなと不安でしたが…想像以上に面白くてびっくりしました。
スパイダーマンをほとんど知らなくても楽しめる内容でしたし、笑いのテイストやキャラも親しみやすくて良かったです。
どちらかといえば笑える最強コンビがお好きな方、子供から大人まで楽しめる映画がお好きな方におすすめな映画でした!