ヴェノムシリーズの続編映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』。
前作のヴェノムとエディの笑えるコンビ感・面白さはそのままに、敵にも感情移入できる部分が増えていて…前作とは違った魅力も感じられる映画だったかなと思います。
どちらかといえば敵・悪役にも感情移入できる要素がある映画がお好きな方、前作の『ヴェノム』が好きだったという方におすすめ!
- 映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の作品情報
- 映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の感想
- 映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の考察
- 映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の関連作品
- まとめ
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の作品情報
あらすじ
1996年、刑務所のような聖エステス矯正施設で愛し合っていたクレタス・キャサディとフランシス・バリソン(シュリーク)。
しかしシュリークには『音波攻撃』という特殊能力があったため、特殊な人間が集まる施設/レイヴンクロフトへと移送されることになり…2人は引き裂かれてしまいます。
シュリークは移送担当のサンフランシスコ市警の警察官/マリガンに音波攻撃を仕掛けて脱走をはかるものの反撃に合い、あえなく窮屈な隔離生活が始まってしまいました。
そして時は流れて現在、ヴェノムと共生しているジャーナリスト/エディ・ブロックのもとに囚人/キャサディ本人からの取材依頼が舞い込みます。
エディのことを気に入っているというキャサディは、自分の『メッセージ』を記事にしてくれたら過去の犯罪・未発見遺体についての独占取材を受けると申し出ました。
その取引を受け入れたエディでしたが…ヴェノムの高い能力によって独占取材を受けずとも、未発見遺体の場所を特定。
警察もFBIも出し抜いたスクープに世間は大注目、さらに遺体が発見されたことで保留にされていたキャサディの処刑も決行されることになりました。
これでジャーナリストとして返り咲けると人生が上向きになるのを感じたのも束の間、エディの元恋人/アンから交際中の医者/ダンと結婚すると告げられます。
まだ愛しているアンの結婚話にショックを受け、自暴自棄になるエディ…そんな彼に寄り添いつつ慰めるヴェノム。
しかしショックを受けている暇もなく、キャサディから己の悲しい過去と犯罪の人生についてと処刑に立ち会ってほしい旨が書かれた手紙が届きます。
処刑に責任を感じているエディは、処刑前に彼に会いに行くことにしたのですが…。
予告動画
動画リンク
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の感想
【面白ポイント】
- 変わらず笑えるコンビ
- 敵にも感情移入できる
- スパイダーマンにも興味がわく
変わらず笑えるコンビ
前作で大好きだったエディ・ヴェノムの笑える仲良しコンビは今作でも健在で、変わらず笑えるし微笑ましいしで面白かったですね。
ヴェノムが人間食べちゃダメと制限を掛けられているストレスと、人間生活が長くなった影響で前作よりも人間らしくなっていたのも面白かったです。
生活にめちゃくちゃ馴染んでいるし、時にエディをサポートして励まして寄り添うヴェノムが可愛いし面白いし…前作以上に良いキャラになっていましたね。
エディとの関係性もただの相棒というよりも、親友・親子・夫婦とかより関係性を深めている感じがあって実に良かったです。
なんというか前作では運命の出会いでピタッと合致していたけど、今作ではすり合わせてさらに仲を深めていく関係性って感じがして…。
致し方ない一心同体の相棒から、普通の親友になった感がすごく良かったです。
不器用でぶっきらぼうだけど友達想いでおせっかいで世話焼きなヴェノムと、そんなヴェノムに助けてもらいながらたまには1人になりたいと思うエディ。
どっちの気持ちにも理解・共感できるものがあって、また一段と良いコンビになったのを感じましたね。
敵にも感情移入できる
前作以上に敵であるカーネイジやキャサディに感情移入できるというか、共感できる部分があったのも良かったですね。
生まれたときのこと・親のこと・その後の人生のこととか…敵側にも悪に行くまでに至るストーリー・設定がちゃんとあったのが個人的にはすごく好きでした。
前作のライオットにも、今考えてみればあの行いに至る理由というか…責任とか仲間のためという想いがあったのだろうなと感情移入・共感できるものはありますけどね。
今作ではその悪行に至るストーリーが分かりやすく語られていたおかげで、視聴中から感情移入できたのが良かったなと思います。
印象としては映画『ジョーカー』に似ていましたね。
悪にも悪なりにそこに至るまでの理由がある、悪だから本人だけが全部が全部悪いわけじゃないというか…感情移入できる感じがよく似ていました。
個人的には心に来るものがあるというか、すごく共感できる敵キャラで好きでしたね。
スパイダーマンにも興味がわく
前作も今作も基本的にはスパイダーマンシリーズを知らなくても楽しめるのですが、エンドロール後を観るとスパイダーマンシリーズに興味はわきましたね。
エンドロール後にスパイダーマンが登場するし、急に世界が歪んで場所が変わっていたのはどうやらスパイダーマンシリーズと関係があるようですし…。
ヴェノムがスパイダーマンを見て「あの男だ」と言っていたことも、どういう関係性なんだろうと気になるし…色々と興味がわいてきましたね。
ただエンドロール後の展開に関してはマーベル系のMUCスパイダーマンシリーズと関係があって、ヴェノムとの関係は初期のスパイダーマンシリーズと関係があるらしく…。
全てを把握しようと思うと他マーベル作品も観ておいた方が良いっぽいので、なかなか簡単に手を出せるものではなさそうです。
直接的に今作と絡んでくるのは『スパイダーマン™3 』と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』らしいですが…前後もやはりちゃんと知っておきたいですからね。
ムリのない範囲内で…マイペースに、スパイダーマンシリーズをチェックしてみようかなと思います。
ただヴェノムの第3作目がすでに制作決定しているということなので、そちらでエンドロール後の事に関する情報の補填があるのではないかなとも期待はしていますけどね。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の考察
【考察ポイント】
- ヴェノムがカーネイジに勝てた理由
- ヴェノムが泣いていた理由
- ラストのマリガン刑事
- カーネイジが赤く強い理由
- カーネイジの目的
- キャサディの恋人/シュリーク
- エンドロール後のスパイダーマン
ヴェノムがカーネイジに勝てた理由
ヴェノムよりも格上のカーネイジにあっさり勝てたのは、ヴェノムがエディを守ることを考えたから、逆にカーネイジはキャサディを守らなかったからだと思います。
ラストでシュリークの声で教会のてっぺんが壊れた時、ヴェノムはエディよりも先に落下してアンたちを経由してパッとエディの体に戻ることで彼を守りました。
だからエディは無傷だったし、すぐに反撃に動くことができたのでしょう。
対してカーネイジとキャサディは別々に落下していました。
シンビオートは酸素の多い環境化に適応していないから攻撃もできずキャサディのところまでノロノロ向かうしかないし、そのキャサディは落下のダメージでボロボロ。
カーネイジがキャサディを守ろうとしなかったからこそ、別々に落下したからこそ先に反撃に移れたヴェノムたちにあっさりと負けてしまったのではないかなと思います。
友情・信頼・守ろうとする心がなかったからこそ、ヴェノムがエディという友達を「直せば良い」じゃなくて守ろうとしたからこその勝利だったのではないかな。
もっと言えばエディのことを何とか掴もうとアンとダンが手を伸ばしていたからこそ、ヴェノムがいち早くエディのもとに戻れたことを思うと…。
エディがヴェノム・ダン・アンに愛されていたからこそ、友人だったからこそ、友情のないカーネイジたちに勝てたのではないかなと思います。
ヴェノムが泣いていた理由
アンが教会のてっぺんから落ちそうな時にヴェノムが泣いていたのは、自分は彼女のそばにいてはいけない、手放すべきと思ったからではないかなと思います。
ヴェノムとエディが愛しているアンが教会のてっぺんから落ちそうになっているのは、ヴェノムたちの戦いに巻き込まれたから。
なぜ巻き込まれたかというと2人がアンのことが想い続け、いつまでもアンを頼って、アンのそばにいるから…と考えたのでしょう。
そして自分たちのそばにいれば、また危険に巻き込んでしまう可能性があるとも考え、彼女のそばを離れる決意をしたのではないかなと思います。
おそらくだけど、下を見た時にアンのことを心配そうに見つめるダンのことも目に入っていたのでしょう。
だからもうアンのそばに自分たちは必要ない、むしろ一緒にいるべきではないと…彼女のそばにはダンがいるから大丈夫と諦めがついたからこその涙だったのではないかな。
あのシーンにはアンをダンのもとに送り出すというヴェノムとエディの決意…本当の意味での別れの意味も込められていたからこその涙なのではないかなと思います。
ラストのマリガン刑事
ラストの刑事の目が青く光り「化け物…」と呟いていたのは、彼も新しいシンビオートの共生者になるということらしいです。
原作マンガではマリガン刑事はカーネイジにシンビオートの卵のようなものを植え付けられていて、『トキシン』という新しい適合者になる…という話らしい。
ただ映画内では卵を植え付けられた描写はなく、キャサディとシュリークは刑事のことを消したがっていたので…ちょっと違う設定になっている可能性はありそうですね。
もしかしたらカーネイジはキャサディに内緒でシンビオートの繁殖を目論んでいて、刑事にこっそり卵を植え付けていたのかもしれませんね。
そして刑事のことを執拗に追いかけるシュリークのことを、マリガン内部のシンビオートが生まれた直後の食料にしようとしていたのではないかなと思います。
シンビオートが植え付けられているのであれば、どんな傷を追っても治るし…凶器になりえる声さえ出させなければ良いと考えたのでしょう。
ヴェノムは地球にシンビオートは自分1人で良いという考えだけど、カーネイジはキャサディのように家族や仲間を欲していたと考えると…この行動にも納得。
なのでカーネイジは消えたけど、カーネイジの残した卵がマリガン刑事と適合し、新しいシンビオート共生者が生まれるらしいです。
カーネイジが赤く強い理由
カーネイジが赤く、ヴェノムが格上と認めるくらい強敵になっていたのはシンビオートの体に適合者であるエディの血が混じっていたからではないかなと思います。
ヴェノム単体の体の一部から生まれたのであれば、カーネイジも黒くなっていたのでしょう。
しかし今回はヴェノムの一部入りのエディの血液から新しいシンビオート適合者が生まれたために、血液の色が濃く出て赤くなったのではないかなと思います。
カーネイジが生みの親であるヴェノムよりも強くなっているのも、エディの血液と一緒に摂取したから。
ヴェノムはシンビオートの中では負け犬と呼ばれるくらい弱い部類の存在だったので、ヴェノム単体の分身であればそこまで強くはないはず。
しかしシンビオートとの適合者であり、ヴェノムとの相性抜群のエディと一緒にいる状態…ヴェノムが最強の状態から生まれたからカーネイジは強かったのではないかな。
だからカーネイジが赤く強かったのは、ヴェノムの分身だからというよりもヴェノム+超適合者のエディの体液を同時に摂取した人間がいたからではないかなと思います。
ヴェノムが「赤はやばい」と言っていたことを思うと、シンビオート+適合者の血液によって生まれる赤シンビオートはたまに生まれる存在だったのかもしれませんね。
カーネイジの目的
カーネイジが同じシンビオートであり生みの親でもあるヴェノムを敵視しているのは、分身として生まれてしまったからではないかなと思います。
カーネイジはヴェノムの1部から生まれた存在。
シンビオートの繁殖方法が不明なのでなんとも言えませんが、もしかしたら分身で増えるのはかなり異質・珍しいことだったのではないかなと思います。
だからカーネイジは自分の中で俺はシンビオートであってシンビオートでない、ヴェノムであってヴェノムでないという疑問・矛盾を感じてしまったのではないかな。
そしてその矛盾を排除するためにヴェノムを排除して、自分こそがシンビオートだと…自分こそが唯一無二の存在だと証明しようとしていたのではないかなと思います。
自分は1人で良い、自分こそが本体だと思うために。
そしてそんな自分は何だ?自分はなぜ生まれた?という出生の矛盾・疑問のようなものがキャサディとリンクして、カーネイジと適合していたのではないかなと思います。
キャサディの恋人/シュリーク
おそらくだけどシュリークの両親のどちらか、もしくは先祖のどこかにシンビオートのように生物と共生するタイプの地球外生命体がいたのではないかなと思います。
そして共生した状態のまま子供を産んだために、音波攻撃といった特殊能力が引き継がれていたのではないかな。
キャサディがいじめられていた時に音波攻撃をして助けていたことを思うと、彼女の能力自体は生まれつき・幼い頃からある能力でしょう。
ただシュリーク本人は「変異が進行している」「抑えきれない」と冒頭で話していたので、別に好き好んで何かと共生しているわけでもないし原因も不明の様子。
であることを思うと、彼女の知らないところで他生物と共生するタイプの地球外生命体が血族のどこかにいるために能力が引き継がれているのではないかなと思います。
ヴェノムがアンのことを気に入って、エディとアンをくっつけようとしていたことを思うと…地球外生命体と人間のハーフが生まれてもおかしくはないはずですからね。
彼女のいたレイヴンクロフトという施設は、そういった地球外生命体・地球外生命体とのハーフを研究・隔離する場所だったのではないかなと思います。
エンドロール後のスパイダーマン
私はスパイダーマンシリーズは1以外知らないので詳しくは不明ですが、どうやらエンドロール後のスパイダーマンには同シリーズ内の別作品が関わっているようです。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』での出来事が、ヴェノムのエンドロール後に関わっているらしい。
どうやらスパイダーマンの世界にいたドクター・ストレンジの能力に巻き込まれて、ヴェノムたちが別世界に飛ばされてしまった…という展開らしいです。
なので興味のある方はぜひこちらをチェックしてみてください。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の関連作品
ヴェノムとスパイダーマンの関係性を知りたい方におすすめです。
やっぱりエディ・ヴェノムのコンビは最高です。
まとめ
1作目も十分面白かったのですが、個人的には2作目の方が好きと感じるくらい面白い映画でした。
やはり敵側であるキャサディ・カーネイジに共感できる人間性のようなものがあったのが良かったのかなと思います。
なのでどちらかといえば敵・悪役にも感情移入できる要素がある映画がお好きな方、前作の『ヴェノム』が好きだったという方におすすめな映画でした!