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映画『宇宙戦争』のネタバレ感想・考察 大阪がトライポッドを倒せた理由&宇宙人の目的

宇宙戦争 (吹替版)

 

侵略してきた宇宙人から逃れる家族を描いた映画『宇宙戦争』。

 

どこか人間らしい計画性を感じさせる宇宙人、リアルな言動が印象的なキャラクターたちによる攻防に、恐怖を感じつつも共感できる映画で面白かったです!

 

どちらかといえば人間臭さとリアルさが感じられるSF映画がお好きな方、圧倒的な恐怖から逃げる映画がお好きな方におすすめ!

 

 

映画『宇宙戦争』の作品情報

 

あらすじ

出産を控えた元妻のもとにいる子供たち2人を預かることになった男、レイ・フェリエ。

 

しかし子供たちとの接し方が分からないレイ、父親面するレイにイラつく息子・ロビー、口が達者な娘・レイチェルの3人には気まずい空気が流れていました。

 

そんな時、怪しげな空模様と共に吸い込むような強風・同じ場所に何度も落ちる雷という不自然な嵐が突如として街を襲います。

 

嵐が落ち着いてからレイが様子を見に行ってみると、雷の影響で空いた小さな穴から現れた不気味なロボットが、人間を次々に消し炭へと変える惨劇に遭遇しました。

 

命からがら帰宅したレイはすぐに荷物をまとめ、子供たちと逃げることにしたのですが…。

 

動画リンク

宇宙戦争 (吹替版)

宇宙戦争 (吹替版)

  • トム・クルーズ
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映画『宇宙戦争』の感想

 

【面白ポイント】

  • 人間に近い宇宙人が怖い
  • リアルなキャラクター
  • さっぱりとした結末

 

人間に近い宇宙人が怖い

今作の宇宙人は人間っぽい計画性・執念・好奇心といった知性が感じられる敵で、意思疎通ができない宇宙人よりも怖く感じました。

 

SF映画で登場する宇宙人というのは、大体が意思が通じない・人間を下に見ている・サクッと侵略しようとする異次元の存在の場合が多いのですが…。

 

今作では相手の虚を突く奇襲作戦・長い長い年月をかけるほどの強い執念、他の生物への好奇心といった人間に近い行動が感じられて…身近な怖さがありましたね。

 

何というか相手にもそれなりの考え・計画があっての行動で、その上で人間を無惨に葬り去っているからこそ怖い…という感じ。

 

結局のところ未知の生命体・異次元の存在よりも、人間に近い生物が1番怖いなと感じる映画でした。

 

印象としては映画『サイレントヒル』に近かったです。

 

普通の人間が異形の者から逃げ回るというストーリーや人間臭さを詰め込んだ世界観、そして子供を守るために人間と戦う主人公がよく似ていましたね。

 

なのでどちらかといえばサイレントヒルのような逃げる系の映画がお好きな方、人間に近い宇宙人がお好きな方におすすめな映画でした!

 

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リアルなキャラクター

今作のキャラクターは人間の良いところから悪いところまでを詰め込んだリアルさがあって、身近さや親しみやすさ・共感しやすさがあって面白かったです。

 

映画のストーリーが侵略者と戦うではなく急に侵略を始めた宇宙人から逃げるストーリーで、その視点から戦う人・宇宙人・周りの人を見ているからか…。

 

SFなんだけどリアルな恐怖や逃げるしか選択肢がない絶望感があって、SF映画としては新鮮で面白かったです。

 

個人的には主人公がダメ親父というのが1番良かったなと思います。

 

自分勝手・不合理…子供との接し方が分からなければ、出産を控えた元妻への声掛けすらままならないダメダメっぷり。

 

パニックを起こして子供への説明も支離滅裂、不安がる幼い娘に怒鳴って…思い通りにならないと物に当たるという分かりやすいダメ親父がリアルでした。

 

急に宇宙人攻めてきたらそりゃあパニックになるし、普段側にいない子供の面倒を見ながら逃げ回っていればそりゃそうなるよなぁという身近さがあって良かったです。

 

地球を守る・家族を守るという使命感に燃えているキャラクターよりもリアルで親しみやすいですし、だからこそ自己投影もしやすかったですね。

 

良い意味で映画の主人公らしくないキャラクターだし…子供たちは子供たちで自分勝手だし、不安・恐怖・不安定さが詰まっている人間らしいキャラで良かったです。

 

なのでどちらかといえばSF映画にリアルさや身近さを求めいている方、ダメダメな主人公がお好きな方におすすめな映画でしたね。


さっぱりとした結末

今作はドロドロとした人間模様・人間臭い宇宙人との攻防をずっと描いていた割には、あっさり・さっぱりした結末でしたね。

 

全てが丸く収まるハッピーエンドではあるしネタバラシもちゃんとされているので話的にはスッキリなんですけど…何か気分的にはすっきりしない結末です。

 

ここまで盛り上がっていたのに着地点はそこぉ!?みたいな驚きと物足りなさがある結末で、個人的にはもう少しイヤミス感とか宇宙人側の深堀りが欲しかったですね。

 

ストーリー展開的に映画『ミスト』のような結末をイメージしていたので、このさっぱりした結末には驚かされました。

 

もっとドロドロとした感じ、人間の嫌な部分が詰まったような結末を迎えると思っていたのに…晴れやかなエンディングで戸惑いましたね。

 

ただ結局、人間では宇宙人に勝てなかったという部分は好きでした。

 

バリアを張る鉄壁の防御力を誇るロボットを作れる宇宙人に、地球人が対等に戦えるわけがありませんからね…そこはある意味リアルだったのかなと思います。

 

なのでどちらかといえばバッドエンドや嫌な結末の映画が苦手な方、ドロドロしていても結末はキレイに収まる映画がお好きな方におすすめな映画でした!

 

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映画『宇宙戦争』の考察

 

【考察ポイント】

  • 大阪がトライポッドを倒せた理由
  • ラストでシールドが消えた理由
  • 血管のような物の正体
  • トライポッドの中身
  • 侵略を始めたタイミング
  • 宇宙人が地球を狙った目的
  • 宇宙人が微生物に負けた理由

 

大阪がトライポッドを倒せた理由

アメリカが太刀打ちできなかったトライポッドを大阪が倒せたのは、国土が違うために微生物の広がり・衰退スピードが大阪の方が早かったためではないかなと思います。

 

つまり大阪がトライポッドを倒したというよりも、ただ自滅するまでの時間が早かった…という方が正しいかな。

 

アメリカは国土が広いですし隣接する国も多いですから、おそらくは血管のような植物が枝分かれして広がり切るまでに時間がかかっていたのだと思います。

 

しかし日本は土地は狭いし島国だったために植物が国を覆うまでの時間が早く、逃げ場がないことで人間も捕まえやすかったために成長・侵食が早かったのでしょう。

 

そして成長が早い分、微生物による影響も瞬く間に広がってトライポッドや植物の自滅までの時間が早かったのではないかな。

 

なので個人的には大阪がトライポッドを倒したのではなく、国土が狭く島国だったために微生物による影響・自滅までのスピードが早かっただけだと思います。

 

ラストでシールドが消えた理由

ラストでトライポッドのシールドが消えたのは、シールドは手動操作が必要なのに内部の宇宙人が微生物により弱ってシールドが張れなくなっていたためだと思います。

 

そもそもトライポッドは地中に埋まっていた間は無害だったにも関わらず、雷と共にやってきた宇宙人が乗り込んだことで動き出しました。

 

まり手動操作が必要な有人機だったのでしょう。

 

しかし内部で操作している宇宙人は微生物の影響で弱りきっていたために、操作を行うことができずシールドが消えたりぐるぐる回って自滅したりしていたのだと思います。

 

血管のような植物の正体

地上・地中に張り巡らされている血管のような植物はおそらくは宇宙人が生きていくために必要不可欠な物で、人間を栄養分にして育っていたのだと思います。

 

血管のような植物は侵略初期から広がり始め、宇宙人が植物をせっせと育てているような姿があったことを思うと…宇宙人にとってかなり重要なものだったのでしょう。

 

おそらくは宇宙人にとっての酸素・空気を排出する植物で、地球を宇宙人が住める環境に整える役割を担っているものだったのだと思います。

 

地球は植物だけならある程度は育つことができたのでしょうが、宇宙人が降り立てるような環境ではなかったのでしょう。

 

だから宇宙人はトライポッドから最初は降りてこなかったのに、植物が育ち始めたあたりからは出てこられるようになっていたのだと思います。

 

そしてあの植物が育つために必要なものが血液・肉体を含む人間。

 

トライポッドがビームのような物で人間を消し炭にしていたのは、土壌を整えるために使用する苦土石灰のような物でしょう。

 

そして人間を捕獲して血液を散布していたのはスプリンクラーのような物で、どちらも植物を早く・強く育てるために必要だったのではないかな。

 

どちらにしても人間を肥料にしてせっせと育てるほど、あの血管のような植物は宇宙人が地球で生きていくために欠かせない物だったのだと思います。

 

トライポッドの中身

そらくトライポッドの内部は特殊な液体で満たされていて、液体の中で宇宙人とトライポッドが同調することで操作していたのではないかなと思います。

 

ラストでトライポッドのハッチのような場所から大量の液体が出てきていましたし、レイが触手を攻撃した際にも似たような液体が出ていました。

 

つまりあの液体は操作室から触手の末端まで張り巡らされているもので、トライポッドを操作するために必要不可欠なものだったのだと思います。

 

例えるならば人体の血液ですね。

 

トライポッド本体が肉体、全体を巡っている液体は血液、そして操作している宇宙人が脳…その3つでトライポッドを自身の体のように操れたのだと思います。

 

つまりトライポッドはロボットというよりかは、自身の動きを増強させる巨大なパワースーツに近い感覚だったのかもしれませんね。

 

だからこそトライポッドの触手を生き物のようにヌルヌルと動かすことができたし、すぐに対応可能な直感操作ができていたのだと思います。

 

ただパワースーツのようなものだからこそ操作する宇宙人が弱るとパワースーツの動きも鈍くなってしまうため、ラストでは制御不能になっていたのでしょうね。

 

なのでトライポッド内部には血液のような液体が流れていて、搭乗者が脳となってトライポッドと同調することで意のままに操れていたのではないかなと思います。

 

侵略を始めたタイミング

遥か昔から地球を観察しトライポッドを埋め込んでおきながら、今になって侵略を開始したのは人間の数が目標人数に達したためだと思います。

 

おそらく宇宙人たちは遥か昔から地球を自分たちの星にする計画を立てていたのですが、まだ地球には移住できるような環境が整っていなかったのでしょう。

 

血管のような植物を埋めたとしても成長するほどの栄養素がなく、宇宙人もとてもじゃないが降りたてるような状態ではなかったため…。

 

最低限、植物を成長させられる程度まで栄養となる人間の数が増えるのを待っていたのでしょう。

 

そしてやっと目標数まで人間の数が増えたために、ついに長年の計画である侵略を開始したのではないかなと思います。

 

宇宙人が地球を狙った目的

おそらく宇宙人は長い間移り住める星を探していた漂流者で、やっと見つけた移住の可能性を秘めた星が地球だったから襲ってきたのだと思います。

 

なぜ宇宙人たちが星を持っていないのか、なぜ他の星への移住計画を立てたのかは不明ですが…もしかしたら彼らも故郷を奪われていたのかもしれませんね。

 

同じ種族同士での争いか、外部からやってきた侵略者の手によるものか…。

 

もしくは元々地球に住んでいたのは彼らで、太古の人間に追い出されるような形で宇宙に逃げ出していたという可能性もありますね。

 

そして新しい故郷を求めて長い間宇宙を彷徨い、宇宙人に必要不可欠な血管のような植物を育てられる可能性があるのは地球しかないという結論に至ったのでしょう。

 

冒頭のナレーションで「地球を羨望の眼差しで見つめていた」と言われていたことから察するに、地球を狙うまでによほどの想いがあったのだと思います。

 

宇宙空間には危険がたくさんで一箇所にとどまることすらできず、他の宇宙人に狙われることもある…自分のため・家族のため・仲間のためにも星が欲しかったのでしょう。

 

安全な場所を守るために家主である男を襲ったレイと同じ…例え他の生き物が住んでいる場所であろうと、自分たちを守るためには奪い取るしかないですからね。

 

なので個人的には宇宙人は移住できる星をずっと探していて、やっと見つけた星が地球だったからこそ狙ったという至極人間らしい理由だったのではないかなと思いました。

 

宇宙人が微生物に負けた理由

宇宙人が微生物に負けてしまったのは、全てを作り変えられる・もう安全だという慢心があったからではないかなと思います。

 

そもそも宇宙人が微生物に負けたのは不用意に外に出たせい、もっと言えば物に触ったり水を飲んだりしたせいでしょうね。

 

ただそうなった根本的な原因は自分たちにとって有害となる物は排除した・人間は自分たちに勝てない・植物が育ち始めているという慢心にあったと思います。

 

おそらく宇宙人たちは長い時間をかけて調査している間に微生物を発見していたし、自分たちに有害であることも認識していたことでしょう。

 

しかし自分たちの技術力があれば微生物を排除できると思っていたのではないかな。

 

そして実際、人類を侵略する合間に血管のような植物を育て微生物を排除して、もう安全だと気を緩めていたのだと思います。

 

しかしそこかしこにいる微生物を全て排除することはできていなかったし、長い時間を掛けて出来上がった地球の環境を作り変えることはできなかったのでしょう。

 

驕り、そして星を侮った結果の敗北ですね。

 

なので宇宙人は地球を自分たちの物にできる・環境を作り変えることができるという慢心があったから、微生物に負けてしまったのではないかなと思います。

 

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今作の原作小説。
映画版とは登場人物の印象が違うので、映画版が苦手だったという方にもおすすめです!

 

 

 
原作をもとにしたマンガ版。
ギャグも入れつつ残虐さも感じられる青年マンガらしい作品で、惹き込まれるものがありました!

 

まとめ

 

有名な作品でありながら視聴は今回が初めてだったのですが…今観ても斬新さ・新鮮味・リアルさがある映画で面白かったです!

 

映画自体はすっきりしているものの考察の余地も残されていますし、考え方によっては宇宙人への考え方・立場が変わってくるのも魅力的でした。

 

なのでどちらかといえば斬新だけどリアルなSF映画がお好きな方、考察が面白いSF映画がお好きな方におすすめな映画です!

 

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